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慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の診療ガイドライン2016診断と治療社 | 書籍詳細:慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の診療ガイドライン2016

日本小児感染症学会 監修

初版 B5判  80頁 2016年11月15日発行

ISBN9784787822826

定価:本体3,000円+税
  

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希少疾患である,慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)と類縁疾患であるEBウイルス関連血球貪食性組織球症(EBV-HLH),種痘様水疱症,蚊刺過敏症の4疾患をまとめた,25のCQからなる診療ガイドライン.いずれの疾患も難治であり,効果的な治療法が確立されていないなか,一般臨床医の診療の指針となる,必携書.

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目次

序 文
◆ガイドラインサマリー  
◆診療アルゴリズム 
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)
EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)
種痘様水疱症
蚊刺過敏症
◆略語一覧

第1章 本ガイドラインについて
1.作成組織
2.本ガイドラインについて

第2章 疾患の基本的特徴
1.慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)
2.EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)
3.種痘様水疱症
4.蚊刺過敏症
5.慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の病理
6.慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の位置づけとWHO分類との関係

第3章 クリニカルクエスチョン(CQ)に対する推奨と解説
1.慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)
CQ1 CAEBVの診断や病態の評価に,どのような検体・手法を用いEBVゲノムを検出することが推奨されるか?
CQ2 CAEBV診断後の治療介入の判断に,感染細胞の表現型・クローナリティは有用か?
CQ3 CAEBVの治療方針決定に有用な予後因子は何か?
CQ4 CAEBVに化学療法は推奨されるか?
CQ5 CAEBVに造血幹細胞移植は推奨されるか?
CQ6 全身症状や臓器病変のない時期のCAEBVに,化学療法・造血幹細胞移植などの治療介入は必要か?
2.EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)
CQ7 EBV-HLHの診断や病態の評価に,どのような検体・手法を用いEBVゲノムを検出することが推奨されるか?
CQ8 EBVの感染既往の評価にFA法とEIA法のどちらが推奨されるか?
CQ9 EBV-HLHの診断・治療選択に,感染細胞の表現型・クローナリティは有用か?
CQ10 初感染EBV-HLHの治療開始基準として推奨されるものはあるか?
CQ11 初感染EBV-HLHにどのような免疫調整療法,化学療法が推奨されるか?
CQ12 治療抵抗性のEBV-HLHの鑑別診断に対してどのように精査を進めるか?
CQ13 治療抵抗性のEBV-HLHに造血幹細胞移植は推奨されるか?
3.種痘様水疱症
CQ14 種痘様水疱症の診断や病態の評価に,どのような検体・手法を用いEBVゲノムを検出することが推奨されるか?
CQ15 種痘様水疱症の治療方針決定に有用な予後因子は何か?
CQ16 種痘様水疱症の予後・治療選択に,感染細胞の表現型・クローナリティは有用か?
CQ17 遮光は種痘様水疱症の予後の改善に有用か?
CQ18 ステロイド外用は種痘様水疱症の予後の改善に有用か?
CQ19 臓器病変のない種痘様水疱症に,化学療法・造血幹細胞移植などの治療介入は必要か?
4.蚊刺過敏症
CQ20 蚊刺過敏症の診断や病態の評価に,どのような検体・手法を用いEBVゲノムを検出することが推奨されるか?
CQ21 蚊刺過敏症の治療方針決定に有用な予後因子は何か?
CQ22 蚊刺過敏症の予後・治療選択に,感染細胞の表現型やクローナリティは有用か?
CQ23 蚊刺過敏症では,蚊刺を避けることが予後の改善に有用か?
CQ24 蚊刺過敏症にステロイド内服は推奨されるか?
CQ25 臓器病変のない蚊刺過敏症に,化学療法・造血幹細胞移植などの治療介入は必要か?

文献検索式
索 引

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序文

 慢性活動性EBウイルス感染症,EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症,種痘様水疱症,蚊刺過敏症は,未だ十分に発症機構が解明されていない希少疾患である.これら4疾患はそれぞれ異なる疾患概念をもつ.しかし,EBウイルスが感染したT細胞・NK細胞の増殖に端を発するという共通点をもち,臨床的に重複する部分もある.また,本疾患群は,感染因子,遺伝因子など複数の要因がかかわり,全身・局所的な病変をきたすため,特定の疾患領域/診療科に帰属させることが困難であった.さらに,いずれの疾患も難治であり,効果的な治療法は確立されていない.こうした状況のもと,疾患領域・診療科を超え,共通の指針に基づく診療ガイドラインを作成することが望まれていた.
 2009年に厚生労働省難治性疾患克服研究事業として「慢性活動性EBウイルス感染症の実態解明と診断法確立に関する研究」(班長;藤原成悦)が採択され,これを機に本疾患群の病態解明・診断法開発・新規治療探索研究が深まった.2014年4月,厚生労働省難治性疾患政策研究事業の一環で,「慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患に対する診療ガイドライン作成と患者レジストリの構築」研究班(班長;木村 宏)が立ち上がった.この研究班は日本小児感染症学会を中心に,日本血液学会,日本小児・血液がん学会,日本皮膚科学会と,それぞれの領域を超え組織された.また,臨床医のみならず,基礎医学者,病理学者,健康科学分野の専門家,そして患者の会代表と幅広い職種/層より構成された.以来,2年余にわたって討議を重ね,このたび診療ガイドライン発刊の運びとなった.
 なお,本ガイドラインで示した慢性活動性EBウイルス感染症の診断基準は,2003年にEBウイルス感染症研究会で策定された診断指針をベースに作成している.同研究会は,慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の基礎的・臨床的研究を行う場として四半世紀続いており,研究会でなされた数々の議論が,本ガイドラインの礎となったことを申し添える.
 最後に,慢性活動性EBウイルス感染症患者の会(SHAKEの会,http://caebv.com)をはじめとする患者の皆さまから多大なご支援をいただいたことに感謝申し上げる.藤原班の採択を契機に始まった患者交流会において,多くの患者の方々とそのご家族が,受診診療科/施設に悩み,しかるべき診断・治療を受けるまでに長期間を要していること,そして生活面においても長期にわたる支障を被っていることを,目の当たりにした.このことが診療ガイドラインを一刻も早く作成・公開したいという強い原動力になった.本ガイドラインが,領域を超え広く臨床の場で用いられ,将来的に患者ご本人の予後と生活の質の改善につながることを心より期待してやまない.

2016年11月
診療ガイドライン統括委員会委員長
木村 宏