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書籍詳細

愉しく学ぼう 小児の臨床神経生理診断と治療社 | 書籍詳細:愉しく学ぼう 小児の臨床神経生理
ベッドサイドで役立つ見方・考え方

小児脳機能研究会(しょうにのうきのうけんきゅうかい) 編集

東京都立東部療育センター 院長

加我 牧子(かが まきこ) 編集主幹

山梨大学大学院総合研究部 教授

相原 正男(あいはら まさお) 編集主幹

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所知的障害研究部 部長

稲垣 真澄(いながき ますみ) 編集主幹

初版 B5判 並製 192頁 2015年11月15日発行

ISBN9784787821997

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定価:本体5,200円+税
  

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脳神経系の疾患をもつ小児の診療や検査に関わる医師・臨床検査技師,必携.脳波の基礎事項や臨床応用,波形を重ね書きする技術や加減算ができるコンピュータ技術の成果,また画像診断学や機能画像診断学の進歩まで,脳神経系の働きがよくわかる,臨床神経生理学的な見方や考え方の知恵が詰まった一冊.

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目次

   カラー口絵

   はじめに 加我牧子
   編集主幹・執筆者一覧


総 論

 1 小児臨床神経生理へのご招待 加我牧子,宮尾益知,安原昭博,大久保 修
 2 臨床での使い方とわかること 稲垣真澄,米田れい子
 3 小児検査の注意点
   1)鎮静法 金村英秋
   2)脳波検査の工夫 長田美智子
   3)国立精神・神経医療研究センターでの工夫 磯 敬

各 論

・脳波
 1 基礎 根来民子
 2 小児の正常/異常脳波 榎 日出夫
 3 脳波解析 越智文子,馬場史郎,大坪 宏
 4 ポリグラフィー 木村一恵
  ▲TOPICS 1 aEEG 奥村彰久

・誘発電位
 1 聴覚誘発電位 (ABR,MLR,SVR,OAE) 山本晃子,加我牧子
 2 視覚誘発電位 (VEP) 安原昭博
 3 網膜電図(ERG) 山﨑広子
 4 体性感覚誘発電位(SEP),短潜時体性感覚誘発電位(SSEP) 荒木 敦

・神経伝導検査,筋電図
 1 末梢神経伝導検査(M波,F波,H波,SCV,瞬目反射) 安元佐和
 2 筋電図(EMG):針筋電図,表面筋電図 根津敦夫
 3 眼電図(EOG):衝動性眼球運動(サッケード)と滑動性眼球運動 後藤裕介,相原正男
  ▲TOPICS 2 経頭蓋磁気刺激(TMS)検査 崎原ことえ

・事象関連電位
 1 ミスマッチ陰性電位(MMN) 軍司敦子,稲垣真澄
 2 P300 渕上達夫
  ▲COLUMN N400 加我牧子
 3 NoGo電位 井上祐紀,加我牧子
 4 運動関連電位(MRCP),随伴陰性変動(CNV) 加賀佳美,相原正男
 5 交感神経皮膚反応(SSR),瞳孔反応 青柳閣郎,大山哲男,相原正男

・脳機能マッピング
 1 脳磁図(MEG):てんかん焦点を中心に 白石秀明
 2 脳血流シンチグラフィー(SPECT) 伊藤弘道,東田好広,森 健治
 3 陽電子放射断層撮影法(PET) 夏目 淳
 4 機能的磁気共鳴画像(fMRI) 北 洋輔,稲垣真澄
 5 近赤外線スペクトロスコピー(NIRS) 安村 明,稲垣真澄
  ▲TOPICS 3 顔認知の脳磁図と事象関連電位 久保田雅也,木村育美
  ▲TOPICS 4 拡散テンソル画像(DTI) 夏目 淳

・ME機器
 1 事象関連電位測定システム 白澤 厚
 2 筋電図・誘発電位検査装置の仕組み 佐野 仁

   あとがきにかえて 相原正男 
   索 引

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序文

 私たち「小児脳機能研究会」は,“子どもたちの脳とこころの発達やその障害の解明には臨床神経生理学的な手法が有用である”と考えて,これまで活動してきました.その背景には,“生理学って大切! 思ったより愉しい! 患者さん,特に子どもたちに痛い思いをさせなくても,状態や経過がよくわかる!”という共通の認識があります.そしてこのたび,当研究会世話人が中心になって「愉しく学ぼう 小児の臨床神経生理」をお届けすることになりました.本書は,脳神経系の病気をもつ子どもの診療や検査に日夜,奮闘していらっしゃる若手のドクター,臨床検査技師の方々に必要な,臨床神経生理学的な見方や考え方の知恵がいっぱい詰まっています.
 医学の基礎領域は,大まかに解剖学,生理学,生化学の3 分野に分けられるといわれていました.早い話,形態学的な解析を探求する領域,生体の機能を探求する領域,体内で働いている物質の探求の領域,ということでしょう.このことは,臨床場面でも常に意識しなければいけないことだと思います.つまり,患者さんの病因・病態を明らかにして,診断・治療につなげるためには,患者さんを支えることを第一に,病気に至った組織や器官の形や機能,物質がどのように変化するのかをとらえる視点が重要だからです.
 現在では,多くの臨床神経生理検査を病院の中央検査室で実施できるようになりました.しかし背景に隠れた病態を理解するためには,自分で調べること,考えること,想像することが大切です.一人ひとりの患者さんを思い浮かべながら,検査結果を自分の頭で吟味することも大事でしょう.でも,複雑な脳波や誘発電位の波形を目の当たりにしてその所見の解釈に悩むことも多いでしょう.そんなとき,本書は多くのヒントや解決法を与えてくれると思います.なぜなら,小児脳機能研究会にかかわる一同がこれまでの経験を元に,熱い思いを込めながら理路整然と執筆しているからです.
 例えば本書では,神経生理学の大切な端緒と考えられている脳波の基礎事項や臨床応用に続き,波形を重ね書きする技術,波形の加減算ができるコンピュータ技術の進歩の成果までわかりやすく記されています.そして,臨床神経生理の世界だけでなく,画像診断学や機能画像診断学の進歩もエキスパートが解説しているので,患者さんの脳神経系の働きを明瞭に理解できるでしょう.ぜひベッドサイドでご活用いただきたいと思います.
 患者さんのために,そして私たち自身の世界を広げるために,本書が小児の臨床神経生理を愉しく学ぶ仲間を増やすいとぐちになることを願い,皆様と一緒にお仕事のできる未来を楽しみにしております.
2015 年10 月 すずやかな秋晴れの日に
加我牧子