診断と治療
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わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る. 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点. 連載「視診で見抜く!皮膚疾患の診かた」「注目の新薬」など. 増刊号も毎回シャープな切り口と実際的な内容が大好評. 2色刷のビジュアルな誌面. |
2024年 Vol.112 No.11 2024-11-06
外来で見逃さない危険な疾患,相談すべき症例
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
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2024年 Vol.112 No.12 2024年12月発売予定
特集/これでわかる高齢者COPD診療
Vol.113 No.1 特集/胸痛−見逃さない,間違えない診断と専門医紹介
Vol.113 No.2 特集/栄養学の温故知新 今こそ知りたい栄養管理の最前線
Vol.113 No.3 特集/これで慌てない! 消化管出血マネージメント
Vol.113 No.4 特集/器質的疾患と心因性疾患を見極める 診断推論ストラテジー
Vol.113 No.増刊号 特集/検体検査のポイントとピットフォール 診察室にこの1冊
Vol.113 No.5 特集/在宅医療アップグレード2025
Vol.113 No.6 特集/いまさら聞けない 予防接種の正しい知識
ねらい 三宅康史
送る側の視点:危険な訴え・徴候に気づく
開業医の立場から 東岡宏明
大学病院総合診療科の立場から 立澤直子,佐川俊世
精神科病院の救急医の立場から 梅原祥嗣
受ける側の視点:診断につながるヒント
脳血管障害(脳卒中) 森脇 寛
脳卒中以外の神経内科疾患 星山栄成
循環器疾患(心・大血管系) 山本裕子
胸部疾患 早川 桂
急性腹症 北村真樹,角山泰一朗
感染症 田口茂正
内分泌代謝疾患 小島雄一
小児救急 宮城隆志
皮膚疾患 松井恒太郎
四肢外傷 松井健太郎
精神科救急 日野耕介
薬剤による影響 吉川雅之,青木 悟,玉造竜郎
方法論 緊急性と重症度を見定める
Advanced Medical Life Support(AMLS) 武田 聡
JTAS:症候リストと補足因子 奥寺 敬,伊井みず穂,坂田久美子
内科救急診療指針2022とJMECCプログラム 阿部浩一郎
座談会
尿酸と循環器病・腎臓病のかかわり~CVD残余リスクとしての視点から~
提供:株式会社富士薬品
特別掲載
チアマゾール5 mg 隔日投与と2.5 mg 錠連日投与によるBasedow病治療―質量分析を用いた血中濃度の評価― 堀口和彦,高橋健太郎
Basedow病増悪因子の検討 ストレスと増悪―質量分析による評価― 浅野麻衣
連載
ジェネラリストのための咽頭のみかた
言葉が上手に話せません! 藤原崇志
注目の新薬
ビロイ®(ゾルベツキシマブ) 牛山心平,中山厳馬,設樂紘平
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
教えて! ペイシェントハラスメント(医療現場における暴力・ハラスメント対策)~迷惑行為発生時の対応~ 松村武志
長く医者をやっていると,外来で見逃した危険な疾患,専門医にすぐに相談すべきであった症例がいくつも思い浮かんでくる.その数を増やさないよう本特集では,外来に歩いてやってきた患者の見落とすと重大な病態に進む危険なサインや,すぐに専門医に相談すべき訴えを取り上げて,“気づき,つなぐ”を考えていく.一方,日常診療のなかで,こちらの見立ては違っていたけれども相談先の先生に何とかしてもらい事なきを得た経験や,診断名がわからないままに可能性の高い疾患をカバーしつつ治療を続けている間に,なぜか病状が改善してきた経験もする.それをそのままにしないで,結局,病名は何だったのか,その最初のきっかけとなる症状や所見の特徴はどこにあったのか,なぜ診断にたどり着かなかったのか……結果オーライだった症例についても,奏効した治療はどれだったのか,どうやれば見分けられたのか,をうやむやのままにしないで納得するための“コツとヒント”を考えてみる.
よくある症状だけれど,いつもと何か違うサインから読み解く“隠れた”レッドフラッグサイン,あとから問題となる疾患の“最初の”サイン,そこから導くことのできる見分けかたと出てくる鑑別診断,その後の安全な対処と専門医へのコンサルトのタイミングにつき,あれもこれも検査ができない(結果が間に合わない)状況で,自身の若いころの同じ轍を踏ませないように,症例を交えて経験豊富な(冷や汗をかいた経験もきっと豊富な)先生方に,患者を送る側の視点と,患者を受ける側の視点に分けて解説をしていただいた.双方の機微にふれて考えることは,オオカミ少年(オオカミ医師)にならずにmisdiagnosisを減らすこととなる.本特集の最後に,現在標準的に行われている病院前(救急車がよばれた現場で救急隊員が使う),救急外来(や電話相談で看護師が使う)での危険な病態を見つけるトリアージの方法,common diseaseの救急患者をみる機会が最も多い内科医が使う救急診療の指針(最新版)についても紹介してもらった.
本特集における気づくヒントとつなぐコツは,臨床現場では氷山の一角かもしれないが,本特集を読んだあとは,上級医,同僚,看護師や救急隊員・救急救命士,そして患者自身,家族からのちょっとしたひと言が,みえない部分を気づかせてくれるかもしれないので,注意して聞き耳を立てておくことをおすすめする.
帝京大学医学部救急医学講座/同附属病院高度救命救急センター
三宅康史