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書籍詳細

川崎病学診断と治療社 | 書籍詳細:川崎病学

日本川崎病学会 編集

初版 B5判 並製 248頁 2018年11月30日発行

ISBN9784787823403

定価:本体6,300円+税
  

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1967年、川崎富作先生により初めて報告され、半世紀以上経った現在もいまだ原因が不明の疾患として知られる川崎病。本書は「歴史と疫学」「病因・遺伝・病理」「診断と急性期の検査」「急性期治療」「遠隔期の検査・治療・管理」の5章より構成され、日本川崎病学会の総力を結集して編集した、川崎病を系統的に学べる初の学会編の教科書。小児科医のみならず、川崎病に携わるすべての臨床医、研究者に必携の書。

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目次

口 絵
序 文
執筆者一覧

I 歴史と疫学
1 歴 史
 a 川崎病の歴史
 b 川崎病診断の手引きの変遷
2 疫 学
 a 川崎病の記述疫学
 b 川崎病の分析疫学
 c 全国調査における川崎病治療法の変遷
 d 川崎病の同胞例・親子例

II 病因・遺伝・病理
1 病因論
 a 細菌説
 b ウイルス説
 c 自然免疫説
 d 対流圏内の気流説
2 遺 伝
3 病 理
 a 冠動脈(急性期・遠隔期)
 b 冠動脈以外の血管病変
 c リンパ節
4 川崎病疾患モデル
 a ヒト細胞を用いた病態モデル
 b Candida albicans細胞壁由来糖蛋白誘導血管炎モデル
 c Lactobacillus casei細胞壁菌体成分誘導血管炎モデル
 d Nod1 リガンド誘導冠動脈炎モデル

III 診断と急性期の検査
1 主要症状
2 参考条項とその他の症状
 a 参考条項
 b 心血管系以外の合併症
 c バイタルサインと全身評価
3 血液検査・尿検査
4 胸部X線検査・心電図
5 心エコー検査
6 バイオマーカーによる評価
7 特殊な病型の特徴および診断
 a 不全型の特徴
 b 早期乳児例の特徴
 c 年長児例の特徴
 d 重症川崎病の特徴
8 鑑別診断
 a 発熱・発疹性疾患の鑑別
 b 頸部リンパ節腫脹の鑑別
 c 心疾患・冠動脈疾患の鑑別

IV 急性期治療
1 急性期治療総論
2 免疫グロブリン
3 プレドニゾロン
4 ステロイドパルス
5 シクロスポリン
6 インフリキシマブ
7 ウリナスタチン
8 血漿交換
9 アスピリン

V 遠隔期の検査・治療・管理
1 遠隔期診療総論
2 冠動脈造影
3 MDCT
4 MRI
5 心筋シンチグラフィ
6 その他の検査
 a アンモニアPET
 b 血管内エコー(IVUS)
 c 光干渉断層法(OCT)
7 内科的治療
8 カテーテル治療
9 外科的治療
10 学校での管理
11 移行医療
12 成人期の管理
 a 成人になった川崎病患者をどう診るか
 b 動脈硬化との関連性
 c 妊娠・出産


索 引

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序文

序 文

 「川崎病の学問的な教科書を作りたい」という熱い思いをもつメンバーが集まり,編集会議を催したのは2017年末のことでした.爾来,日本川崎病学会の全面的な協力を得て,1年足らずでこのようにハイレベルの本を作り上げることができたことは望外の喜びです.
 川崎病は,川崎富作先生が1961年に発見し,1967年に日本語,1974年に英語の論文で報告した比較的新しい疾患です.多くの研究者が挑んできましたが,原因が不明のまま発生数は増加しています.診断に迷い,重症例の治療に苦しみ,冠動脈病変の管理に悩んでいる小児科医も少なくないことでしょう.小児科に限らず,内科や外科,基礎医学に携わる者にとっても,川崎病は謎が多く奥の深い疾患であると思います.
 しかし,川崎病に関して系統的に学べる教科書はこの30年間存在していませんでした.本書の最大の特徴は,第一線の専門家による科学的な内容が充実していることです.
 全体を5章に区分し,「歴史と疫学」では,川崎病の確立と伝統ある全国調査の動向を述べました.「病因・遺伝・病理」では,感染,免疫,病理,遺伝,実験モデルに至るまで最新の研究について知ることができます.「診断と急性期の検査」では,症状や検査など日常診療に役立つ情報が満載です.「急性期治療」では,冠動脈病変をいかに抑制するか,近年のエビデンスを提示します.「遠隔期の検査・治療・管理」では,冠動脈病変を残した患者の画像診断や治療のほか,成人期の管理も記述しました.
 「川崎病学」という学問を真に究めるためには,なお道半ばと思いますが,本書を知らずして先には進めません.川崎病の診療にかかわるすべての臨床家と研究者にとって,必ずや役立つ座右の書であると確信しています.
 最後に,本書の発案から出版に至るまでお世話になった診断と治療社の坂上昭子様と土橋幸代様,多忙な業務の中でご執筆いただいた先生方,そして貴重な情報を与えていただいた川崎病の患者さんとご家族に深謝申し上げます.

2018年11月
編集者を代表して

東京都立小児総合医療センター
三浦 大