チャイルドヘルス
21世紀の子どもの保健と育児を支援する雑誌
子どもの保健と育児に関する話題・情報・研究を紹介し,やさしく解説. 子どものこころと身体を安全に育てるために,どうすればよいかを考える. 保育の現場ですぐに活かせる,日常生活に密着した内容. 偏見によらず,科学に裏づけされた内容. |
2021年 Vol.24 No.5 2021-04-27
いまさら聞けない子どもの薬
定価:1,760円(本体価格1,600円+税)
Myオピニオン
アレルギーへのアレルギー…横内裕佳子
【特 集】
いまさら聞けない子どもの薬
(企画の言葉…児島悠史)
1 意外と使うメリットの少ないかぜの薬…児島悠史
2 薬の上手な飲ませ方…富野浩充
3 子どもの薬剤投与量はどのように設定されるか~子どもと成人の生理機能の違いと計算式から考える~…上田昌宏
4 妊娠・授乳中の薬の安全性評価と,その伝え方…児島悠史
5 子どもの誤飲と薬…野田 学
6 熱冷ましの効果の実態…菅原鉄矢
7 ステロイド外用薬に関する誤解…堀向健太
8 子どもでよく使用される抗菌薬の注意点…木村丈司
9 ぜんそく治療(吸入)のピットフォール…三浦哲也
10 子どもに対する精神系の薬の動向…桑原秀徳
11 ワクチン接種の大切さ…青島周一
【連 載】
◆子どもの整形外科 第6回
急に発症した斜頸~大人と同じに考えてはいけない首の寝違え~…西須 孝
◆困っている保護者とのコミュニケーションのコツ 第6回
自分の話が止まらない保護者…湯汲英史
◆子どもの成長を育むおもちゃと遊び グッド・トイ22選 第9回
心を育むおもちゃ…田向 優
◆小児科医がみた国際保健協力~ナイジェリアの現場から~ 第9回
プライマリーヘルスケア…堀越裕歩
◆ようこそ絵本図書館へ 第29回
子どもの居場所…児玉ひろ美
◆育児Q&A
パンツに便がつく…堀川美和子
◆海外文献の紹介
子どもの重症新型コロナウイルス感染症の特徴…榊原洋一
子どもは日々めざましく成長するため,身体の生理学的変化だけでなく,薬や病気に対する理解度,さらに薬物治療を取り巻く状況も日々大きく変わります.そのため,子どもに薬を使う際は年齢や体重だけでなく,その子の現時点での特性や生活環境も踏まえた臨機応変で細やかな対応が求められます.また,子どもの薬物治療を適切に行っていくためには,子ども本人だけでなく,その子の両親や保護者にも薬の意義や使用方法を正確に理解してもらう必要があります.
そういった意味で,子どもの薬物療法には独特の難しさがあり,苦手意識を抱いている医療者も少なくありません.そこで今回の特集では「いまさら聞けない子どもの薬」というテーマで,かぜ薬や抗菌薬,ステロイド外用薬,吸入薬,精神系の薬,ワクチンなど誤解の多い薬のほか,年齢ごとの薬の飲ませ方や誤飲事故対策といった観点からも,改めて子どもにとっての「薬」というものを考え直す話題を取り上げました.
ただでさえ不安の多い子育てのなか,薬がその負担をさらに重くしてしまうことがないよう,科学的根拠に基づいた寄り添いを行う一助にしていただければ幸いです.
(株式会社sing,Fizz-DI 薬剤師/児島悠史)