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国立精神・神経センター病院
小児神経科ケースカンファレンスADVANCED診断と治療社 | 書籍詳細:小児神経科ケースカンファレンスADVANCED

国立精神・神経センター病院小児神経科

佐々木 征行(ささき まさゆき) 著

初版 B5判 並製 448頁 2009年12月25日発行

ISBN9784787817471

定価:本体7,400円+税
  

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小児神経科ケースカンファレンス100の続編.その名のとおり,診断・治療困難例を中心に上級者を意識した新規の100症例を挙げて徹底検討する.随所のコラムで息抜きも図る.

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目次

国立精神・神経センター病院
小児神経科ケースカンファレンスADVANCED

カラー口絵

A.フロッピーインファント
A-1. 出生時より筋緊張低下を示し,徐々に改善している1歳7カ月女児
A-2. 出生時より筋緊張低下を呈し人工換気を要した,著しい成長障害のある1歳男児
A-3. 重症仮死後の脳性麻痺として在宅人工呼吸療法を受けていた6歳男児
A-4. 出生時より呼吸障害と筋緊張低下を来した表情の乏しい9カ月女児
A-5. 重度仮死で出生し筋緊張低下が続く6カ月男児
A-6. 運動発達遅滞,筋緊張低下,哺乳力不良を呈した10カ月女児

B.運動発達遅滞
B-1. 11歳で左下肢が細いことに気付かれた13歳男児
B-2. 半年前に右上下肢が細いことに気付かれた8歳女児
B-3. 出生時から右下腿屈筋群が腫大し,右つま先歩きをする8歳女児
B-4. 緩徐進行性に左下肢が萎縮し足変形と歩容異常を呈した10歳女児
B-5. 呼吸障害と筋力低下を新生児期より認めた47,XXXの9歳女児
B-6. 多発性関節拘縮と早期より脊椎変形を呈した4歳男児
B-7. 6歳頃からつま先歩きをして転倒しやすくなった11歳女児
B-8. 肥大型心筋症と高CK血症を呈し,最近目が見えにくくなった13歳男児
B-9. 振戦,感情不安,高CK血症が出現した長期中心静脈栄養施行中の2歳女児

c.運動退行
C-1. 1年前から進行性筋力低下を認める12歳男児
C-2. 半年ほど前から朝の吐き気を訴え,体重減少と筋力低下が進行している13歳女児
C-3. 遠位筋(特に母指球)の筋萎縮が進行する14歳男児
C-4. 5歳頃からゆっくりと進行する歩行障害が急に改善した8歳男児
C-5. 変動する筋力低下により歩行困難を繰り返している3歳女児
C-6. 喘鳴,漏斗胸が先行し,変動する歩行障害を呈した4歳女児
C-7. 発熱の2週間後から腹痛・嘔吐が続き,歩けなくなった9歳女児
C-8. 突然の肩痛後の三角筋萎縮を繰り返した12歳男児
C-9. 不器用・尿失禁と歩行障害が進行し忘れっぽくなった9歳男児
C-10. 1年前から下腿の疲労感のために歩きにくくなった13歳男児

D.精神運動発達遅滞
D-1. 強度便秘とけいれん発作を呈した精神運動発達遅滞の5歳男児
D-2. 乳児期からの流涎と構音障害が続く6歳男児
D-3. 1歳9カ月でけいれん重積を来した精神運動発達遅滞の女児
D-4. 兄と同様の難治性けいれんと重度精神運動発達遅滞を呈した7歳男児
D-5. てんかんと精神運動発達遅滞をもち両側視床病変を呈した3歳女児
D-6. 精神運動発達遅滞,てんかん発作,歩行時ふらつきを呈した6歳女児
D-7. 精神運動発達がまったく進まない8カ月女児
D-8. 運動発達遅滞と先天性白内障を呈した3歳女児
D-9. 新生児期に滑脳症と右小眼球症を指摘された精神運動発達遅滞の乳児
D-10. 精神運動発達遅滞とけいれん発作を呈した1歳女児
D-11. けいれん,学業成績不良と大頭を主訴に受診した12歳男児
D-12. 歩行開始時から失調性歩行が続く4歳女児

