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AD/HD,LD,高機能自閉症
新版軽度発達障害の臨床診断と治療社 | 書籍詳細:新版軽度発達障害の臨床
~レッテル貼りで終わらせない よき成長のための診療・子育てからはじめる支援~

山形大学教授

横山 浩之(よこやま ひろゆき) 著

初版 B5判 並製 240頁 2011年05月28日発行

ISBN9784787818874

定価:本体4,600円+税
  

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軽度発達障害の子どもにかかわる医療従事者,保護者,学校関係者待望の新版。著者は医療と教育の連携,子育て支援こそ、最善の治療であることを実践する第一人者.すぐに役立つ具体的なアドバイスを,豊富な症例やコラムとともに紹介.発達障害の臨床に,新しい道を切り拓く福音の書.

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目次

推薦の言葉/飯沼一宇 
はじめに/横山浩之

第 1 章:軽度発達障害の概要

A 「軽度」発達障害という言葉に惑わされてはならない
 1 軽度発達障害がある子どもの長期予後
   (診断だけで,十分な指導ができなかったころ)
 2 軽度発達障害がある子どもをめぐる状況は好転していない
 3 軽度発達障害は,発見されにくい
 4 軽度発達障害は,理解されにくい
case 1
 AD/HDを疑われて来院 (8歳,女児)
 5 軽度発達障害は,保護者からも,支援者からも,医師からも理解されにくい
case 2
 AD/HD(混合型),ODD (10歳,男児)

B ボーダーラインの精神遅滞 
 1 IQ=70の子どもを想像してみよう
column1
 漢字とひらがなはどちらが難しいか?
 2 なぜ気がつかれていないのか
 3 誤解の結末は… 
case 3
 ボーダーラインの精神遅滞 (11歳,女児)
 4 同じような症例への筆者の治療的介入は?
column2
 教育のレディネスとは?

C 高機能自閉症・アスペルガー症候群
 1 自閉症とは
 2 精神遅滞と自閉症を比較してみる
 3 質的な障害で何が起こるか
 4 こだわり行動
 5 高機能自閉症・アスペルガー症候群
 6 アスペルガー症候群と広汎性発達障害のほかの亜型など
case 4
 高機能自閉症 (14歳,男子)

D 学習障害(Learning Disabilities:LD) 
 1 概 要
 2 診 断
 3 治 療
case 5
 言語性LD (7歳,男児)
column3
 LDと脳科学

E 注意欠陥多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder:AD/HD)  
 1 注意欠陥の症状とは
 2 多動性-衝動性の症状とは
column4
 多動による不慮の事故
 3 AD/HDの症状は誰にでもある?
column5
 AD/HDの見逃し
case 6
 AD/HD(多動性-衝動性優勢型),年長さん (5歳,男児)
case 7
 AD/HD(混合型),うつ病,小学1年生 (7歳,女児)

F 軽度発達障害と保護者,教育者,そして子どもの不幸  
 1 軽度発達障害への誤解を解くためにも

付録 遠城寺式乳幼児分析的発達検査表(九大小児科改訂版)




第 2 章:鑑別疾患と併存障害

A 気分障害 
 1 概 要
 2 うつ病性障害(うつ病)
case 1
 AD/HD,うつ病性障害 (6歳,男児)
 3 双極性障害
case 2
 自閉症スペクトル (双極性障害合併診断時16歳,女子)
 4 気分障害の薬物治療
case 3
 AD/HD,双極性障害,小学4年生,体重30 kg (10歳,男児)
case 4
 AD/HD(混合型),ODD (当科受診時10歳,男児)
column1
 中程度以上の精神遅滞がある場合の気分障害について

B 外傷後ストレス障害・適応障害 
column2
 心理学的な防衛機制
case 5
 軽度精神遅滞,反応性抑うつ状態,不登校,適応障害 (9歳,女児)

