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小児・成育循環器学診断と治療社 | 書籍詳細:小児・成育循環器学 動画

日本小児循環器学会 編集

初版 B5判 並製 724頁 2018年07月17日発行

ISBN9784787822888

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定価:本体18,000円+税

  

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日本小児循環器学会編集・執筆による胎児・小児,成人までを見据えたオールカラーテキスト.
専門医制度の修練目標に準拠し,解剖学・薬理学・病理学などに基づいた小児循環器学の基礎から,各疾患の概要・血行動態・検査・診断・治療方法について,それぞれの領域のエキスパートがわかりやすく解説.
専門医を目指す小児循環器科医から,循環器診療に携わるすべての医師・スタッフに役立つ決定版!

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目次

序文
心臓・大血管イラスト
執筆者一覧
動画の再生方法
略語一覧

第I章 小児循環器学の基礎
A.心血管系の構造,発生と生理学
 1 構造
  a. 解剖
  b. 循環生理,微細構造
 2 発生,胎生学
B.先天性心疾患の疫学・遺伝・環境要因

第II章 診断・治療《総論》
A.症状・徴候と身体所見
B.臨床循環病態生理と治療
 1 心不全
 2 チアノーゼ
 3 ショック
 4 心肺蘇生
 5 塞栓凝固
 6 肺高血圧症
 7 失神
 8 胸痛
C.心血管系の薬理学
  a. 陽性変力性の薬剤
  b. 血管拡張薬
  c. 利尿薬
  d. β遮断薬
  e. 抗不整脈薬
  f. 動脈管作用薬
  g. 鎮静および鎮痛薬
  h. 局所麻酔薬
  i. 抗コリン作動薬
  j. 抗血小板薬・抗凝固薬
D.臨床呼吸生理
  a. 肺・気管支の構造とその異常
  b. 換気と血流の関係
  c. 呼吸のメカニズム・人工換気
E.臨床検査
 1 心電図検査(標準12誘導)の理論
 2 心電図検査と実際
 3 携帯型心電図
 4 モニター
 5 胸部X線
 6 心エコー/ドプラ法
 7 心血管造影
 8 心臓カテーテル
 9 胸部のコンピュータ断層撮影(CT)
 10 胸部の磁気共鳴画像(MRI)
 11 核医学検査
 12 血液生化学評価
 13 運動負荷試験
 14 電気生理学的検査
F.学校心臓検診
  a. 調査票:学校心臓検診調査票の項目
  b. 心電・心音図判定
  c. 二次精密検診
  d. 管理
G.カテーテル治療
 1 血管形成術
 2 弁形成術
 3 BAS
 4 コイル塞栓術
 5 ステント留置術
 6 閉鎖栓留置
 7 カテーテルアブレーション
H.外科治療に関連する諸問題
 1 周術期の心肺合併症
 2 周術期の抗菌薬の使い方
 3 術後遠隔期の問題
 4 人工弁
 5 補助循環
 6 心臓移植
 7 肺移植
 8 心肺同時移植
 9 非心臓手術\
 10 tissue engineering
 11 iPS細胞の応用と再生医療
I.その他の諸問題
 1 倫理問題
 2 若年成人特有の問題
 3 加齢が病態へおよぼす影響
 4 社会心理的問題,社会保障

第III章 症候別・疾患別《各論》
A.胎児特有の問題
 1 胎児の循環生理
 2 胎児心エコー
 3 先天性心疾患の胎児治療
 4 胎児不整脈
 5 母体投与薬剤と胎児心疾患
B.新生児特有の問題
 1 新生児特有の循環生理
 2 新生児仮死・新生児一過性心筋虚血
 3 チアノーゼ発作(低酸素発作)
 4 新生児期発症先天性心疾患の集中治療
 5 新生児遷延性肺高血圧症
 6 ガス療法
 7 新生児複雑先天性心疾患の心エコー診断
 8 甲状腺機能異常
 9 糖尿病母体児
 10 Ca代謝異常
C.先天性心疾患
 1 心房中隔欠損
 2 房室中隔欠損
 3 心室中隔欠損
 4 動脈管開存
 5 大動脈肺動脈窓
 6 冠動静脈瘻
 7 肺動脈弁狭窄
 8 右室二腔症
 9 末梢性肺動脈狭窄
 10 大動脈弁・弁下・弁上狭窄
 11 重症大動脈弁狭窄
 12 大動脈縮窄,大動脈弓離断(複合)
 13 僧帽弁狭窄・閉鎖不全
 14 三心房心
 15 乳児特発性僧帽弁腱索断裂
 16 大動脈弁閉鎖不全
 17 Fallot四徴
 18 Fallot四徴肺動脈閉鎖
 19 Fallot四徴肺動脈弁欠損
 20 純型肺動脈閉鎖
 21 三尖弁閉鎖
 22 Ebstein病
 23 総肺静脈還流異常
 24 部分肺静脈還流異常
 25 総動脈幹遺残
 26 完全大血管転位
 27 両大血管右室起始
 28 単心室(内科)
 29 単心室(外科)
 30 左心低形成症候群
 31 isomerism(内臓錯位)
 32 修正大血管転位
 33 血管輪
 34 冠動脈の起始および走行異常
 35 肺動静脈瘻
 36 PA sling
 37 Eisenmenger症候群
 38 Fontan循環
D.不整脈
 1 上室頻拍,心房粗動,心房細動
 2 心室頻拍,心室細動
 3 WPW症候群
 4 QT延長症候群
 5 Brugada症候群
 6 房室ブロック
 7 洞不全症候群
 8 不整脈の非薬物療法
E.川崎病
 1 急性期の診断,管理,治療
 2 遠隔期の管理と治療
F.心筋・心膜・心内膜病変,心臓腫瘍
 1 感染性心内膜炎
 2 心膜炎と心タンポナーデ
 3 拡張型心筋症
 4 肥大型心筋症
 5 拘束型心筋症
 6 急性心筋炎
 7 心内膜線維弾性症
 8 心筋緻密化障害
 9 心臓腫瘍
 10 本態性高血圧
G.他の遺伝性心血管疾患
 1 脂質異常症
 2 神経筋疾患
 3 先天代謝異常
 4 他の遺伝性心血管疾患
  a. Marfan症候群およびその類縁疾患
  b. ミトコンドリア異常
  c. トリソミー(21トリソミー,18トリソミー,13トリソミー)
  d. Turner症候群
  e. 22q11欠失症候群
  f. Noonan症候群
  g. Williams症候群
  h. 他の先天異常症候群
H.成人先天性心疾患(術後)
 1 概論
 2 成人先天性心疾患にみられる不整脈
 3 成人先天性心疾患にみられる心不全
 4 術後遠隔期にみられる感染性心内膜炎
 5 成人先天性心疾患にみられる肺高血圧
 6 成人先天性心疾患にみられる多臓器障害
 7 手術に用いる人工材料の特徴と遠隔期の諸問題
 8 妊娠出産

