HOME > 書籍詳細

書籍詳細

最新!C型肝炎治療薬の使いかた診断と治療社 | 書籍詳細:最新!C型肝炎治療薬の使いかた

大阪府済生会吹田病院 院長

岡上 武(おかのうえ たけし) 監修

虎の門病院肝臓センター 医長

芥田 憲夫(あくた のりお) 編集

横浜市立大学附属病院消化器内科 准教授

斉藤 聡(さいとう さとる) 編集

京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 講師

角田 圭雄(すみだ よしお) 編集

初版 B5判 並製 140頁 2012年10月01日発行

ISBN9784787819284

定価:本体4,500円+税
  

ご覧になるためにはAdobe Flash Player® が必要です  


本書は,肝炎治療に携わる幅広い医療職の皆様に役立つ実用書である.第1章ではC型肝炎の病態を中心にコンパクトに解説.第2章では従来のインターフェロン療法を総括したうえで新たに認可されたtelaprevirに関する最新情報を盛り込んだ.第3章では治療効果予測因子について詳細かつ丁寧に解説.第4章では3剤併用療法の副作用対策を多角的に捉え,本治療におけるチーム医療の重要性を再確認した.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

目  次
監修の序  /岡上 武
編集の序  /斉藤 聡
監修・編集・執筆者一覧
第1章 C型肝炎病態のトピックス
A 肝病態と脂質代謝  /角田圭雄,安居幸一郎,伊藤義人,岡上 武
B 肝病態と鉄代謝  /藤田尚己,竹井謙之
C 肝病態と糖代謝  /川口 巧,佐田通夫
D 肝病態とSNPs解析  /建石良介,室山良介,小池和彦
Column FibroscanRを用いた肝線維化診断の有用性  /建石良介
第2章 C型肝炎治療のトピックス
A ペグインターフェロン/リバビリン併用療法  /平松直樹,小瀬嗣子,竹原徹郎
B NS3-4Aプロテアーゼ阻害薬併用療法
1 NS3-4Aプロテアーゼ阻害薬の作用機序  /村田一素
2 国内外におけるエビデンス  /狩野吉康
3 投与方法の実際とその工夫  /鈴木文孝
C 抗ウイルス療法後のフォローの実際  /伊藤義人,西村 健,山口寛二
D 肝発癌抑制を目指したインターフェロン療法  /朝比奈靖浩
E 肝硬変に対する治療  /是永匡紹,溝上雅史
F C型肝炎治療ガイドライン  /斉藤 聡
G 新規薬剤―DAAs併用療法を中心に  /今村道雄
第3章 治療効果予測因子のトピックス
A 宿主側因子
1 IL28B SNPs  /伊藤清顕
2 ITPA SNPs  /村川美也子,中川美奈,坂本直哉
3 脂質/糖代謝要因  /古庄憲浩,小川栄一,村田昌之,林  純
B ウイルス側因子
1 コア領域アミノ酸置換  /芥田憲夫
2 NS5A-ISDR変異数  /前川伸哉,榎本信幸
3 NS5A-IRRDR変異数  /勝二郁夫,堀田 博
C 治療反応性
1 response-guided therapy(RGT)  /林 和彦,片野義明,後藤秀実
第4章 抗ウイルス療法の副作用対策
A NS3-4Aプロテアーゼ阻害薬併用療法の副作用  /小関 至,髭 修平,豊田成司
B 副作用の予防とその対策―チーム医療や医療連携の観点から
1 肝臓専門医の立場から  /芥田憲夫
2 皮膚科専門医の立場から  /岸 晶子
3 薬剤師の立場から  /北田知里,中川佳子,大石輝樹,角田圭雄
4 看護師の立場から  /安井 渚,小副川キヨ子,竹谷祐栄,田中斉祐,角田圭雄
5 医療連携が果たす役割  /江口有一郎,山口美紗子,泉 夏美
第5章 付  録
A テラプレビルの併用禁忌薬剤一覧
B テラプレビル併用療法の説明同意文書(例)
C C型慢性肝炎・肝硬変に係る医療費助成制度のフローチャート
編集後記  /角田圭雄
和文索引
欧文-数字索引

