分類・病態生理・検査・鑑別診断・治療など最新の情報を平易に解説．さらに重症度評価スケール（BFMジストニア評価スケール）についても記載．専門医のみならず“ジストニアに関心をもち始めた先生”，“ジストニアを疑う患者に初めて遭遇した先生”，“ジストニアについてさらに勉強しようと思っている先生”にも役立つ実際的なガイドブック．

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目次

序　文…梶　龍兒
執筆者一覧

第1章　総　論
　A概　念…梶　龍兒
　B疫　学…長谷川一子
　C分　類
　1)病態による分類
　　a　一次性(原発性)ジストニア…目崎高広　
　　b　二次性(続発性)ジストニア(薬剤性，遺伝性，神経変性疾患など)…目崎高広
　2)部位による分類
　　a　局所性ジストニア
　　　1)　眼瞼痙攣…目崎高広
　　　2)　痙性斜頸…目崎高広
　　　3)　書　痙…目崎高広
　　　4)　喉頭ジストニア…小林武夫，大森蕗恵，石毛美代子
　　　5)　音楽家のジストニア…浅沼光太郎
　　b　分節性ジストニア…目崎高広
　　c　多巣性ジストニア…目崎高広
　　d　片側性ジストニア…目崎高広
　　e　全身性ジストニア…目崎高広
　D病態生理
　1)ジストニアの病理・機能解剖…後藤　惠
　2)遺伝子
　　a　一次性遺伝性ジストニアの診断と治療…長谷川一子，豊島　至
　　b　DYT6―日本での症例…瓦井俊孝
　E重症度評価―Burke-Fahn-Marsdenジストニア評価スケール…森垣龍馬

第2章　各　論
　A検査および診断
　1)表面筋電図…目崎高広
　2)遺伝子検査…太田悦朗，小幡文弥
　3)鑑別診断
　　a　総　論…小泉英貴
　　b　Parkinson病および関連疾患に伴うジストニア…藤本健一
　　c　小児のジストニア…野村芳子
　B治　療
　1)治療指針…佐藤健太
　2)薬物療法
　　a　抗Parkinson薬，抗不安薬，抗コリン薬など…野村哲志，中島健二
　　b　睡眠薬(ゾルピデム)…宮崎由道
　3)ボツリヌス治療…坂本　崇
　4)手　術
　　a　定位脳手術・脳深部刺激術(DBS)…平　孝臣，横地房子，小林一太，片山容一
　　b　甲状披裂筋摘出術，甲状軟骨形成術…小林武夫，石毛美代子
　　c　バクロフェン髄注療法…平　孝臣
　5)経頭蓋磁気刺激法…松本英之，宇川義一
　6)職業性ジストニアとその管理…玉川　聡，辻　貞俊

付録　患者団体―その活動と連絡先…堀内正浩
索　引

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序文

　ジストニアは錐体外路疾患のなかでも有病率の高い疾患とされていますが，診断基準が明確ではなく，わが国における包括的な検討はなされていませんでした．また，ジストニアの患者数は5万人とされ，治療が難しい疾患であるにもかかわらず難病指定が受けられておりません．
　このような状況の改善に向け，厚生労働省班会議において，これまで遺伝性ジストニアや各種ジストニアに関する実態調査，ジストニアの発症病理に関する研究，および治療に関する研究等を行ってきましたが，これらの研究成果を広く医療関係者ならびに一般的にも認めていただくため，一冊の書籍としてまとめ上げたのが本書です．班研究の重要な成果の一部でもあります．
　ジストニアに関心をもち始めた先生，ジストニアを疑う患者に初めて遭遇した先生，ジストニアについてさらに勉強しようと思っている先生に役立つようこれまでの結果を吟味し，目次項目の構成を行いました．また，ご執筆の先生方には，研修医のレベルでも理解できるような文章・内容を心掛けていただきました．実際的なガイドブックとして活用される書籍となることを願っております
　最後になりましたが，日々ご多用のなか，ご執筆・ご協力を賜りました先生方に感謝いたします．

　2013年5月
　徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
　感覚情報医学講座臨床神経科学 教授
　梶　龍兒