索引

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序文

 2015年の日本小児循環器学会設立50周年をきっかけに,学会主導による「小児・成育循環器学」の教科書を発刊することが理事会から提唱され,3年に渡る準備過程を経て,このたび成就することとなった.
 この50年間でわが国および世界の小児循環器学は目覚ましく発展した.学会発足当初の黎明期には,多くの先天性心疾患において診断をつけることすらままならず,外科手術もごく一部の単純先天性心疾患を除いてほとんど不可能であったものが,今では複雑な先天性心疾患を含む95%以上の患者を外科手術およびカテーテル治療で救命することが可能となり,患者の多くは成人期に到達するようになった.これは素晴らしいことであるが,同時にいくつかの新たな問題が生じているのも事実である.そこで学会主導で編集出版する教科書として,本書を以下の3つの切り口で特徴付けた.
 まず,若い医師に小児循環器学の基礎を身につけていただくために,本書の構成を日本小児循環器学会の専門医制度に基づく修練目標に掲げられた項目に準拠したことである.昨今の小児循環器医療の発展に伴い,特に若い医師は,基礎的知識を十分に学習する時間を持たないまま,高度なカテーテル治療や複雑な心臓外科手術などの医療技術の習得を余儀なくされる機会が増えている.また世に溢れる教科書は,そのような最先端の技術をいかに素早く身につけるかについて書かれたものばかりである.医療技術が複雑で高度になればなるほど,土台となる基礎知識なしには確実に成就することはできない.このことは教育面だけでなく,医療の安全面からも非常に重要なことである.そこで本書は,前半の多くのページを総論にあてることにより,解剖学,生化学,生理学,薬理学,病理学に基づいた小児循環器学を学ぶ際に不可欠な基礎知識を十分に学習できるように心掛けた.そして後半では,小児循環器診療で重要な各疾患の成因,病態,診断,治療について,専門家である執筆者が実際に経験した症例呈示を交えて,詳しく記載することに努めた.
 次に,小児から成人までのシームレスな病態把握ができる教科書としたことである.先天性心疾患も川崎病も,成人が小児の患者数を上回る時代になっており,小児循環器学はもはや小児科医だけの分野ではなく,循環器内科医との共同作業なしには成り立たない診療領域となっている.そのため,本書は若い循環器内科医にも是非この本を手に取ってもらい,勉強の手がかりとしてもらえるよう心がけた.
 最後に,本書の最大の特徴を挙げさせていただく.小児循環器学,特に先天性心疾患の複雑な心内構造や血行動態をできるだけわかりやすくするため全ページフルカラーとし,また可能な限り模式図を多く取り入れ,視覚に訴えた形の教科書としたことである.これから小児循環器診療に携わろうと考えている研修医から,専門医を目指す小児循環器科医,現在診療に携わる心臓外科医,産婦人科医,内科医,麻酔科医,そして看護師や技師,薬剤師の方々まで,広い範囲の医療従事者の診療と勉学の手助けとなることを期待して編集した.
 本書は以上の特徴を持ち,21世紀の小児・成育循環器領域に取り組む医師に必要な情報を盛り込んだ,新しいタイプの教科書に仕上がったことを編集部一同,自負している.多くの方々に有効に活用していただけることを願って,序文の締めとさせていただく.
 終わりに,本書の執筆を無償で快く引き受けてくださった日本小児循環器学会評議員を中心とする先生方,立案から校正と調整作業までを担当してくださった編集委員の先生方に深謝します.


2018年7月
日本小児循環器学会理事長 坂本喜三郎
同編集委員長 白石  公