C 保護者による不適切な扱い(maltreatment)による行動異常 
 1 概 要
column3
 発達の原則
column4
 愛情形成の類型(Mary Ainsworthによる)
 2 0歳児の発達課題をかかえた子ども
case 6
 高機能自閉症児(5歳,女児)の弟 (2歳,男児)
case 7
 アスペルガー症候群の疑い (16歳,女子)
 3 1歳児の発達課題をかかえた子ども
case 8
 AD/HDおよびODD (9歳,男児)
case 9
 ODD,ネグレクト,心理的虐待 (8歳,男児)

D 反抗挑戦性障害(Oppositional Defiant Disorder:ODD)と行為障害
(Conduct Disorder:CD)  
 1 反抗挑戦性障害(ODD)
 2 ODDとその鑑別
column5
 微細運動徴候の有無
 3 軽度発達障害を伴わないODD
 4 行為障害(CD)
 5 AD/HDとODD・CD
 6 DBDマーチに対して,何ができるか
 7 ODDを合併したAD/HDの治療
case 10
 AD/HD(多動性-衝動性優勢型),ODD (9歳,男児)
 8 ODDを合併した自閉症・アスペルガー症候群の治療
case 11
 高機能自閉症 (9歳,男児)

E 社会不安障害(Social Anxiety Disorder:SAD) 
case 12
 社会不安障害(SAD),体重19 kg (5歳,男児)




第 3 章:“子育て支援”から診断へ――診断がなくてもできる“子育て支援”

A 子どもに出会って何をするか…まずは行動観察を 
 1 はじめて出会ったときこそ,行動を観察する
 2 あいさつに対する反応は?
 3 病歴の聴取のときにも,行動観察しよう
column1
 親は子どもを意外にわかっていない~私の場合~
 4 第三者からの情報は慎重に扱おう
 5 事実だけを読み取る
 6 保護者の話と,第三者評価が食い違ったら
case 1
 AD/HD(多動性-衝動性優勢型),小学4年生 (10歳,男児)
 7 知能検査・心理検査は何のため?

B 診断にかかわらず,すぐに指導できること 
 1 家庭が,家庭として機能できること
column2
 家族を大切にすることからはじめよう
 2 生活習慣の改善を目指す
column3
 早寝・早起きができない場合… 
 3 子どもにお手伝いをさせよう
case 2
 AD/HD,中学1年生 (13歳,男子)
 4 しつけの3原則を守ろう
column4
 行動異常がある子どもが,子育てに投げかけている問題
 5 テレビ・ゲームなどのメディアとのつきあい方を覚えよう
 6 子どもにも共通の趣味をもたせる
 7 「ほめる」ことが「しつけ」の基本であることを,親に理解させる
column5
 私自身も,軽度発達障害がある次女のおかげで,「ほめる」こそ基本であるという経験をした
 8 ペアレントトレーニングの原則を子育てに生かす―「ほめること」と「無視すること」
column6
 「ほめる」を実行できているか?
 9 反抗期対策を保護者に教えよう
case 3
 AD/HD混合型,ODD,年長さん (5歳,男児)
column7
 一次反抗期対策の最後 
case 4
 AD/HD,ODD,CD,小学5年生 (11歳,男児)

C 診断を超えて…医師だからこそできること  
 1 保護者や周囲の人たちの健康状態に留意しよう
 2 保護者への診断の告知




第 4 章:薬物療法とその利用

序 薬物療法は患児のために 
case 1
 AD/HD(混合型),ODD (9歳,女児)

