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書籍詳細

救急・当直の現場で役立つ 
腹部超音波診断ファーストステップ診断と治療社 | 書籍詳細:腹部超音波診断ファーストステップ

杏林大学第三内科学教室教授

森 秀明(もり ひであき) 編著

初版 B5判 並製 192頁 2016年10月30日発行

ISBN9784787822819

定価:本体5,600円+税
  

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超音波検査にまつわる手技・装置の基礎知識はもちろん,本書後半の各疾患ページでは,救急医療の現場でよく出会う,症候・症状をわかりやすくアイコン化して表しました.超音波画像を並列させ,繰り返し見比べることで臓器の位置や状態を視覚的にも再認識,診断技術力のアップを狙いました.「お腹が痛い!」の患者主訴から予測していく,便利な急性腹症の診断フローチャート付.救急・当直を任される若いドクターだけでなく超音波検査が苦手と感じているドクターまで,患者・医療者双方にとって有益な非侵襲の超音波検査技術を習得できる一冊です.

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目次

急性腹症超音波診断フローチャート 巻頭綴込
序 文
執筆者一覧

A 超音波のABC (森 秀明)
1 正常解剖と正常超音波像
2 腹部領域の超音波画像の表示方法
3 プローブの当て方と綺麗に描出するためのコツ
4 超音波診断装置の設定
5 アーチファクト(虚像)

B 救急現場と検査法 (佐藤通洋)
■ 救急現場におけるFASTの極意

C 痛み・症候から何を疑うのか (森 秀明)
1 痛みの部位から考える
①上腹部痛(心窩部痛)
②下腹部痛
③胸痛
④背部痛・腰痛
2 症候から考える
①ショック
②発熱
③呼吸困難
④全身倦怠感
⑤黄疸
⑥悪心・嘔吐
⑦腹部膨満
⑧腹部腫瘤
⑨吐血・下血・血便
⑩血尿

D 対象臓器別にみた超音波診断へのアプローチ
1 肝 臓 (西川かおり)
①急性肝炎・劇症肝炎
②肝硬変
③うっ血肝
④門脈ガス血症
⑤肝膿瘍
⑥肝細胞癌・肝内胆管癌・転移性肝腫瘍
2 胆嚢・胆管 (岡庭信司)
①胆嚢結石・胆管結石
②急性胆嚢炎・胆管炎
③胆嚢捻転症・壊疽性胆嚢炎
④胆嚢癌・胆管癌
⑤閉塞性黄疸
3 膵 臓 (岡庭信司)
①急性膵炎
②膵癌
4 脾 臓 (佐藤通洋)
①脾膿瘍
②脾梗塞
5 食道・胃・十二指腸 (松原友紀,本田伸行)
①食道癌
②急性胃粘膜病変(AGML)
③消化性潰瘍
④幽門狭窄症
⑤胃腫瘍
⑥消化管穿孔
6 小腸・大腸 (松原友紀,本田伸行)
①腸閉塞(イレウス)
②腸重積
③急性虫垂炎
④感染性腸炎
⑤虚血性大腸炎
⑥大腸癌
7 腎臓・上部尿路・副腎 (齊藤弥穂)
①腎結石・尿管結石
②水腎症
③急性腎不全
④腎梗塞
⑤腎膿瘍
⑥腎細胞癌
⑦副腎褐色細胞腫
8 下部尿路・膀胱・前立腺 (齊藤弥穂)
①尿管口結石・膀胱結石
②膀胱腫瘍
9 精索・陰嚢 (齊藤弥穂)
①鼠径ヘルニア
②精索捻転症・精巣回転症
10 脈管(血管・リンパ)系 (佐藤通洋)
①大動脈解離
11 腹腔・後腹膜腔 (西川かおり)
①腹水・胸水
②腹腔内膿瘍・後腹膜膿瘍
③腹膜偽粘液腫
④癌性腹膜炎
⑤悪性リンパ腫
12 腹部外傷 (佐藤通洋)
①肝損傷
②脾損傷
13 小児科領域 (井上敬介,青松友槻,梶 恵美里,余田 篤)
①先天性胆道拡張症
②先天性胆道閉鎖症
③肥厚性幽門狭窄症
④腸重積(小児例)
⑤腸回転異常症
⑥肝芽腫
⑦Wilms腫瘍
⑧副腎神経芽腫
⑨急性虫垂炎(小児例)
14 産婦人科領域 (上原麻理子)
①卵巣出血
②卵巣腫瘤
③子宮体がん
④異所性妊娠(子宮外妊娠)

◆Break time(コラム)
急性腹症とは
不明熱とは
柑皮症とは

索 引

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序文

 腹部超音波検査は非侵襲的な検査であり,リアルタイムに画像が得られ,結果がその場で判定できることから腹部領域の診断上欠くことのできない検査法となっている.近年の超音波診断装置の進歩は著しく,初学者でもあまり苦労せずに観察できるようになってきたため,経験の浅い検者が片手間に超音波検査を行い,その結果,病変を見落とし,その後,CTやMRIなどの検査で異常所見が指摘されることも少なくない.超音波検査は誰でも手軽に行えるというイメージがあるが,残念ながら誰でも行えるのと誰もが正しい診断ができるのとは異なっているのが現状である.特に超音波検査は検者が見落としてしまうと画像に記録されないため,CTやMRI検査と異なり上級医が後で画像をみても正しい診断にたどり着くことは困難である.
 救急医療の現場では,早急に緊急手術を含む処置が必要とされる場合が多く,患者の主訴から,考えられる病態や疾患を迅速かつ正確に診断する必要がある.超音波検査は特別な前処置も必要なく,ベッドサイドで施行可能であり,救急医療の現場でも第一選択の検査法として位置づけられている.また肝膿瘍や急性胆?炎・胆管炎,閉塞性黄疸などに対する穿刺治療を行う際のガイドにも用いられている.さらに経過観察による救急疾患の病態の変化の把握や合併症の早期診断にも有用な検査法である.
 本書は現在,超音波医学の各分野でご活躍中のエキスパートの先生方に研修医や若手の医師,技師が見逃してはいけない救急疾患とその病態を中心に,ご執筆頂いた.ぜひ一人でも多くの研修医や若手医師,技師の方々が超音波検査の魅力に気づいていただき,本書を手にして救急医療の現場で活用していただければ幸いである.
 最後に本書を出版するにあたり,ご多忙の中,本書の趣旨にご賛同いただき,執筆していただいた各領域の先生方と診断と治療社の編集部の土橋幸代氏,川口晃太朗氏,山﨑 香氏に感謝の意を表する次第である.

2016年10月
杏林大学第三内科学教室教授
森 秀明