チャイルドヘルス
21世紀の子どもの保健と育児を支援する雑誌
子どもの保健と育児に関する話題・情報・研究を紹介し,やさしく解説. 子どものこころと身体を安全に育てるために,どうすればよいかを考える. 保育の現場ですぐに活かせる,日常生活に密着した内容. 偏見によらず,科学に裏づけされた内容. |
2021年 Vol.24 No.2 2021-01-27
これからの離乳食を考える
定価:1,760円(本体価格1,600円+税)
Myオピニオン
“地方で小児医療を体験する”ことの勧め…成相昭吉
【特 集】
これからの離乳食を考える
(企画の言葉…堀向健太)
1 離乳食の開始時期…夏目 統
2 口腔機能の発達と離乳食の進め方…弘中祥司
3 食物アレルギーハイリスク児の離乳食の進め方…森川恵美,成田雅美
4 一般児の食物アレルギーに配慮した離乳食の進め方…福家辰樹
5 母乳育児と鉄欠乏は関連するか…上田玲子
6 鉄に配慮した離乳食…江田明日香
7 ビタミンDに配慮した離乳食と日光浴…窪田拓生,大薗恵一
8 補完食とは何か…水野克己
9 ベビーフードの適切な活用方法…堤 ちはる
10 離乳食を食べない悩みに答える…太田百合子
【連 載】
◆子どもの整形外科 第3回
成長痛~子どもの四肢の夜間痛~…西須 孝
◆困っている保護者とのコミュニケーションのコツ 第3回
育てにくい子ども~食事の問題を中心に~…湯汲英史
◆子どもの成長を育むおもちゃと遊び グッド・トイ22選 第6回
おもちゃを通して子どもからみえてくるもの…橋本光子
◆小児科医がみた国際保健協力~ナイジェリアの現場から~ 第6回
ナイジェリア北部の子どもたちの暮らし…堀越裕歩
◆ようこそ絵本図書館へ 第26回
shareする絵本…児玉ひろ美
◆育児Q&A
保育所に入る年齢…堀川美和子
◆海外文献の紹介
幼稚園での幼児の数や言葉の能力は,17歳時の学業成績やメンタルヘルスを予測する…榊原洋一
外来で保護者から尋ねられる悩みの1つに「離乳食」に関することがあげられますが,思った以上に答えに窮することも多いのではないでしょうか.
離乳食というと,WHO(世界保健機関)では「complementary feeding (補完食)」という用語が使われるようになってきました(特集8).そこには母乳では足りない栄養素をどのように補完するのかという視点からの考え方があります.そのためには,たとえば「鉄(特集5,6)」「ビタミンD(特集7)」の適切な知識が必要になるでしょう.
一方で,「食べてくれない(特集10)」といった悩みも多く聞かれます.そういった悩みに答えるには「口腔機能の発達(特集2)」に基づいた「離乳食の開始時期(特集1)」を考えていくことが必要になります.2019年に改定された,厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」を踏まえて離乳の支援を考えていくことになります.そのためには,「アレルギーへの配慮(特集3,4)」や「ベビーフード(特集9)」の知識をうまく活用していけばよいでしょう.
今回の特集では,第一線の先生方に素晴らしい原稿をいただくことができました.ぜひ参考にしていただければと思います.なお今回の特集は,友人のHAL先生(https://twitter.com/halproject00)にご協力を仰ぎました.この場を借りて深謝申し上げます.
(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター小児科/堀向健太)