ページの先頭へ戻る

序文

監修の序
 この度,新進気鋭の肝臓学者3名の編集による『最新!C型肝炎治療薬の使いかた』が診断と治療社から出版の運びとなった.本書の編集である芥田憲夫先生,斉藤 聡先生,角田圭雄先生は,近年活躍中の日本肝臓学会のホープである.本書の刊行にあたっては,角田先生が企画を発案し,その後,この3名の先生による活発な議論を経ている.また,横浜市立大学附属病院消化器内科の中島 淳教授には多くの貴重な助言をいただいた.
 C型肝炎は進行すると高率に肝癌を発症する疾患である.また,肝癌を早期に発見して治療を施した場合でも,ほとんどの患者さんは10年以内に多発肝癌による肝不全によって死亡してしまう.このような背景から,ここ20年余りもの間,肝臓専門医はC型肝炎の治療に熱心に取り組んでいる.
 1992年にC型肝炎に対する抗ウイルス療法が始まって以来,わが国の肝癌の70%以上をC型肝炎ウイルス感染者が占めてきた.しかし近年,抗ウイルス療法の進歩によって高率にウイルスが排除されるようになり,C型肝癌は5年ほど前から除々に減少しつつある.その一方で,未だに治療抵抗性のC型肝炎が30%ほど存在し,かつ患者さん達が高齢化してきていることから,安全かつ有効な治療法が待ち望まれていた.
 そのような状況のなか,2011年11月からC型肝炎ウイルス遺伝子(NS3-NS4)に直接作用し,ウイルスの増殖を強力に抑制する薬剤であるTelaprevir(TVR)が使用可能となり,難治性肝炎といわれてきたgenotype 1・高ウイルス量の患者さんに対するペグインターフェロン(PEG-IFN)/リバビリン(RBV)/TVRの3剤併用療法が施行されるようになった.3剤併用療法は素晴らしい治療効果を発揮し,70%以上の患者さんが完治するようになったが,残念ながら時に重篤な副作用が出現する.われわれ臨床医にはその時々の最新・最高の医療を安全に患者さんに提供する義務があることからも,3剤併用療法は肝臓専門医と皮膚科専門医の連携のもとで施行すべきである.
 3剤併用療法はすでに5,000例以上もの患者さんに対して施行されているが,その施行に際しては事前に白血球数,ヘモグロビン値,血小板数,腎機能,糖尿病等のコントロール状況をしっかりと評価しておく必要がある.また,可能であれば宿主側,ウイルス側の効果予測因子も解析したうえで適応を決定し,患者さんの年齢や体重を考慮したPEG-IFN/RBVの投与量とすることはもちろんのこと,TVRの投与量もこれらを考慮して決定する必要がある.適切に調節すれば重篤な副作用の発現を著明に減少させ,かつ治療効果もほとんど減弱しないことが明らかになっている.
 本書では,C型肝炎ウイルス感染における種々の代謝の変化が病態に及ぼす影響を最初に述べ,治療効果予測,治療の実際,副作用対策をその道の専門医に記載していただいた.実臨床にすぐに役立つ素晴らしい一冊である.本書を参考として,最新のC型肝炎治療を安全かつ確実に多くの患者さんに施行され,一人でも多くの患者さんが肝硬変や肝癌から救われることを祈りながら本書の監修の序とさせていただく.
2012年10月
監修
大阪府済生会吹田病院 院長
岡上 武