A 睡眠障害 
 1 内因性入眠障害型/外因性「しつけ不足」入眠障害型
case 2
 AD/HD(混合型) (11歳,男児)
case 3
 高機能自閉症,てんかん (5歳,男児)
 2 中途覚醒型睡眠障害
case 4
 アスペルガー症候群 (8歳,男児)
case 5
 言語性LD (9歳,男児)
 3 概日リズム障害型睡眠障害
case 6
 社会不安障害(SAD) (15歳,男子)
 4 その他
B 多動性-衝動性に対する治療  119
 1 メチルフェニデート徐放剤とアトモキセチン:AD/HD治療薬
case 7
 AD/HD,ODD,CD,ネグレクト,反応性愛着障害 (11歳,女児)
 1‐1 メチルフェニデート徐放剤(コンサータ®)
case 8
 AD/HD(注意欠陥優勢型),うつ病性障害 (15歳,女子)
case 9
 AD/HD(混合型) (8歳,男児)
 1‐2 アトモキセチン
case 10
 AD/HDおよび言語性LDの疑い (4歳,男児)
case 11
 AD/HD,言語性LD,ODD (9歳,男児)
 2 抗精神病薬
 2‐1 ハロペリドール
column1
 抗精神病薬投与時の保護者への説明
case 12
 AD/HD(多動性-衝動性優勢型),ODD,体重35 kg (10歳,男児)
 2‐2 リスペリドン
case 13
 AD/HD(混合型),体重37 kg (15歳,男子)
case 14
 高機能自閉症,体重30 kg (9歳,女児)
 2‐3 アリピプラゾール
 2‐4 クエチアピンとペロスピロン
 3 気分安定薬(カルバマゼピン,バルプロ酸)
case 15
 高機能自閉症,反応性うつ病 (10歳,女児)
case 16
 高機能自閉症,解離性障害 (9歳,女児)

C 抗うつ薬  
 1 フルボキサミン
case 17
 AD/HD(多動性-衝動性優勢型),反応性うつ病 (8歳,男児)
 2 その他の抗うつ薬

D 漢方薬
case 18
 AD/HD(混合型),言語性LD (17歳,女子)




第 5 章:注意欠陥多動性障害がある子どもをどう育むか

序 「教育」こそ,軽度発達障害の子どもへの治療である 

A 保護者に診断を告げる 
column1
 併存障害がある場合の診断告知

B 最初に必ず守らせること 

C ペアレントトレーニングの考え方を教える 

D できれば幼児期にやらせたい:フィンガーカラーリングと字の練習
(ひらがな・カタカナ・漢字の練習) 
 1 フィンガーカラーリング
 2 字の練習(ひらがな・カタカナ・漢字の練習)

E 小学校入学に関係して
 1 入学式より前に本章A~Dが終了している場合には,保護者を勇気づける
column2
 保護者の話から,真意を読み取ろう
 2 新入学の時期はいろいろな意味で勝負のとき
 3  4月末から5月はじめに必ず診察する
case 1
 AD/HD,小学1年生 (6歳,女児)※筆者の次女

F ギャングエイジについて(小学2年生の後半から) 

G 学級崩壊に巻き込まれないために 

H 二つのハードル
 1 算
 2 読み・書き
column3
 基礎学力(読み・書き・算)の保証は,なぜ小学4年生程度で十分なのか?


I 本人への告知と薬物療法の終結
column4
 薬物療法中止の季節を決めている理由

J 思春期対策について 
column5
 保護者に向けて

K 治療終結に向けて
付録 バークレー博士の12の原則




第 6 章:高機能自閉症やアスペルガー症候群がある子どもをどう育むか

A 保護者に診断を告げる  
column1
 戦略的診断と自閉症スペクトル

B 最初に必ず守らせること  

C 幼児期に学ばせたいこと 
 1 視線の使い方を教える
 2 HACプログラムを練習させる

D 小学1年生を迎えるにあたって 
 1 生活力こそすべて
column2
 筆者の失敗から学ぶ
 2 1年目は予期せぬことが起こる
column3
 保護者の障害受容は,他の障害に比べて自閉症で進みにくい
 3 小学1年生での目標は「学校のルール」を守れること

E 小学2年生からはじめさせたいこと  
 1 小学2年生はチャレンジのとき
column4
 趣味は,正常な大人のための感覚統合療法
 2 小学2年生で教えはじめたいこと――身だしなみ
 3 HACプログラムが終わったら,保護者に認知発達治療の考え方を少しずつ理解してもらう
column5
 強度行動障害

