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雑誌「産科と婦人科」2024年 Vol.91 No.10 母児を感染から守る-妊産婦の感染症アップデート-
掲載論文
Ⅰ.注意すべき母体の感染症
1.敗血症 / 田中博明
2.劇症型A 群溶血性レンサ球菌(GAS)感染症 / 早田英二郎
3.新型コロナウイルス感染症(COVID-19) / 新垣達也・他
4.結 核 / 黒瀬大地・他
5.Mycoplasma hominis感染症 / 内倉友香・他
6.妊娠オウム病(gestational psittacosis) / 三塚加奈子・他
Ⅱ.注意すべき母子感染症
7.母子感染総論 / 森内浩幸
8.B群溶血性レンサ球菌(GBS)感染症 / 山岸由佳
9.サイトメガロウイルス感染症 / 谷村憲司・他
10.HTLV-1感染 / 三浦清徳
11.梅 毒 / 中本貴人
12.トキソプラズマ感染症 / 森岡一朗
13.ヘルペスウイルス感染症 / 木戸口千晶・他
14.クラミジア感染症 / 岡田知之・他
15.ウレアプラズマ感染症 / 江頭政和
連 載
漢方よもやま話 第10回
十全大補湯 / 能㔟充彦
弁護士が答えます!法律にまつわるあれこれ
認知症や精神疾患がある患者さんから同意をもらうとき何に気をつければいいの? / 粟野公一郎
専門医・認定医をとろう!私の体験記 第16回
婦人科腫瘍専門医(日本婦人科腫瘍学会) / 紙谷菜津子
症 例
若年女性に発症し,妊孕性温存手術を施行後BEP療法が奏効した卵黄囊腫瘍の1例―胚細胞腫瘍に審査腹腔鏡を試みて― / 井田千晶・他
1.敗血症 / 田中博明
2.劇症型A 群溶血性レンサ球菌(GAS)感染症 / 早田英二郎
3.新型コロナウイルス感染症(COVID-19) / 新垣達也・他
4.結 核 / 黒瀬大地・他
5.Mycoplasma hominis感染症 / 内倉友香・他
6.妊娠オウム病(gestational psittacosis) / 三塚加奈子・他
Ⅱ.注意すべき母子感染症
7.母子感染総論 / 森内浩幸
8.B群溶血性レンサ球菌(GBS)感染症 / 山岸由佳
9.サイトメガロウイルス感染症 / 谷村憲司・他
10.HTLV-1感染 / 三浦清徳
11.梅 毒 / 中本貴人
12.トキソプラズマ感染症 / 森岡一朗
13.ヘルペスウイルス感染症 / 木戸口千晶・他
14.クラミジア感染症 / 岡田知之・他
15.ウレアプラズマ感染症 / 江頭政和
連 載
漢方よもやま話 第10回
十全大補湯 / 能㔟充彦
弁護士が答えます!法律にまつわるあれこれ
認知症や精神疾患がある患者さんから同意をもらうとき何に気をつければいいの? / 粟野公一郎
専門医・認定医をとろう!私の体験記 第16回
婦人科腫瘍専門医(日本婦人科腫瘍学会) / 紙谷菜津子
症 例
若年女性に発症し,妊孕性温存手術を施行後BEP療法が奏効した卵黄囊腫瘍の1例―胚細胞腫瘍に審査腹腔鏡を試みて― / 井田千晶・他
ねらい
医学や医療の歴史は,感染症とのせめぎあいの歴史であるといってよいでしょう.人類は様々な感染症やパンデミックを経験し乗り越えてきました.また,現在も形を変えてCOVID-19との戦いが続いています.産科診療でも,時代とともに主要な感染症は移り変わってきましたが,様々に対峙してきました.
現代において妊産婦の感染についての最大の課題は,感染による母体死亡の撲滅です.近年,妊産婦死亡の原因として劇症型A群溶血性レンサ球菌(GAS)感染症が注目されており,それ以外にも,まれな発生ではありますが不良な転帰をもたらす母体感染症が存在します.また母体死亡原因とはならなくても,情報の少ない常在菌の母体感染などは,しばしば診療の盲点となり治療を難渋させます.
また産科のもう1人の患者である胎児についても,母体からの感染の影響を考えなければならない場面に臨床の現場では多々遭遇します.
われわれは常に病原体と共存しているわけであり,これ以外にも妊産婦の感染症は多様なものがあるわけですが,今回は上に述べた2つの点を中心に特集を組ませていただきました.ご執筆は,それぞれの病原体や病態,背景に精通したエキスパートの先生方にお願いしました.母子感染のいくつかについては,産婦人科医とは異なる視点に触れられることに期待して,小児科の先生方に執筆をお願いしています.
本特集が,妊産婦の感染症に関する知識のアップデートとなり,読者の皆様の産科診療の一助となれば幸いです.
(東海大学医学部専門診療学系産婦人科 石本人士)
現代において妊産婦の感染についての最大の課題は,感染による母体死亡の撲滅です.近年,妊産婦死亡の原因として劇症型A群溶血性レンサ球菌(GAS)感染症が注目されており,それ以外にも,まれな発生ではありますが不良な転帰をもたらす母体感染症が存在します.また母体死亡原因とはならなくても,情報の少ない常在菌の母体感染などは,しばしば診療の盲点となり治療を難渋させます.
また産科のもう1人の患者である胎児についても,母体からの感染の影響を考えなければならない場面に臨床の現場では多々遭遇します.
われわれは常に病原体と共存しているわけであり,これ以外にも妊産婦の感染症は多様なものがあるわけですが,今回は上に述べた2つの点を中心に特集を組ませていただきました.ご執筆は,それぞれの病原体や病態,背景に精通したエキスパートの先生方にお願いしました.母子感染のいくつかについては,産婦人科医とは異なる視点に触れられることに期待して,小児科の先生方に執筆をお願いしています.
本特集が,妊産婦の感染症に関する知識のアップデートとなり,読者の皆様の産科診療の一助となれば幸いです.
(東海大学医学部専門診療学系産婦人科 石本人士)