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書籍詳細

〈授業・実習・国試に役立つ〉言語聴覚士ドリルプラス

言語聴覚士ドリルプラス 音声障害診断と治療社 | 書籍詳細:言語聴覚士ドリルプラス 音声障害

熊本保健科学大学保健科学部リハビリテーション学科言語聴覚学専攻准教授

大塚 裕一(おおつか ゆういち) 編集

熊本保健科学大学保健科学部リハビリテーション学科言語聴覚学専攻講師

兒玉 成博(こだま なりひろ) 著者

名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学講師

讃岐 徹治(さぬき てつじ) 著者

初版 B5判 並製 72頁 2018年12月25日発行

ISBN9784787823946

定価:本体1,900円+税
  

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言語聴覚士を目指す学生向けの『言語聴覚士ドリルプラス』シリーズの1冊.本ドリルは音声障害をテーマとし,喉頭周囲の解剖から音声評価,治療,そして環境調整の方法を幅広く網羅しています.まずは,授業で学んだ内容をドリル形式の問題でおさらいしてみてください!各項目の重要ポイントはKeywordとして解説しています.実習や国試までずっと役立つ問題集です.このドリルで音声障害をマスターしましょう!

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目次

刊行にあたって…大塚裕一
音声障害に対する思い ~10年の臨床を経て~…兒玉成博
将来音声障害の診療に関わる言語聴覚士のみなさんへ…讃岐徹治
編集者・著者紹介
本ドリルの使い方

第1章 音声障害の歴史
1 音声障害の歴史

第2章 音声障害の基礎
1 音声障害の定義
2 音声障害にかかわる解剖と生理
 ①喉頭周囲の軟骨・関節など
 ②喉頭筋・支配神経
 ③声帯の構造・発声の生理
 ④肺気量区分・呼吸筋
 ⑤声帯振動など
 ⑥音響学的特徴
3 音声障害の症状
 ①嗄声
 ②音声障害の分類
 ③音声障害の分類
 ④音声障害の分類

第3章 音声障害の臨床
1 音声障害の評価
 ①空気力学的検査
 ②声門下圧ほか
 ③声の録音ほか
 ④間接喉頭鏡ほか
 ⑤GRBAS尺度ほか
2 音声障害の治療
 ①手術
 ②間接訓練
 ③直接訓練
 ④無喉頭発声
 ⑤無喉頭発声のリハビリテーション

第4章 音声障害の環境調整
1 周囲へのアプローチと社会復帰
 ①音声障害と社会復帰
 ②気管切開
2 友の会等

文 献
採点表
索 引

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序文

刊行にあたって

 現在わが国には,およそ70校の言語聴覚士の養成校が存在します。言語聴覚士法(1997年)の成立時にはその数は数校程度だったのですが,20年あまりで増加し,県によっては複数校存在しているという状況になっています。言語聴覚士の養成は,さかのぼれば1971年,日本初の言語聴覚士養成校である国立聴力言語障害センター附属聴能言語専門職員養成所での大卒1年課程の開設が記念すべきスタートになるかと思います。その後,開設された養成校の養成課程は,高卒3年課程や高卒4年過程の専門学校,大学での4年課程,大卒を対象とした2年課程などさまざまで,今後これらの課程に加え専門職大学での養成課程が加わろうとしています。
 言語聴覚士法が制定されてから,この約20年間での言語聴覚士にかかわる学問の進歩は著しく,教育現場で修得させなければならない知識・技術は増大する一方です。しかしながら入学してくる学生は,千差万別で従来の教育方法では十分な学習が困難となってきている状況もあります。
 今回,このような状況を改善する方策の1つとして,修得すべき基本知識を体系的に示したドリルを作成してみました。内容は,言語聴覚士の養成校で学ぶべき言語聴覚障害を専門領域ごとにまとめてシリーズ化し,領域ごとのドリルの目次は統一したものとし,目次を統一したことで領域ごとの横のつながりも意識しやすくなるようにしました。
 特徴としては
①すべての養成過程の学生を対象にしたドリルであること
②日々の専門領域講義の復習のみならず,実習,国家試験にも対応できる基本的な内容を網羅していること
③専門領域ごとにまとめたドリルであるが目次が統一されており,領域ごとの横のつながりが意識しやすいこと
などがあげられます。
 対象は学生ということを念頭においてシリーズ化したのですが,臨床現場で活躍されている言語聴覚士にも,基本的な知識の整理という意味で使用していただくことも可能かと考えています。
 最後に,この『ドリルプラス』シリーズが有効活用され言語聴覚士養成校の学生の学びの一助となることを期待します。

