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経食道心エコー法テクニカルガイド診断と治療社 | 書籍詳細:経食道心エコー法テクニカルガイド

東京医療センター循環器科

樅山 幸彦 (もみやま ゆきひこ) 著

東京医療センター循環器科

福田 芽森 (ふくだ めもり) 著

東京都済生会中央病院臨床検査科

神野 雅史(かんの まさし) 著

初版 A5判 並製 96頁 2017年04月11日発行

ISBN9784787823069

定価:4,180円(本体価格3,800円+税)

近年,心房細動のカテーテルアブレーション普及に伴い左房内血栓の評価に経食道心エコーを行う頻度が高まっている.若手医師や技師が日常診療の合間に短時間で本法のエッセンスをマスターできるように,実践的かつ理解しやすく解説した.どの断面をどのように描出するか,図をふんだんに用い,具体的技術や必要な知識を簡潔に記載した.また患者ファーストの観点から,短時間で必要な検査を完了するためのコツとポイントも整理収載した.

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目次

I 経食道心エコーの基礎

1.経食道心エコーの手技
  A. 経食道心エコーとは
  B. 適応と禁忌
  C. 検査手技
  D. 合併症

2.基本的断面像
  A. Gainの調節
  B. 断層法の基本的横断像
  C. 基本的横断像とその位置での縦断像
  D. 心房中隔の描出
  E. 大動脈の描出

3.ドプラ法
  A. ドプラ法の種類
  B. 連続波ドプラ法での血流速度の計測

II 疾患各論

4.弁膜症(Valvular Heart Disease:VHD)
  A. 僧帽弁狭窄症(Mitral Stenosis:MS)
  B. 僧帽弁閉鎖不全症(Mitral Regurgitation:MR)
  C. 僧帽弁逸脱症(Mitral Valve Prolapse:MVP)
  D. 大動脈弁狭窄症(Aortic Stenosis:AS)
  E. 大動脈弁閉鎖不全症(Aortic Regurgitation:AR)
  F. 感染性心内膜炎(Infective Endocarditis:IE)
  G. 人工弁機能不全(Prosthetic Valve Dysfunction)

5.心臓の腫瘍(Cardiac Tumors)
  A. Normal Variants
  B. 心臓腫瘍(Cardiac Tumors)
  C. 左房内血栓(LA Thrombus)
  D. 心尖部血栓(Apical Thrombus)
  E. 塞栓症の原因(Cardiac Sources of Embolism)

6.大動脈疾患(Diseases of the Aorta)
  A. 大動脈解離(Aortic Dissection)

7.先天性心疾患(Congenital Heart Disease:CHD)
  A. 心房中隔欠損症(Atrial Septal Defect:ASD)
  B. 心室中隔欠損症(Ventricular Septal Defect:VSD)
  C. エプスタイン奇形(Ebstein's Anomaly)

8.冠動脈疾患(Coronary Artery Disease:CAD)
  A. 冠動脈病変
  B. 壁運動異常(Wall Motion Abnormalities)

9.心膜疾患(Pericardial Disease)
  A. 収縮性心膜炎(Constrictive Pericarditis)

 
参考文献

索 引

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序文

本書の前身である「経食道心エコー法マスターガイド」(診断と治療社,1998)を出版してからやがて20年になる.当時は経食道心エコー(以下,TEE)の教科書やガイドラインといったものはほとんどなく,筆者自身は心エコーの専門医ではなかったが,当時,TEEを学ぼうとしていた同僚のために,数少ない文献と自身の経験をもとに作成したものだった.幸いにも簡潔な入門書として好評をいただき,刷を重ねられたうえ,2008年には一度改訂することもできた.
以前は心エコー専門医のみが施行するTEEであったが,近年では心房細動のカテーテルアブレーション治療が普及し,左房内血栓の有無の評価にTEEを行なうことが非常に多くなった.そうした流れの中で,経胸壁心エコー(TTE)に加えてTEEをこれから学ぼうとしている若手医師や検査技師が増えている現状がある.
今回,日常診療の合間に短時間でTEEのエッセンスをマスターできるように「newLearners’ 経食道心エコー法テクニカルガイド」として装いを新たにした.できるだけわかりやすい図を用い,具体的技術や必要な知識を簡潔に記載するよう心がけた.TEE初心者の方々にこの本が少しでも役に立ち,TEEがさらに普及,発展することを期待するものである.

2017年3月
樅山 幸彦



国立病院機構東京医療センター循環器内科に赴任してもう11年になろうとしている.毎年,数名の後期研修医諸君がおとずれ,そして,巣立ってゆく.後期研修の期間には,心電図,心エコー,ホルター心電図,心臓カテーテル検査など,学ぶべき循環器検査法は多い.TEEの習得にこの薄っぺらな本を役立てていただければ幸いである.