現場力、速攻チャージ.
柴田綾子先生(淀川キリスト教病院産婦人科)による,ウィメンズヘルスケア・女性診療のための新たなマスターピース.ピルの使い方やHPVワクチン,月経異常,子宮頸がん検診や更年期ケアなど,「マスト&ミニマム」な内容を,ギュっとコンパクトにまとめました! 多職種連携の要となりうる,女性とかかわるすべての職種の方におすすめの1冊です!
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目次
序 文
略語一覧
第1 章 ピル
1 低用量ピルの効果と種類
2 低用量ピルの作用機序とメリット・デメリット
3 低用量ピルの処方のしかた
4 避妊ピルのシートの解説
5 ピルの処方時の説明フレーズ集
6 ピルの避妊効果と他の避妊法
7 低用量ピルの種類と使い分け
8 ピルの連続投与
9 ピルによくあるQ&A ①飲み方
10 ピルによくあるQ&A ②禁忌と慎重投与
11 ピルによくあるQ&A ③年齢
12 副作用への対応 ①マイナートラブル
13 副作用への対応 ②血栓症
14 月経移動
15 低用量ピルが使えないとき ①黄体ホルモン製剤
16 低用量ピルが使えないとき ②子宮内システム
17 緊急避妊ピルの処方
18 緊急避妊ピルによくあるQ&A
第2 章 月経の異常
1 月経異常へのアプローチ
2 妊娠検査薬の使い方
3 基礎体温表の使い方
4 腹痛に対する経腹エコー
5 腟鏡診と経腟エコー
6 月経困難症へのアプローチ
7 月経前症候群へのアプローチ
8 過多月経の治療
9 子宮筋腫の治療
10 子宮内膜症の治療
11 プレコンセプションケア
第3 章 HPV ワクチン
1 HPV ワクチンの種類
2 実際のワクチン接種方法
3 効果と副反応
4 定期接種・自費接種の方法
5 HPV ワクチンQ&A
6 日本と世界の接種状況
第4 章 子宮頸がん検診
1 子宮頸がんの疫学と検診
2 内診と子宮頸がん検査の方法
3 子宮頸がん検査の結果と異常時の対応
4 女性のがん検診
第5 章 更年期症状のケア
1 更年期障害の定義と診断
2 更年期症状へのセルフケア
3 ホルモン補充療法(HRT)
4 更年期障害の処方例とQ&A
5 尿失禁や骨盤臓器脱の治療
索 引
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序文
序文―女性ホルモンとピルってむずかしい!!
この本は,プライマリ・ケア,非産婦人科医,メディカルスタッフの方に,診療現場で女性の健康を支援するお手伝いになればと思いつくりました.女性のヘルスケアやピルについて勉強を始めると,「女性ホルモンってむずかしい!!」と思う方が多いのではないでしょうか.
女性ホルモンってむずかしい!!
本当にそうです.実は産婦人科医である私自身も,「女性ホルモンってややこしい…」と毎日感じています.
でも,ちょっと待ってください.
患者である女性自身が,女性ホルモンのややこしさに1番困っているのです.そして低用量ピルやホルモン補充療法などの女性ホルモン剤を上手く使うことで女性患者さんの生活や仕事や学業のパフォーマンスが圧倒的に改善されることがあるんです.
女性の体の中では,ホルモンの大きな変化によって毎月のように月経がきます.月経に伴って月経前症候群や月経困難症が起こったり,子宮筋腫や子宮内膜症を悪化させたりしています.妊娠すると女性ホルモンが急激に増加し,受精卵の着床と妊娠を維持する働きをします.出産直後に女性ホルモンが急激に低下すると,マタニティブルーズが起こったり,周産期うつ病の要因の1つになることがあります.更年期に入り,やっと月経がなくなる閉経のときも,女性ホルモンが低下する影響でホットフラッシュや骨粗鬆症などが起こります.
このように,女性ホルモンに悩まされている患者さんはたくさんいます.
女性ホルモンってむずかしい,ややこしい.
でも,女性ホルモン剤を上手く使うことで女性の健康は大きく向上します.
この本が,皆さまの日常診療においての女性の健康支援のお手伝いができれば幸いです.
コロナが早く収束することを願いながら
2022年5月
淀川キリスト教病院産婦人科
柴田 綾子