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小児腎血管性高血圧診療ガイドライン2017診断と治療社 | 書籍詳細:小児腎血管性高血圧診療ガイドライン2017

日本小児腎臓病学会 編集

初版 B5判 並製 60頁 2017年09月27日発行

ISBN9784787823199

定価:本体3,200円+税
  

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小児腎血管性高血圧国内初のガイドライン.疫学,病因・病態,診断基準・定義,重症度分類と予後を取り上げ,診断と治療ではそれぞれCQ形式で解説.また,臨床での使用を目的としてフローチャートや,診断の参考となるべく,画像所見を随所に掲載.適切な治療により根治可能な疾患であり,診療の一助となるべくさまざまな医師に読んでいただきたい一冊.

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目次

刊行にあたって
はじめに

小児腎血管性高血圧診療ガイドライン2017委員一覧
本ガイドライン作成について

CQ・推奨一覧
 Ⅱ 診断
 Ⅲ 治療

小児腎血管性高血圧診断基準
小児腎血管性高血圧診断フローチャート
小児腎血管性高血圧治療フローチャート

Ⅰ 総論
 1.疫学
 2.病因・病態
 3.小児高血圧の診断基準・定義
 4.重症度分類と予後

Ⅱ 診断
  CQ1 臨床症状は小児腎血管性高血圧の診断に有用か
  CQ2 血液検査,血漿レニン活性の測定は小児腎血管性高血圧の診断に有用か
  CQ3 カプトプリル負荷試験は小児腎血管性高血圧の診断に有用か
  CQ4 カプトプリル負荷腎シンチグラフィは小児腎血管性高血圧の診断に有用か
  CQ5 超音波検査は小児腎血管性高血圧の診断に有用か
  CQ6 造影CT検査は小児腎血管性高血圧の診断に有用か
  CQ7 MR血管撮影(MRA)は小児腎血管性高血圧の診断に有用か
  CQ8 選択的血管造影検査は小児腎血管性高血圧の診断に推奨されるか
  CQ9 選択的腎静脈レニンサンプリングは小児腎血管性高血圧の診断に推奨されるか

Ⅲ 治療
 1.内科的治療
  CQ1 内科的治療は小児腎血管性高血圧の治療法として推奨されるか
  CQ2 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)は
     小児腎血管性高血圧の治療薬として推奨されるか
  CQ3 カルシウム拮抗薬は小児腎血管性高血圧の治療薬として推奨されるか
  CQ4 交感神経遮断薬(α,β遮断薬)は小児腎血管性高血圧の治療薬として推奨されるか
  CQ5 利尿薬は小児腎血管性高血圧の治療薬として推奨されるか

 2.カテーテル・外科的治療
  CQ6 経皮的腎動脈形成術は小児腎血管性高血圧の治療として推奨されるか
  CQ7 腎動脈ステント留置術は小児腎血管性高血圧の治療として推奨されるか
  CQ8 外科的腎血行再建術は小児腎血管性高血圧の治療として推奨されるか
  CQ9 自家腎移植は小児腎血管性高血圧の治療として推奨されるか

索引

付記1▶ 線維筋性異形成(FMD)について  
付記2▶ 高安動脈炎について  
付記3▶ 神経線維腫症Ⅰ型(NF1)について  
付記4▶ hyponatremic hypertensive syndrome(HHS)について
付記5▶ カプトプリル負荷試験について

