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診断と治療社 | 雑誌詳細:産科と婦人科

産科と婦人科

精選された情報満載読者各位にとって欠かすことができない情報をタイムリーに提供. 「生殖おもしろ話」・「外界事情」・「青い血のカルテ」・「産婦人科診療 私のコツ」など連載も充実.

抜群の読みやすさオール2色刷り.一目でキーポイントがわかるレイアウト.

充実したラインナップ日常診療の場で即役立つ「増刊号」を年各1冊発行.日進月歩で激変する医学界のキーワードを読み解き,読者各位の壮大な負託に応えるべく「産科と婦人科」は微力を注ぎます.

2022年 Vol.89 No.5 2022-04-15

やせ・肥満と女性のヘルスケア

定価:3,190円(本体価格2,900円+税)

冊 

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掲載論文

企画 寺内公一

Ⅰ.やせ・肥満の基礎
 1 .やせ・肥満の疫学 / 吉池信男・他
 2 .やせ・肥満の病態生理 / 福原淳範
 3 .高度肥満症および肥満2型糖尿病に対する減量・代謝改善手術 / 大城崇司・他
Ⅱ.やせ・肥満と産科婦人科疾患
 4 .やせ・肥満と月経異常・不妊 / 石川智則
 5 .やせ・肥満とプレコンセプションケア / 荒田尚子
 6 .やせ・肥満と周産期アウトカム / 増山 寿
 7 .やせ・肥満とDOHaD / 鈴木美沙子・他
 8 .やせ・肥満と腹腔鏡手術・ロボット支援手術 / 石川博士
 9 .やせ・肥満と婦人科腫瘍・周術期管理 / 澤田健二郎
Ⅲ.やせ・肥満と女性医学
10.やせ・肥満と閉経 / 安井敏之・他
11.やせ・肥満と更年期障害 / 尾臺珠美・他
12.やせ・肥満と心疾患リスク / 河野宏明
13.やせ・肥満と骨粗鬆症 / 倉林 工・他
14.肥満とPOP・FLUTS / 岡垣竜吾
15.やせ・肥満と女性のメンタルヘルス / 小川真里子・他

連載
医療裁判の現場から 第32回
切迫早産に際し高次医療機関に新生児専門医の待機および来院を要請する義務が問題とされた事例 / 水上裕嗣

症例
卵黄囊腫瘍と未熟奇形腫からなる卵巣混合型胚細胞腫瘍にGliomatosis peritoneiを合併した1例 / 春原友海・他
術後10年目にトルソー症候群,高カルシウム血症発症にて再発の診断に至った卵巣明細胞腺癌の1例 / 澤田幸介・他

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ねらい

 2022年4月現在において「パンデミック」といえばもちろんCOVID—19であるが,プレ・コロナの時代に世界中でパンデミックとして最も喧伝されていた疾患は,実は「肥満」だったかもしれない.BMI≧30 kg/m2を肥満と定義した場合の有病率が,OECD加盟国平均19.5%,米国に至っては38.2%という数字をみると,まさにCOVID—19以上にパンデミックに相応しい数値といえるだろう(Nat Rev Endocrinol 2019;15:288—298.).日本の同有病率はわずか3.7%であり,ここにこそ「factor X」の存在を仮想したくなるほどであるが,一方でわが国は20歳代女性の19.8%が「やせ」という世界でも特異な状況にある.
 われわれ産婦人科医にとって,やせ・肥満の両極端いずれもが大きな問題であることを最初に実感するのは月経異常・不妊との関連であろう.体重減少性無月経や多囊胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)など,体重・体組成という因子が病態に関与する疾患は数多い.ここを乗り越えて妊娠に至っても,やせ・肥満のいずれもが周産期アウトカムの劣化に関連し,その影響はやがて次世代の健康にまで及ぶ(developmental origins of health and disease:DOHaD).それゆえに,将来の妊娠のためのヘルスケアを提供するプレコンセプションケアにおいても,やせ・肥満への対処は重要なトピックである.さらに肥満は子宮体がんのよく知られたリスク因子であり,高度肥満の症例において周術期管理に苦慮することが多い.
 女性医学=生涯にわたる女性のヘルスケアの観点からは,体組成と閉経との双方向性の関係,やせ・肥満が更年期障害の病態と治療に与える影響にはじまり,心血管疾患・骨粗鬆症・FLUTS(female lower urinary tract symptoms)・POP (pelvic organ prolapse)など閉経後女性において急増する症状・疾患とやせ・肥満との関連についても,習得しておくべき知識は多い.さらに,摂食障害を代表例として,体組成は女性のメンタルヘルスにも深く関与している.
 本号では「やせ・肥満と女性のヘルスケア」と題して,まず専門家の先生方からやせ・肥満の疫学・病態生理・治療の一般論について概説をいただき,そのうえで,各種産科婦人科疾患とやせ・肥満との関連について,さらに女性医学的な視点からやせ・肥満が女性の健康維持に与える影響について,それぞれの分野のトップ・エキスパートの先生方から解説をいただいた.もしかしたらBMIが16 kg/m2や35 kg/m2の女性が来院するかもしれない明日からの日常診療に,本号をお役立ていただければ幸いである.