E.精神運動退行
E-1. 1歳前から精神運動発達が退行し,大頭が目立ってきた1歳6カ月男児
E-2. 視力低下,知的退行が疑われた6歳男児
E-3. 入学後,落ち着きがなく学習障害とされていた10歳男児
E-4. 6歳で精神運動退行を示した新生児ヘルペス脳炎罹患歴を持つ男児
E-5. 広汎性発達障害として経過観察中に精神運動退行のみられた10歳女児
E-6. 幼児期から精神遅滞を認め,10歳台で不随意運動と運動退行が始まった女性
E-7. 進行性小脳失調症状を呈した13歳男児
E-8. 1歳8カ月から運動退行を示した脳梁欠損症の2歳女児
E-9. 重度精神運動発達遅滞があり進行性大脳萎縮を呈した1歳男児
E-10. 下肢のふらつき・むせこみ・知的退行が徐々に進行する14歳女児
E-11. 活動性低下を来した脳性麻痺の8歳女児

F.点頭てんかん
F-1. 生後6カ月で点頭発作を発症した7カ月女児
F-2. 大頭あり,生後7週より部分発作,5カ月に点頭てんかんを発症した6カ月男児
F-3. 仮死で出生し,5カ月から短い強直を繰り返し笑わなくなった6カ月男児
F-4. 点頭発作が出現した精神運動発達遅滞と小頭を呈する9カ月女児
F-5. 新生児期から難治性てんかんを発症し精神運動発達の停滞している7カ月女児

G.けいれん
G-1. 4年前から動作が停止する発作を繰り返している13歳男児
G-2. 生後1カ月から難治性の部分発作が続く6カ月女児
G-3. 1歳11カ月から右上肢の部分発作がしばしば起きる3歳男児
G-4. 笑い発作から強直けいれんを起こす5歳女児
G-5. 出生日から左眉毛部のぴくつきが見られた1歳男児
G-6. 生後2カ月から瞬目と右上肢強直けいれんを繰り返している4歳女児
G-7. 点頭てんかんから転倒する強直けいれんに変容した3歳女児
G-8. 乳児早期てんかん性脳症を呈した2カ月女児
G-9. 片側巨脳症と診断され,手術後も難治性けいれんがコントロールされない1歳男児
G-10. チアノーゼを伴う部分けいれん発作が頻回に起きる8カ月男児
G-11. 生後7カ月よりシリーズ形成する四肢の強直けいれんを繰り返す9カ月女児
G-12. 小頭,高度難聴,難治性てんかんを呈す6歳女児
G-13. 生後14日より全般性強直けいれん発作が頻回に認められる3カ月女児
G-14. 8歳から全般性強直間代けいれんと動作停止発作が頻回に起きる11歳女児
G-15. けいれん重積を繰り返し,ミダゾラム持続点滴治療から離脱できない13歳男児

H.不随意運動
H-1. 溶連菌感染の2週間後から上肢や体幹に不随意運動が現れた6歳女児
H-2. 歩行時右足が内反尖足になる4歳女児
H-3. 反復発作性に下肢筋が強直し痛がって動きにくくなる3歳男児
H-4. 発作性に筋緊張亢進と眼球上転を呈す精神運動発達遅滞のある3歳男児
H-5. 激しい不随意運動を繰り返す8カ月男児
H-6. 3カ月前から左上下肢が動かしにくくなってきた5歳女児

I.意識障害
I-1. 単純ヘルペス脳炎後に,けいれん発作頻回となり指しゃぶりを続ける2歳女児
I-2. けいれん重積後精神運動発達遅滞とてんかん発作を認める3歳男児
I-3. 生後2週で3日間発熱し,まだ追視をしない4カ月男児
I-4. 毎日50回以上けいれん発作が起きるメチルマロン酸血症の1歳男児
I-5. 4歳よりてんかんとして治療中,突然軽度意識障害を呈した18歳男性
I-6. 急性脳炎の経過中から部分発作重積が止まらない4歳男児
I-7. 急性に嘔吐・意識障害を呈した母乳栄養の10カ月男児
I-8. マイコプラズマ感染症の経過中に意識障害を来したてんかんをもつ8歳女児
I-9. 10歳でけいれん初発し11歳から不登校と摂食障害で治療を受けていた13歳男児
I-10. てんかんと精神遅滞で経過観察中に突然頭痛と意識障害を呈した27歳男性

J.片麻痺
J-1. 6カ月から左片麻痺に気付かれた7歳男児
J-2. 出生時より大頭で左片麻痺と精神運動発達遅滞を呈している8歳女児
J-3. 乳児期からけいれん重積を繰り返し1歳3カ月で片側けいれん後片麻痺を呈した女児
J-4. 15歳時から左上肢の間代性けいれんを繰り返している25歳男性
J-5. 3年前の右半身けいれん重積後,徐々に右不全片麻痺と言語退行が進む9歳女児
J-6. 川崎病に罹患後,右片麻痺とけいれんを発症した3歳女児
J-7. 7カ月時に急性硬膜下血腫除去を受け,左不全片麻痺を呈する14歳男児
J-8. 左右不定の一過性片麻痺を繰り返した9歳女児