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序文

刊行にあたって
 
 わが国では,平成26年度より“「希少性」,「原因不明」,「効果的な治療方法未確立」,「生活面への長期にわたる支障」の4要素を満たす難治性疾患に対して,患者データベースも活用し,難治性疾患患者の疫学調査に基づいた実態把握を行って,科学的根拠を集積・分析することにより,診断基準・重症度分類の確立,エビデンスに基づいた診療ガイドライン等の確立,診断基準・重症度分類・診療ガイドライン等の普及および改正等を行い,難治性疾患の医療水準の向上を図ること”を目的として,厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)が開始されました. 
 本ガイドラインは,厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)「腎・泌尿器系の希少・難治性疾患群に関する診断基準・診療ガイドラインの確立」研究班の一事業として,主として日本小児腎臓病学会会員が企画・立案し,日本小児腎臓病学会の編集により作成されました.
 腎血管性高血圧は,上記の4要素を満たす難治性疾患ですが,小児慢性特定疾病であるにもかかわらず,その診療ガイドラインは世界的にもほとんど作成されていませんでした.その原因として,成人と小児では,その成因や治療法が大きく異なることもあげられるかもしれません.しかし,上記のようなわが国の政策の方向性が示されたことなどから,「Minds診療ガイドライン作成の手引き」に可能な限り準拠して「小児腎血管性高血圧診療ガイドライン2017」を作成するに至りました. 
 いうまでもありませんが,ガイドラインはあくまで診療を支援するためのものであり,診療を拘束するものではありません.このガイドラインを実際に臨床の現場でどのように用いるかは,医師の専門的知識と経験をもとに患者さんの意向や価値観を考慮して総合的に判断する必要があります.また,このガイドラインは恒久的なものではなく,今後,国内外の臨床研究で得られる新たなエビデンスをもとに順次改訂していく方針です.

2017年8月

一般社団法人 日本小児腎臓病学会理事長

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等克服研究事業
(難治性疾患等政策研究事業[難治性疾患政策研究事業])
「腎・泌尿器系の希少・難治性疾患群に関する診断基準・診療ガイドランの確立」

研究班研究代表者
飯島一誠


はじめに
 
 本ガイドラインは,治療を要する高血圧の原因として小児に頻度の高い腎血管性高血圧の診療を行ううえで必要な診断基準,重症度分類そしてエビデンスに基づく診療指針を示すことを目的として作成されたものである.2014~2015年にかけて行われた小児慢性特定疾病事業改正に伴い,本症が対象疾病の一つに指定されたことを受け,明確な診断基準の確立が望まれていたが,期せずして厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等克服研究事業「腎・泌尿器系の希少・難治性疾患群に関する診断基準・診療ガイドラインの確立」の該当疾患の一つとして作成することとなった経緯がある. 
 本ガイドラインでは,高血圧の原因のみならず,その診断や治療法が小児と成人とでは異なることを念頭におき,ステートメントの作成にあたっては,その違いが明確になるよう配慮した.特に,幼少児であるほど診断のための検査やその判定,カテーテル治療などの操作が困難となること,さらに小児に対して適応のある治療薬(降圧薬)が少ないことなど,成人とは多くの点で診療上異なる点を強調している.したがってステートメント・解説においては,小児の腎血管性高血圧の原因として頻度の高い線維筋性異形成(fibromuscular dysplasia:FMD)を中心に,高安動脈炎や神経線維腫症など原疾患として若年者に頻度の高いものに焦点をあて,あえて成人や高齢者に頻度が高い粥状動脈硬化に起因する腎血管性高血圧についての記載は最低限にとどめている. 
 なお,本ガイドラインの作成においては「Minds診療ガイドライン作成の手引き」に可能な限り準拠して作業を進め,診断および治療の項目においてクリニカルクエスチョン(CQ)を採用した.ただし,作業開始時期の関係から最新の手引き2014版ではなく,以前の作成の手引き2007版の方法を基本的に採用し,2014版において修正・加筆されたCOIの開示など重要と思われる変更点については本ガイドラインにおいても採用した.また,より臨床の現場で使用しやすいガイドラインとする目的で,診断ならびに治療におけるフローチャートを作成し,さらに画像診断時に参考となると考えられる典型的な症例の画像所見を随所に掲載した.しかし,多くの小児疾患と同様に,診療のエビデンスは限られており,これらフローチャートや,本ガイドラインに掲げたステートメントの基盤となるエビデンスは決して十分ではない.このような現状ではあるが,本症のような小児の希少疾患に遭遇した際に,一からエビデンスを検索しつつ診療を模索するといった事態は可能な限り回避すべきであり,本ガイドラインはそのような臨床の現場において,最大限エビデンスに直結した診療の一助になるものと期待する.

2017年8月

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等克服研究事業
(難治性疾患等政策研究事業[難治性疾患政策研究事業])
「腎・泌尿器系の希少・難治性疾患群に関する診断基準・診療ガイドラインの確立」研究班

小児腎血管性高血圧グループ研究分担者
池住洋平