(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座 寺内公一)

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2024年 Vol.91
No.増刊号 特集/これでマスター! 最新 産婦人科ホルモン療法最新号
No.4 特集/子宮摘出と機能障害・機能温存・機能再建アップデート
No.3 特集/婦人科がん化学療法の進化−最適レジメンと管理を考える
No.2 特集/産婦人科診療ガイドライン産科編2023改訂のポイント
No.1 特集/産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023改訂のポイント
2023年 Vol.90
No.12 特集/婦人科外来診療レベルアップ−病状の評価分類と治療指針−
No.11 特集/子宮頸がんの包括的戦略
No.10 特集/血栓に強くなる−産婦人科診療に活かす最新知識−
No.9 特集/ウィメンズヘルスと栄養素・サプリメント
No.8 特集/これからの性教育−タブー視せずにポジティブに捉える−
No.7 特集/ここまで進んだ産婦人科領域の検査法
No.6 特集/「痛み」に強くなる
No.5 特集/時間の流れと産婦人科生物学
No.増刊号 特集/ここまでわかった産婦人科の病態生理
No.4 特集/保険適用になった不妊治療−できること・できないこと
No.3 特集/子宮体部悪性腫瘍の最前線
No.2 特集/超音波がもたらす産婦人科診療の新機軸
No.1 特集/産婦人科漢方ステップアップ−三大処方の次なる一手とは−
2022年 Vol.89
No.12 特集/月経困難症治療あるある
No.11 特集/産婦人科における素朴な疑問と解説(2)産科編
No.10 特集/産婦人科における素朴な疑問と解説(1)婦人科編
No.9 特集/プロゲステロン・プロゲストーゲン・プロゲスチン−黄体ホルモンのすべて
No.8 特集/ここまで進んだ産婦人科関連の予防医学
No.7 特集/産科診療の進む道-診療ガイドラインの先にあるもの-
No.6 特集/HPVワクチンのこれまでとこれから
No.5 特集/やせ・肥満と女性のヘルスケア
No.増刊号 特集/こんな時どうする?他科とのコミュニケーションガイド
No.4 特集/婦人科腹腔鏡下手術TLH/LM/LCの基本とコツ
No.3 特集/新型コロナウイルス感染症が産婦人科診療に与えた影響
No.2 特集/早産と妊娠高血圧腎症:病因・病態生理−私はこうみる
No.1 特集/外陰疾患 AtoZ
2021年 Vol.88
No.12 特集/少子化時代における就労女性の不妊治療
No.11 特集/変わる婦人科がん薬物治療
No.10 特集/帝王切開−明日からできる工夫と留意点−
No.9 特集/骨盤臓器脱(POP)のすべて−診断と治療の最前線
No.8 特集/卵巣 Up to Date
No.7 特集/婦人科がん機能温存治療のすべて
No.6 特集/OC・LEPガイドライン2020年度版を読み解く
No.5 特集/胎児モニタリング with Corona
No.増刊号 特集/画像!−エキスパート直伝 産婦人科画像診断−
No.4 特集/産婦人科医も知っておきたい歯科の知識
No.3 特集/QOLを考える
No.2 特集/これでわかる 婦人科稀少腫瘍
No.1 特集/最新産婦人科遺伝診療ABC
2020年 Vol.87
No.8 特集/プレコンセプションケアってなに?