K.頭 痛
K-1. 10歳より激しい頭痛を2~3カ月に1回訴えている13歳女児
K-2. 感音性難聴があり,嘔吐を伴う激しい頭痛発作を繰り返した7歳女児
K-3. 頭痛と急激な右視力低下を来した11歳女児

L.無呼吸
L-1. 多呼吸と無呼吸を繰り返す1カ月女児
L-2. 突然のチアノーゼ発作を繰り返している7カ月男児
L-3. 夜間の呼吸困難を訴えたDuchenne型筋ジストロフィーの10歳男児

M.その他
M-1. 後天的に両側外転神経麻痺を呈した6歳女児
M-2. 2歳以後発語がなくなった4歳女児

診断・転帰・主治医一覧
索 引

コラム目次
1. 小児科の魅力
2. 小児神経まっしぐら
3. レジデント便り
4. 画像診断-MRI編
5. 脳波の読み方
6. 筋病理だ,キーンと冷えたビールだ
7. 中枢神経病理はフライドチキンから
8. 誰でもすなるPCRというもの
9. 留学の誘惑
10. 英語とホテルとマラソンと
11. マラソン三昧
12. 予防接種後進国と揶揄されて
13. スミソニアンの重要性
14. 米国で川崎病なんて
15. 氷河と湖
16. 指導医とレジデント
17. 小児神経セミナー
18. 蔵王セミナー
19. そうだ,本作ろう
20. プレートテクトニクスと虫
21. 目指せ,ファーブル
22. 天文学へのご招待
23. 学会での楽しみ
24. 日本百名山
25. 重症心身障害病棟で考えたこと
26. 臓器はいったい誰のもの?
27. てんかん外科治療
28. 片側がお好き
29. 発達障害ブーム
30. 産科医療保障制度
31. 医療に明日はあるか?
32. 医者と作家
33. 武蔵賛歌

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序文

まえがき
本書は,2004年に発行された「国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科 ケースカンファレンス100」の続編になります.前書は,多くの小児神経科の先生方から評価していただきました.そして意外にも放射線科の先生方からも多くのお声がけをいただき,感謝しております.その後の6年間の経験を中心に,診断や治療が困難だった症例を中心に新たにまとめる機会が得られました.本書ではさらに一層視覚化を心がけました.前書のやり方を踏襲して,今回も主訴別に並べてあります.同じような疾患が並んでいたり,似たような疾患があちこちに出てきたりします.日常診療を想定してあります.
小児神経学分野での診断学における大きな進歩は,画像診断と遺伝子診断です.MRIにより脳構造の細部まで判断することが可能になり,先天性脳形成異常がかなり多いことがわかりました.急性脳症急性期での頭部MRIもルーチン化され,新たな疾患概念が打ち立てられています.遺伝子診断の進歩により,遺伝子レベルで原因・病態を解明できる疾患も多くなりました.
これらに比較して治療学の分野では,まだそれほど大胆な改善は得られていないかもしれません.現在開発中の遺伝子治療が可能になれば,多くの先天性疾患で恩恵を受けることになるでしょう.医学のどの分野においても診断学・治療学・病態学が日進月歩で進化しています.あらゆる疾患について,確実な診断の下に適切な治療が行われる日は遠くないと信じています.
本書に収められている疾患は,小児神経疾患として基本的なレベルから,非常に稀で一生かかっても目にすることがないような疾患も含まれます.しかし,発生頻度がいくら低くても,明日読者の皆さんの目の前に同じ疾患の方が現れるかもしれません.「知らなかった」で済ませることなく,ぜひ貪欲に新しい知識を増やしていただきたいと思います.診断に至る過程を楽しんでいただければ幸いです.
私たちの経験を読者の皆さんと共有することにより,わが国小児神経科の医療レベルが向上することを期待しています.そして,病気に悩んでいる子ども達やそのご家族のお役に立つことができれば,これに勝る喜びはありません.
内容につきましては,至らぬところが多々あるものと思います.できるだけ最新の文献に当たったつもりでしたが,あまりに手を広げすぎたため見落としは少なくないかもしれません.内容に関する責任はすべて筆者にあります.お気づきの点がありましたら,お知らせください.

2009年11月
著者