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川崎病診断の手引きガイドブック2020診断と治療社 | 書籍詳細:川崎病診断の手引きガイドブック2020

日本川崎病学会 編集

初版 B5判 並製 68頁 2020年04月01日発行

ISBN9784787824318

定価:本体2,800円+税
  

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「川崎病診断の手引き」が約15年ぶりに改訂!「改訂5版」からどこが,どのように変わったのか,また,診断にどう影響するのか.本書では,その変更点や特徴をわかりやすく解説するとともに,川崎病と鑑別すべき疾患にも言及している.また,巻頭には改訂6版の手引きにあわせ,鑑別疾患の一覧表や症例写真を掲載.川崎病を日常診療している専門医のみならず,川崎病に携わるすべての臨床医,研究者にとって必携の書である.

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目次

序文
執筆者一覧
川崎病診断の手引き改訂6版
症例写真
鑑別疾患一覧表

I  診断の手引き改訂の背景
 1  診断の手引き改訂6版作成の目的,経緯と変更点
 2  診断の手引きの変遷(改訂6 版に至るまで)

II 診断名の定義と特殊な病型における診断上の注意点
 1  診断名の定義
 2  特殊な病型における診断上の注意点
    不全型川崎病
    早期乳児例
    年長児例
    再発例
    重症例(川崎病ショック症候群)

III 臨床症状
 1  主要症状 
    発熱
    眼球結膜充血
    口唇,口腔所見
    発疹(BCG 接種痕の発赤を含む)
     a 発疹
     b BCG接種痕の変化
    四肢末端の変化
    急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹
 2  参考条項における臨床所見
    消化器症状
    呼吸器症状
    関節症状
    神経症状
 3  鑑別のポイント 
    感染症ならびにリウマチ性疾患
    鑑別すべき冠動脈病変・心病変

IV 検査のポイント
 1  心臓超音波検査
    冠動脈
    冠動脈以外
 2  血液検査
    血算
    血清・生化学
    バイオマーカー(サイトカイン)
    バイオマーカー(サイトカイン以外)
 3  IVIG 不応例予測スコア
 4  その他の検査所見
    尿検査
    心電図
    病理学的所見

Column
末梢動脈瘤

索引

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序文

序文

 1967 年に急性熱性皮膚粘膜淋巴腺症候群として報告された疾患は,発見者への畏敬の念を込めて誰いうとも
なく川崎病とよばれるようになった.当初予後良好な疾患と考えられた本疾患であったが,詳細が明らかにな
るにつれ生命を脅かす疾患であることが判明し,川崎病と研究者との長い戦いがはじまった.
 報告から半世紀を過ぎた現在,川崎病の急性期治療法は大きく進歩し心合併症の発生率も大きく低下した.
しかし,川崎病の原因はいまだに明らかになっておらず,心合併症の発生率もゼロには至っていない.心合併
症の発生頻度がどれほど低くなってもわが子が合併症を引き起こすかもしれないという親の不安が軽くなるこ
とはない.根本治療がない現在,少しでも早く川崎病を正確に診断し適切な治療をはじめることがなにより肝
要である.
 川崎病の診断の手引きは1970 年に初版が作成され,その後,より川崎病に特徴的で,なおかつ早期の診断が
可能になるよう改訂が繰り返されてきた.改訂の流れは本書で詳しく記載されており,変更点をみればその時
代の研究者達がなにを企図していたかをうかがい知ることができる.今回,およそ15 年ぶりに行われた改訂
は,症状が非定型的であるために診断や治療開始が遅れ,その結果として心合併症を起こす患者さんを1 人で
も減らしたいという川崎病研究者の切なる願いがこめられている.
 「川崎病診断の手引き改訂6 版」は,鮎沢 衛先生を委員長とする日本川崎病学会川崎病診断の手引き改訂委
員会が特定非営利活動法人日本川崎病研究センター,厚生労働科学研究 難治性血管炎に関する調査研究班の
支援を得て2 年の時間をかけて公表に至った.すでに周知されている川崎病の6 つの主要症状を変更すること
はせず,診断の基準もそのまま残した.一方,川崎病が疑われるものの診断基準を満たさない主要症状4 つ以
下の患者から心合併症が少なからず発生している事実に鑑み,診断に重要な参考条項を大きく見直すことで主
要症状と参考条項とを総合的に判断し不全型川崎病として発症早期から川崎病に準じた治療がはじめられるよ
うにした.この改訂により川崎病のエキスパートではない小児科医も川崎病の標準的治療を行いやすくなった
ものと確信している.その一方,これまでの診断の手引きと比較して川崎病患者数,心合併症の発生頻度など
がどう変化するのか,川崎病全国調査や多施設共同研究で検証していく必要がある.
 本書では,「改訂6 版」に主要症状,参考条項として取り上げられた臨床症状や臨床所見,検査所見の特徴に
ついて一つひとつ解説を加えている.さらに,不全型川崎病の定義,臨床的特徴について記載している他,川
崎病と鑑別すべき疾患にも言及している.川崎病を日常診療している専門医のみならず専攻医や研修医にも理
解しやすく,必ずや役立てていただけるものと期待している.
 本書発刊に際し,執筆にご協力いただいた日本川崎病学会会員をはじめとする数多くの方々に謝意を表す
る.なかでも原稿をとりまとめ出版に漕ぎつけたのは鮎沢 衛先生,小林 徹先生のご尽力の賜物であり心か
ら感謝申し上げる.さらに,本書の企画から出版に至るまでお世話になった診断と治療社の土橋幸代氏,坂上
昭子氏,渡邉直人氏に深謝申し上げる.
2020 年2 月
日本川崎病学会
会長 髙橋 啓