チャイルドヘルス
21世紀の子どもの保健と育児を支援する雑誌
子どもの保健と育児に関する話題・情報・研究を紹介し,やさしく解説. 子どものこころと身体を安全に育てるために,どうすればよいかを考える. 保育の現場ですぐに活かせる,日常生活に密着した内容. 偏見によらず,科学に裏づけされた内容. |
2021年 Vol.24 No.6 2021-05-27
みんなで治す子どものがん
定価:1,760円(本体価格1,600円+税)
Myオピニオン
アウトドアで日々の暮らしを防災に…あんどうりす
【特 集】
みんなで治す子どものがん~多職種の特性を生かしたケアの最前線~
(企画の言葉…松本公一)
1 小児がんとは…富澤大輔
2 長期フォローアップをどうしたらよいのか…清谷知賀子
3 看護師の役割…柴田映子
4 小児がん医療における薬物療法支援…歌野智之
5 遊びを通してどのように子どもの成長発達を支えるか…豊田江利子
6 CLSの役割…伊藤麻衣,窪田 満
7 小児がんのこころのケアを考える~心理士の立場から~…松元和子
8 ソーシャルワーカーの役割…鈴木 彩
9 復学支援の重要性…後藤清香
10 小児がんの在宅医療…大隅朋生
【連 載】
◆子どもの整形外科 第7回
つま先歩行…西須 孝
◆困っている保護者とのコミュニケーションのコツ 第7回
子どもへの見方が変えられない保護者…湯汲英史
◆子どもの成長を育むおもちゃと遊び グッド・トイ22選 第10回
発達が気になる子どももおもちゃで支援…松田 均
◆小児科医がみた国際保健協力~ナイジェリアの現場から~ 第10回
HIV/AIDSの現状…堀越裕歩
◆ようこそ絵本図書館へ 第30回
つなぐ…児玉ひろ美
◆育児Q&A
ロタウイルスワクチンの吐き戻し…堀向健太
◆海外文献の紹介
厳密な感染予防策を行えば対面授業は,新型コロナウイルス感染拡大の要因にはならない…榊原洋一
小児がんの治療成績の向上はめざましく,いまや80%近い患者さんが治癒する時代になっています.その反面,治癒率が低い小児がんも数多くあり,最新の分子生物学を駆使した治療法の開発を含めて,さまざまな治療戦略が練られています.そして,小児がんは治療のみならず支援も非常に重要で,日本中のどこにいても安心して,良質な治療を受けることができるような支援体制の整備が必要です.
おりしも,2021年2月に「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」(成育医療等基本方針)が閣議決定されました.これは,成育過程にある者等に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するために策定された基本方針です.そのなかに,「小児やAYA世代のがんの治療に必要な医療体制を整備する」と明記されています.
小児がんの治療・支援は,医師,看護師さんのみならず,薬剤師さん,保育士さん,社会福祉士さんなど,たくさんの職種の協力なしには,なし得ません.この特集では,多職種の特性を生かした小児がんケアについて,最前線で診療されている国立成育医療研究センターのみなさんに執筆していただきました.
多職種のみんなで力をあわせることが大切です.みなさんの力が,小児がん患者さんの方向を向いている限り,小児がん医療の未来は明るいと確信しています.
(国立成育医療研究センター小児がんセンター/松本公一)