株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
  • 2色刷のビジュアルな誌面で読みやすい.

雑誌「診断と治療」2024年 Vol.112 No.5 日常診療で診るCKD 乗り遅れないための最新情報

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掲載論文

ねらい  酒井行直

CKDの基本的概念
 CKD診断の臨床的意義と専門医紹介基準  植松 光,酒井 謙

CKDの原疾患
 高血圧・CVD(心不全)とCKD  平和伸仁
 高血圧性腎硬化症・腎動脈狭窄症  伊藤孝史
 糖尿病性腎臓病  阿部雅紀
 高尿酸血症とCKD  宮田大資,高田龍平
 脂質異常症・メタボリックシンドロームによるCKD  孤杉公啓,鶴屋和彦
 日常で診る腎炎:IgA腎症,感染症関連糸球体腎炎(COVID-19も含む)  木原正夫,鈴木祐介

進行したCKDとESKD
 腎性貧血  本田浩一,鮫島里沙,美馬友紀
 CKD-MBD  北島夏見,角田隆俊
 透析導入とCKM  下田奈央子,柏木哲也
 高齢化社会における在宅医療としての腹膜透析  伊藤恭彦
 腎移植―近年の進歩・日本の現状と課題について―  伊藤万理子,大迫希代美,谷澤雅彦

CKDの予防医療
 薬剤性腎障害とその予防  臼井丈一,髙橋真由美
 CKDの食事療法・生活栄養指導  菅野義彦
 腎臓リハビリテーション  片岡浩史,小林静佳,星野純一

最新のトピックス
 腎臓イメージングに関する最新情報  竹内和博,坂本絵美,清水 章
 腎臓病バイオバンクの紹介と遺伝子診療の現状  長洲 一,菅原有佳,岸 誠司
 腎不全治療の未来―腎臓再生医療の新たな展望と課題―  山中修一郎,横尾 隆

特別掲載
 血中のホルモンを測定しよう   長谷川奉延

連載
ジェネラリストのための咽頭のみかた
 1週間前から持続する咽頭痛が悪化しました!  藤原崇志
注目の新薬
 リトゴビⓇ(フチバチニブ)  金井雅史
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
 ホームページ上での医療広告の記載に注意!  松村武志

総説
 甲状腺眼症治療における内科と眼科との連携  渡邊奈津子,神前あい

ねらい

 2009年に日本腎臓学会から「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2009」が初めて出版され,さらに2012年に「CKD診療ガイド2012」が非専門医向けに出版され,「慢性腎臓病(CKD)」という概念がわが国にも定着した.その後も各種の腎疾患に関する診療ガイドラインが改訂・出版され,広く腎臓病診療の標準化が進んできた.しかし,2005年の調査ではわが国のCKD患者は1,330万人と推定されているが,高齢化などによりさらに増加していると考えられている.CKDが進行し,透析導入が必要となる患者も増加しており,2022年末の慢性透析患者数は34万人を超えている.医学的のみならず社会的にもCKDの重症化予防と新規透析導入患者の減少に向けた取り組みはわが国の危急の課題となっている.そのためにはCKD診療の大部分を担っている実地医家の先生方の協力が何よりも重要であり,本特集はその一助になるように企画したつもりである.
 まず,CKDの診断と臨床的意義について改めて解説している.特にどのタイミングで専門医に紹介すべきかについては地域連携の枠組みのなかでも模索が続いている状態であり,参考にされたい.次いで,最も診療機会の多い高血圧,糖尿病に関する最新のトピックを取り上げた.この分野は進歩が著しく臨床上も重要であり,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)やSGLT2阻害薬,さらにはアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)についても整理されている.また,高尿酸血症や脂質異常症,血管性の腎疾患についても日常で接する機会の多い疾患群であり,CKD患者への薬物療法のポイントも紹介されている.
 一方で,ある程度進行したCKD患者を診療していくうえでの実地医家の先生方の果たす役割も増えてきている.本特集では腎性貧血やCKD に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の治療について最新の治療と実践的なポイントを紹介している.また透析導入を考えるうえで避けられない保存的腎臓療法(CKM)の概念についても紹介しているので参考となればと考えている.
 また,腎臓専門医や専門プログラム専攻医にとっても読み応えのある内容も盛り込んでいる.IgA腎症およびそれに伴うCOVID-19に関する話題や血液透析以外の腎代替療法の知っておくべきトピック,さらには予防医学的内容,cutting-edgeな話題など,腎臓病学の幅広い分野にわたる内容である.
 2023年は「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」が5年ぶりに改訂され,より実用的なものに進化している.そのなかで本特集がその補助的な役割を担えれば幸いである.

日本医科大学大学院医学研究科内分泌代謝・腎臓内科学分野
酒井行直
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