チャイルドヘルス
21世紀の子どもの保健と育児を支援する雑誌
子どもの保健と育児に関する話題・情報・研究を紹介し,やさしく解説. 子どものこころと身体を安全に育てるために,どうすればよいかを考える. 保育の現場ですぐに活かせる,日常生活に密着した内容. 偏見によらず,科学に裏づけされた内容. |
2021年 Vol.24 No.4 2021-03-29
子どもの糖尿病を知る
定価:1,760円(本体価格1,600円+税)
Myオピニオン
だれもがだれかの安心の基地に…萩原温久
【特 集】
子どもの糖尿病を知る
(企画の言葉…堀川美和子)
1 糖尿病とは?…桑原怜未,浦上達彦
2 1型糖尿病…川村智行
3 2型糖尿病…菊池 透
4 糖尿病の子どもを受け入れる環境づくり…松井克之
5 1型糖尿病をもつ子どもの成人への移行期における支援…中村慶子
6 糖尿病キャンプ…小川洋平
7 血糖コントロールのための測定法と療養指導…山田未歩子
8 インスリン注射…広瀬正和
9 1型糖尿病患者の妊娠と出産…柳沢慶香
Column 糖尿病療養指導士とは?…寺内康夫
【連 載】
◆子どもの整形外科 第5回
赤ちゃんの斜頸…西須 孝
◆困っている保護者とのコミュニケーションのコツ 第5回
理解力に問題をもつ保護者~共感・理解が生まれにくい②~…湯汲英史
◆子どもの成長を育むおもちゃと遊び グッド・トイ22選 第8回
遊ぶ力は生きる力…佐々木美喜子
◆小児科医がみた国際保健協力~ナイジェリアの現場から~ 第8回
世界のワクチンの値段事情…堀越裕歩
◆ようこそ絵本図書館へ 第28回
shareする絵本③…児玉ひろ美
◆育児Q&A
離乳食をほとんど食べない…佐山圭子
◆海外文献の紹介
COVID-19感染妊婦からの出生乳児が感染することはまれで,母児同室や母乳栄養を制限する必要はない…榊原洋一
糖尿病は比較的身近な病気で,一般には“肥満の大人の病気”という印象があるように思います.しかし,1型糖尿病の多くは小児期に発症し,子どもたちは血糖値を上手にコントロールしながらいろいろなことにチャレンジし成長しています.大人に多い2型糖尿病の小児期の発症も,子どもたちの食生活や生活習慣の変化で近年では少なくないようです.
今回の特集では,まず,糖尿病について,さらに1型糖尿病・2型糖尿病をそれぞれより詳しくご解説いただきました.子どもたちの糖尿病との生活には終わりがありません.集団生活で必要となる支援や仲間の存在に支えられて思春期を迎え成人期へと移行していく過程を,各項目を通してイメージしていただけるのではないかと思います.また,最新の医療機器を使うことでより安全で確実な血糖値のコントロールが可能となっているようです.他の社会生活と同様に,糖尿病がある子どもたちの将来の妊娠や出産は可能であり,そのことが子どもたちの希望につながるのではないかと考えました.小児科ではあまり聞き慣れない,療養生活を支える「糖尿病療養指導士」についても取り上げました.
病気の治療だけでなく,子どもたちの生活を支える内容となりました.多職種の方に知っていただきたいと願っています.
(国立成育医療研究センター総合診療科/堀川美和子)