F SPELLの法則 
 1 Structure(構造化)
column6
 構造化は手段でしかない
 2 Positive(ほめる)
 3 Empathy(共感)
case 1
 高機能自閉症の男児と(反応性)うつ病の母親
 4 Low arousal(低刺激)
 5 Links(連携)

G お手伝いと分業 

H 告 知  
 1 就労を目指して~望ましい告知のあり方~
case 2
 高機能自閉症,告知後反応性うつ状態を合併 (告知時12歳,男児)

I 中学校以降の経過観察 
 1 就労に向けた支援
 2 精神疾患の合併と治療に留意

付録 自閉症・アスペルガー症候群の子どもたちの一般的性質
 1 自閉症と認知の偏り・歪み
case 3
 高機能自閉症 (9歳,女児)
 2 社会性やコミュニケーションの質的な障害から何が起こるか




第 7 章:周囲との連携を考える

A 対応の原則――ペアレントトレーニングを利用する
 1 筆者の失敗から学ぶ
 2 ペアレントトレーニング(PT)の原則
事例
 1~6
 3 ペアレントトレーニング(PT)の限界を知る

B 知能検査による連携と学習障害(LD) 
 1 検査とは
 2 検査の説明で心がけていること
 3 学習障害(LD)をとらえなおす
column1
 医学的立場を生物学的にとらえなおす

C 出口(就労)から,就学指導を考える 
 1 就学指導の実際

D 教育・保育と保護者を取り持つ 
 1 学級担任・学校と保護者との対立があったときには… 
case 1
 高機能自閉症,小学1年生 (7歳,女児)
column2
 教養がない校長や教師たち
 2 保護者の不適切な扱い(maltreatment,広い意味での虐待)による行動異常を,
教育の協力で治療する
column3
 maltreatmentによる行動異常がある子どもに対して学校がよく失敗する
パターン

E 自閉症・アスペルガー症候群と保育・教育 
 1 太田ステージ
 2 太田ステージを鑑別に利用する
case 2
 AD/HD(混合型),言語性LD (3歳,男児)
 3 太田ステージを教育に生かす
case 3
 自閉症 (9歳,女児)



