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書籍詳細

授業・実習・国試に役立つ 言語聴覚士ドリルプラス

言語聴覚士ドリルプラス 言語発達障害診断と治療社 | 書籍詳細:言語聴覚士ドリルプラス 言語発達障害

熊本保健科学大学保健科学部リハビリテーション学科言語聴覚学専攻 教授

大塚 裕一(おおつか ゆういち) 編集

熊本保健科学大学保健科学部リハビリテーション学科言語聴覚学専攻 准教授

井﨑 基博(いさき もとひろ) 著

初版 B5判 並製 82頁 2020年09月18日発行

ISBN9784787824561

定価:本体1,900円+税
  

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言語聴覚士を目指す学生向けの問題集『言語聴覚士ドリルプラス』シリーズ5冊目.本ドリルは国試でも配点が高く、範囲も広い「言語発達障害」をテーマとしています.国試でも頻出の単語やテーマを中心に,言語発達障害の歴史から特徴,評価や支援の方法までカバーした問題集になっています.もし初めて目にする用語があっても,主要用語は「読み解くためのKeyword」として解説!実習や国試,そして臨床に出てからもずっと役立つ問題集です.

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目次

刊行にあたって
言語発達障害学の学び方
編集者・著者紹介
本ドリルの使い方

第1章 言語発達障害の歴史
 1 言語発達障害の歴史

第2章 言語発達障害の基礎
 1 言語発達障害の定義
 2 言語発達の各段階における特徴
①前言語期
②語彙獲得期
③幼児期前期
④幼児期後期
⑤学齢期
 3 関連する障害における言語の特徴
①知的障害
②自閉症スペクトラム障害
③特異的言語発達障害
④学習障害
⑤ADHD
⑥脳性まひ・重複障害

第3章 言語発達障害の臨床
 1 言語発達障害の評価
①発達検査
②知能検査(1)
③知能検査(2)
④言語発達検査
⑤その他の発達に関する検査
 2 言語発達障害の支援
①言語発達段階に即した支援(1)
②言語発達段階に即した支援(2)
③障害別の支援(1)
④障害別の支援(2)
⑤障害別の支援(3)
⑥障害別の支援(4)
⑦支援技法(1)
⑧支援技法(2)
⑨支援技法(3)

第4章 言語発達障害の環境調整
 1 障害の早期発見・早期療育
 2 特別支援教育
 3 家族支援
 4 地域支援

文 献
採点表
索 引

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序文

刊行にあたって

 現在わが国には,およそ70校の言語聴覚士の養成校が存在します.言語聴覚士法(1997年)の成立時にはその数は数校程度だったのですが,20年あまりで増加し,県によっては複数校存在しているという状況になっています.言語聴覚士の養成は,さかのぼれば1971年,日本初の言語聴覚士養成校である国立聴力言語障害センター附属聴能言語専門職員養成所での大卒1年課程の開設が記念すべきスタートになるかと思います.その後,開設された養成校の養成課程は,高卒3年課程や高卒4年課程の専門学校,大学での4年課程,大卒を対象とした2年課程などさまざまで,今後これらの課程に加え専門職大学での養成課程が加わろうとしています.
 言語聴覚士法が制定されてから,この約20年間での言語聴覚士にかかわる学問の進歩は著しく,教育現場で修得させなければならない知識・技術は増大する一方です.しかしながら入学してくる学生は,千差万別で従来の教育方法では十分な学習が困難となってきている状況もあります.
 今回,このような状況を改善する方策の1つとして,修得すべき基本知識を体系的に示したドリルを作成してみました.内容は,言語聴覚士の養成校で学ぶべき言語聴覚障害を専門領域ごとにまとめてシリーズ化し,領域ごとのドリルの目次は統一したものとし,目次を統一したことで領域ごとの横のつながりも意識しやすくなるようにしました.
 特徴としては
①すべての養成課程の学生を対象にしたドリルであること
②日々の専門領域講義の復習のみならず,実習,国家試験にも対応できる基本的な内容を網羅していること
③専門領域ごとにまとめたドリルであるが目次が統一されており,領域ごとの横のつながりが意識しやすいこと
などがあげられます.
 対象は学生ということを念頭においてシリーズ化したのですが,臨床現場で活躍されている言語聴覚士にも,基本的な知識の整理という意味で使用していただくことも可能かと考えています.
 最後に,この『ドリルプラス』シリーズが有効活用され言語聴覚士養成校の学生の学びの一助となることを期待します.

令和2年8月

大塚裕一



言語発達障害学の学び方

 私が言語聴覚士という職業を知ったのは,大学を卒業して就職してからのことです.口蓋裂のあった人に出会ったことをきっかけに興味をもち言語聴覚士の養成校に入学しました.その時から今に至るまで言語発達障害領域に携わってきました.もともと子どもに興味がある学生にとって言語発達障害学は魅力的な科目でしょう.しかし,医療系やリハビリをイメージして養成校に入学した学生にとっては,嚥下障害学や失語症学などに比べて,言語発達障害学はとっつきにくい(苦手?)と感じるかもしれません.ただし,国家試験では言語発達障害学の配点は嚥下障害や失語症よりも高いですので,言語聴覚士になるにはこの科目をマスターしておく必要があります.
 言語発達障害学を理解するには学び方のコツがあります.評価・訓練の流れだけでなく,子どもの言語発達の特徴(言語発達の段階と言語発達を阻害しうる疾患の特徴)をしっかり頭に入れておくことが大事です.この部分は成人のリハビリでいうと解剖学や生理学といった基礎にあたる部分です.子どもの言語発達の特徴(このドリルでは第2章)を整理できてから,そのあと評価や支援(第3・4章)について学びましょう.このような段階的な学習が言語発達障害学をマスターするポイントです.
 このドリルは養成校の学生が国家試験対策として読むことを意識して執筆にとりかかりました.言語発達障害は国家試験の問題数も多く範囲も広いです.そこで,国家試験の頻出単語や中心テーマをおもに解説していますので,大いに活用してください.もちろん,言語発達障害の授業の復習や学外実習にも利用できるように基本的な内容はおさえてありますので,毎日の勉強にもお役立てください.
 授業の内容を理解でき,国家試験の過去問を解けるようになると,言語発達障害の臨床にもっと興味が出てくることでしょう.また,子どもの行動の意味を学問的に理解できるようになると,目の前の子どもがとても愛おしい存在になります.発達に携わる言語聴覚士の数はまだまだ足りていません.このドリルで学習し言語発達障害学をマスターすることで,子どもの発達を応援できる言語聴覚士が増えることを期待しています.

令和2年8月

井﨑基博