平成30年11月
大塚裕一


音声障害に対する思い ~10年の臨床を経て~

 筆者が音声障害の臨床をはじめて約10年が経った。音声障害に対するリハビリテーションをはじめた当初は,音声障害における知識および技術を講義では教わったものの,実際,患者さんを目の前にしたときに音声障害をどのように評価し,どのような訓練を行えばよいのか途方に暮れていた。周囲の耳鼻咽喉科医の先生方に毎日のように質問させていただき,ご指導いただいていたことを思い出す。また,実際どのような実技で音声治療を行っているのかを勉強させていただくために学会や教育セミナー等に積極的に参加し,学会・セミナー等で音声障害の分野に経験豊富な言語聴覚士の先生方にもご指導いただきながら日々の臨床を行っていた。
 また,音声障害のリハビリテーションを行って,あらためて音声評価の重要性に気づいた。私が音声治療を行っていて,本当にリハビリテーションで効果が現れているのかが自分の聴覚印象ではわからなかった。本当に自分が行っていることが正しい方法であるのか? しかし,周囲の耳鼻咽喉科医の先生方からは「治療効果があり,よくなってきている」といわれた。この矛盾を解明するために,治療前後の喉頭ストロボスコピー所見,空気力学的検査のフロー曲線,音響分析における音声波形とにらめっこをしたのを今でも覚えている。音声評価をあらためて見直すと,治療前後の声帯振動の改善やフロー曲線の違いが少しずつであるがわかってきた。そこで,ようやく治療前後で改善していることがわかり,自分のリハビリテーションにおいてもどのような手法でどのような流れで行っていけばよいのか,少しずつわかってきた。このように筆者は音声障害の分野を学び,現在も勉強中である。
 音声障害は,深く学べば学ぶほど,味が出てくる分野であると考えている。この本を手に取られた方はおもに学生が多いと思うので,ぜひ本書を読んで音声障害に興味をもって,将来音声障害の臨床に取り組んでもらえる学生が1人でも多くいたら幸いである。
 また,本書はドリル形式でまとめてあるために,国家試験勉強の材料としても使用できるようになっている。音声障害の問題で穴埋め式となっており,ポイントを押さえてもらうために本書を使用していただければと思う。

平成30年11月
兒玉成博


将来音声障害の診療に関わる言語聴覚士のみなさんへ

 音声障害患者の数はかなり多いが,音声障害を専門に診療している耳鼻咽喉科医は少ない。その音声障害を専門に診療している耳鼻咽喉科医は,患者一人ひとりに時間をかけて問診と検査を行い診断と治療に取り組んでいるが,正確な診断と的確な治療を導くためには一緒に診療に取り組んでいる言語聴覚士が必要であり,診療を行ううえで重要なパートナーである。しかし耳鼻咽喉科の臨床で音声障害に取り組んでいる言語聴覚士の数は多くない。
 本稿は,言語聴覚士養成校学生に興味をもっていただき,将来音声障害の臨床に携わる言語聴覚士が一人でも多く増えることを期待している。
 今回,修得すべき基本知識と音声障害診療の歴史や最新の知識を体系的に示したドリルを作成した。
 対象は学生ということを念頭においてドリル化したが,臨床現場で活躍されている言語聴覚士も,基本的な知識の整理という意味で参考にしていただくとともに,音声障害の診療がさらに豊かなものになり,多くの音声障害患者が救われることを切望している。

平成30年11月
讃岐徹治