株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
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雑誌「診断と治療」2023年 Vol.111 No.12 NASH/NAFLDアップデート:患者数急増時代の実践ガイド

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掲載論文

ねらい  中島 淳

◆総 論
近年のNASH/NAFLDの動向  中島 淳,他
疫学と予後に関する最新エビデンス  藤井英樹
NASH/NAFLDの病態  藤原直人,他
遺伝的背景と治療への応用  瀬古裕也,他

◆診 断
NAFLDハイリスク症例をプライマリ・ケアの視点からいかに拾い上げるか  芥田憲夫
専門医に紹介すべき患者:NASH/NAFLDのAI診断  岡上 武,他
肝臓専門施設における診断  野上麻子,他

◆治療,管理
食事療法(栄養指導)  鎌田佳宏
運動療法  高橋宏和
薬物療法  川中美和
糖尿病・脂質異常症合併NAFLD  武井暁一,他
NASH肝癌の拾い上げと治療  豊田秀徳
心血管イベントの管理  佐藤達也,他

◆新しい話題と今後の展望
脂肪肝の新疾患概念「MAFLD」とは  堤 翼,他
新薬開発の最近の動向  角田圭雄,他
非肥満,lean NASH/NAFLDとは  伊藤隆徳,他
2020年ガイドラインの総括と未来への提言  徳重克年

連載
視診で見抜く! 皮膚疾患の診かた
メラノーマはどれか? 梅林芳弘
注目のデバイス
ミニメド™ 770 Gシステム(インスリンポンプ)  石黒瑞稀,他
新連載 弁護士が答えます! 法律相談クリニック
残業代どこまで支払えばいいの?  松村武志

ねらい

 非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は飲酒量が多くないにもかかわらず脂肪肝を呈し,なかには慢性肝炎である nonalcoholic steatohepatitis(NASH)になり,その後,肝硬変や肝臓癌に至る,近年世界中で増加している疾患群である.わが国には2,500万人程度のNAFLD患者がおり,そのうち25%程度がNASHに進展するといわれている.本疾患に関してはいまだ保険で認められた治療薬がない状態であり,ウイルス性肝炎であるC型肝炎ウイルス(HCV)患者の激減と相前後して,肝臓癌の原因疾患としてこのNAFLDが取って代わってきており,臨床上解決されなければならない重要疾患である.
 最近,NAFLDの疾患名称が欧米主導で「MASLD」に変更になった.本特集ではこの機会に病名変更の経緯の解説(「近年のNASH/NAFLDの動向」参照)から,疫学,病態,診断法,そして間もなく認可されるだろう新薬の開発状況の最新の知見までを,第一線の専門医の先生に解説いただいた.
 本疾患の患者の大多数は実地診療現場,特に糖尿病やメタボリックシンドロームを診療するプライマリ・ケア医の先生方のところにいるという点で,本特集は必ずや日々の診療でお役に立つものと確信している.この場を借りて著者の先生方に御礼を申し上げてご挨拶としたい.
 本特集での最大の狙いは,プライマリ・ケアを担う実地医家の先生方が当該患者を診た際にどうすべきか,最近のガイダンスを提示している点である.疾患名が変わろうとも肝生検の必要性がなくなり,近年進歩してきた非侵襲的検査法をどう使いこなせるかが重要なポイントである.面白いのはいよいよAIによる診断方法がわが国でも登場する予定で,これこそまさにプライマリ・ケア医の先生方や健診業務を行っている先生方には非常に簡便であるため朗報となろう.ぜひご一読いただきたい内容である.

横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室
中島 淳
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