◆筆者が頻用している保護者向けの参考書
◆教師を含む支援者向けの参考書


索 引

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序文

はじめに
 本書の旧版に「本書は専門書ではない.専門書を,読めるようになる準備のための本である.それゆえに,専門家からみれば,厳密さや穏当さに欠くところがあるかもしれない」と書いた.旧版は,筆者の予想をはるかに超えて,多くの方に読まれた.改めて,旧版の生みの親である診断と治療社の久次武司氏,原口由佳氏に感謝したい.旧版は日本外来小児科学会での,つたない私の講演(ご依頼いただいた会頭の永井幸夫先生に深謝)がきっかけだった.学会会場で,即座に,書き下ろしをご依頼いただいた.
 新たな薬剤の発売,子ども虐待に関する新知見,さらに研究の進歩によって,筆者の目からみても旧版は時代遅れになった.それにもかかわらず旧版は増刷され続け,多くの方々から現場ですぐに役立ったと感想をいただいた.
 新著の書き下ろしを編集部長の堀江康弘氏からご依頼いただいたのは,縁あって山形大学医学部看護学科に着任して間もないころであったが,執筆には時間がかかった.
 小一プロブレム,モンスターペアレントといった言葉に代表されるように,環境因子によって行動異常を呈する子どもが,教育・保育の現場で激増していたからだ.医療と教育の連携こそ,子どもを改善できる最強の手段であると考えている私にとって,この問題は切実であった.異動により自分自身が教壇に毎日立つ立場への変化は,この問題の解決方法の模索に大変役に立った.この新版では,環境因子による行動異常への考え方や対処に紙面を割いた.
 また,旧版でいただいた感想を生かして,ライフステージを考えた支援についても大きく紙面を割いた.軽度発達障害がある子どもにかかわって20年余りとなり,青年期まで経過観察し得た症例も増えた.かつての私と同じ失敗を繰り返させないためにも,あえて私の失敗も本書では提示した.
 本書をご編集いただいたのは,柿澤美帆氏だ.締切を守れない私を叱咤激励し,さらに東北地方太平洋沖地震という大災害にも負けずに編集作業を進めてくださった.編集部の甚大なるご助力がなければ,本書は世に出なかった.
 本書の執筆を支えてくれたのは,もちろん,一緒に仕事をしている仲間たちだ.東北大学小児科神経グループ(四季会)の先生方.特に,奈良千恵子先生,廣瀬三恵子先生,涌澤圭介先生,久保田由紀先生である.また,虐待に関して大崎市民病院小児科の岩城利充先生,児童精神科学に関して上山病院児童精神科の石井玲子先生にも,ご指導をいただいた.
 大崎市立病院の工藤充哉先生,八戸市立市民病院の田名部宗之先生,勝島小児科の勝島由利子先生,看護スタッフの皆様,大崎市の保育園・子育て支援センターの保育士の方々にも,ひとかたならぬご協力をいただいた.
 連携してくださった教師・保育士,心理士,保健師,音楽療法士など関係した皆様.特に市民団体にゃっき~ずや山形大学医学部看護学科大学院公開ゼミにご参加くださっている先生方.
 教育書を執筆させてくださった明治図書の江部 満先生,樋口雅子先生,小学館の白石正明先生.
 本書で引用させていただいた文献や書物を執筆なさった先生方.特に,田中康雄先生.大森 修先生.
 私が東北大学に知的発達支援外来を作りたいと考えたときに,即座にご許可くださり,援助してくださった飯沼一宇名誉教授.私を教えつづけてくださった元国立仙台病院名誉院長の故白橋宏一郎先生.
 そして,私の患者さんたち,保護者の皆様方にも,この場を借りて深謝したい.誰一人欠けても,本書はなかった.ありがとう.

 2011年5月
横山浩之

【 こ と わ り 】
 本書に記された症例は,いずれも実在の症例をもとに書かれているが,プライバシー保護のために,様々な改変が加えられている.たとえば,各種のエピソードを,類似した症例から重ね合わせる,時期を変える,場所を変えるなど.また,読者のわかりやすさのために,一部の症状を隠蔽した症例もある.
 いずれにせよ,症例が特定されない(実在しない)ように配慮してあることを読者にご了解いただきたい.なお,資料の掲載などにより,関係者には症例がわかってしまう症例については,掲載にあたり,事前に保護者の許可をいただいた.著者の場合については改変がない.


推薦の言葉
 『AD/HD, LD,高機能自閉症 新版 軽度発達障害の臨床~レッテル貼りで終わらせない よき成長のための診療・子育てからはじめる支援~』の著者,横山浩之氏は小児神経科専門医であり,長年小児神経疾患の医療を通して,特に軽度発達障害の臨床,母親に対する子育て支援,教育現場での教師への指導を積極的に行ってきました.
 本書の表題は見ての通りとても長いのですが,副題として付いている「レッテル貼りで終わらせない」,「子育てからはじめる支援」などが,この本の内容・コンセプトを如実に表しています.
 近年小児神経学,小児神経医療の領域ではAD/HD, LDや軽度発達障害などが大きな問題になっています.このようなテーマの催しがあると,聴衆が超満員という状態になっています.それだけ多くの人が関心を持っているといえます.このような問題を持つ子どもたちに対する対策として,文部科学省は特別支援教育を立ち上げました.対象が多少異なるようですが,厚生労働省でも「子どもの心」専門医養成の方針を打ち出しました.これも時代の要請なのでしょう.
 本書は軽度発達障害児にかかわっていこうとする小児科医,小児神経科医の実践書として大いに役立つことと思います.知りたい項目を開くとそこに解決策の一つが載っているというような本書が,発達障害の子どもを診ている医師,かかわる教師そして保護者の座右の書となることを期待しています.


石巻赤十字病院院長
元日本小児神経学会理事長
東北大学名誉教授
飯沼一宇