編集の序
 1989年にC型肝炎ウイルスが発見されてから約20年,1983年に初めてC型慢性肝炎の治療にインターフェロンが用いられてから約30年の歳月が過ぎた.
 当初,1983年の症例はウイルス肝炎を疑われ,その治療にインターフェロンが使用された.その後,保存されていた患者血清からC型肝炎ウイルスが認められ,C型肝炎に対するインターフェロン療法が世界で広く導入されることになる.日本国内では,1992年にレギュラーのインターフェロン療法24週間投与が初めて保険承認され,C型肝炎ウイルスとの戦いが始まった.しかし,いま振り返ってみると,初期の治療効果は決して満足いくものではなかった.特に日本人に多いC型肝炎ウイルスであるgenotype 1b・高ウイルス量の患者に対する治療成績は忸怩たるものがあった.
 当時,日本国内でも多くの研究が行われていたが,約10年間はその治療法に大きな変化はなかった.一方,海外では2000年にインターフェロンとRibavirinの併用や,ペグインターフェロン製剤が取り入れられ,C型肝炎に対する治療効果の向上を示していた.わが国では,2001年にRibavirinとインターフェロンの併用療法,2003年にペグインターフェロン製剤が使用可能となり,海外を追う形でC型肝炎に対する治療の選択肢が広がっていった.
 その後,諸先輩,諸先生方の御尽力により,わが国でもC型肝炎に対する新規薬剤の導入が速やかに行われるようになった.さらに,厚生労働省の「ウイルス性肝炎における最新の治療法の標準化を目指す研究班」(班長:虎の門病院・分院長 熊田博光先生)によるガイドラインが作成され,わが国における標準治療が示されるようになった.そして,ここ数年は治療法や治療効果予測法の飛躍的な進歩によってC型肝炎のガイドラインも毎年のように改訂され,常に新たな情報を手に入れることが求められている.
 本書は,現在臨床の最前線で治療にあたられている新進気鋭の先生方に向けて,2011年11月より初めて臨床現場で使用可能となったDAA(direct anti-viral agent)製剤であるTelaprevirの導入にあたり,近年明らかになった基礎的知見から実際のTelaprevirの使用方法や副作用対策までを,できるかぎり具体的に解説するよう配慮して作成した.実臨床の現場でDAA製剤を含めたC型肝疾患の治療を開始するにあたっては,ぜひ本書を参考としていただければ幸いである.
 最後に,日常診療など御多忙のなか寄稿くださった諸先生方,タイムリーな企画を発案してくださった角田圭雄先生,編集の労を執ってくださった芥田憲夫先生,また多くの助言をいただいた横浜市立大学附属病院消化器内科の中島 淳教授,さらには出版に際して御尽力いただいた診断と治療社・編集部の相浦健一氏に深謝いたします.
2012年10月
編集者を代表して
横浜市立大学附属病院消化器内科 准教授
斉藤 聡


編集後記
 C型慢性肝炎の治療はプロテアーゼ阻害薬のtelaprevirの登場により新しい時代を迎え,今後種々のdirect-antiviral agents(DAAs)の登場により,いよいよ全例治癒を目指すときが到来した.
 実際の臨床の現場ではその治療効果の高さに驚く一方で,その副作用の多様性や頻度の高さから適応症例の選択や治療遂行の困難さを痛感されていると推察する.特に皮膚症状や貧血対策は本治療における最重要課題であり,治療の遂行には消化器・肝臓専門医のみならず,皮膚科医師やコメディカルとの連携が極めて重要となる.
 本書は,大阪府済生会吹田病院の岡上 武院長の監修および横浜市立大学消化器内科の中島 淳教授のご助言のもと,抗ウイルス療法を行う実地臨床家に対し有益な情報を提供すべく,国内外でご活躍の新進気鋭のエクスパートに執筆していただき,約1年の歳月をかけて完成した.ともに編集に携わった横浜市立大学 准教授の斉藤 聡先生ならびに虎の門病院肝臓センター医長の芥田憲夫先生とは内容はもちろんのこと,執筆者の選択や細部の構成に至るまで議論を尽くした.本拙稿を書くに至り,各執筆の先生方から送りいただいた原稿を拝読し,私自身が感銘を受けたのは執筆者の先生方が惜しみなく最新の情報や自組織での工夫を盛り込んでいただきながらも,読者の立場に立って難解な内容を平易に解説していただいている点である.
 第1章では,C型慢性肝炎の病態のトピックスを中心にコンパクトに解説していただいた.特に“metabolic liver disease”としてのC型慢性肝炎に注目し,columnでは最近保険適用となったFibroscanRについても取り上げた.第2章では,これまでのインターフェロン療法を総括したうえで,新たに認可されたNS3-4Aプロテアーゼ阻害薬(telaprevir)に関する国内外のエビデンスや最新情報を盛り込んでいる.第3章では,治療効果予測因子について詳細かつ丁寧に解説いただき,今後3剤併用療法をより効率的に安全に行っていくうえでの症例選択あるいは治療回避の際の有用な情報となっている.そして第4章では,医師だけでなくコメディカルを含めた様々な立場から副作用対策を多角的に捉え,本治療におけるチーム医療の重要性を再確認している.
 本書は,実際に抗ウイルス療法を施行されている消化器・肝臓専門医から,肝炎治療に携わるコメディカルに至るまで,幅広い医療職の皆様に役立つ実用書となったことを確信している.本書をご活用いただき,C型肝炎全例治癒の時代を迎えることを心から祈念する.
 最後に,ご多忙にもかかわらずご執筆していただいた先生方,ならびに本書の出版に際し並々ならぬ御尽力いただいた診断と治療社の相浦健一氏にこの場を借りて厚く御礼申し上げます.
2012年10月
編集者を代表して
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 講師
角田圭雄