診断と治療
最新の医学情報を最高の執筆陣でお届けする内科総合雑誌のパイオニア!
わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る. 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点. 連載「視診で見抜く!皮膚疾患の診かた」「注目の新薬」など. 増刊号も毎回シャープな切り口と実際的な内容が大好評. 2色刷のビジュアルな誌面. |
2023年 Vol.111 No.9 2023-09-05
動脈硬化性疾患・脂質異常症Update
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
ねらい 小川純人
◆動脈硬化性疾患・脂質異常症の基礎知識
動脈硬化性疾患・脂質異常症の概念 山下静也
動脈硬化性疾患・脂質異常症の疫学 岡村智教
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版の概要 塚本和久
動脈硬化性疾患・脂質異常症の診断と管理目標 井出佳奈,他
動脈硬化性疾患・脂質異常症における動脈硬化検査 大門雅夫
◆動脈硬化性疾患のリスク管理
高血圧 森田啓行
糖尿病・肥満 田村嘉章
慢性腎臓病 半田貴也,他
冠動脈疾患 北島 研,他
家族性高コレステロール血症 多田隼人
高齢者 竹本 稔
女 性 山田容子,他
◆動脈硬化性疾患・脂質異常症に対する予防・診療の実際
一次予防と二次予防 原 眞純
食事療法 木下かほり
運動療法 加賀英義,他
薬物療法 若林徹治,他
LDLアフェレシス 槇野久士,他
連 載
視診で見抜く! 皮膚疾患の診かた
蕁麻疹はどれか? 梅林芳弘
注目の新薬
ルタテラ®静注(ルテチウムオキソドトレオチド) 小林規俊
原 著
発作性心房細動の診断―左房容積係数を用いた心臓形態変化の検討― 荒尾正人,他
動脈硬化の発症・進展には,食事・生活習慣や加齢に加えて,高血圧,糖尿病,肥満など種々の危険因子が関与しており,また動脈硬化を基盤として脳血管障害,冠動脈疾患,腎障害などの重篤な合併症が引き起こされる.超高齢社会を迎え,健康寿命のさらなる延伸を目指すわが国において,動脈硬化性疾患・脂質異常症の予防・診断・治療はますます重要になってきている.
近年,動脈硬化や脂質異常症の診断や治療に関する研究が進展し,包括的リスク評価・管理の重要性や新たな治療法も注目されている.さらに動脈硬化性疾患や,脂質異常症の発症予防,合併症の進展予防に関連して,様々なエビデンスが蓄積しつつある.2022年には日本動脈硬化学会より「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」として5年ぶりに改訂,刊行され,そこでは非空腹時(随時)トリグリセライドの基準値設定や動脈硬化性疾患の絶対リスク予測ツールとして久山町研究のスコアが導入されるなど,最近のエビデンスに基づいて改訂されている.
こうしたなか,本特集では「動脈硬化性疾患・脂質異常症Update」と題して,動脈硬化性疾患や脂質異常症に関する最新の概念やそれらの診断・予防・治療について取り上げ,「動脈硬化性疾患・脂質異常症の基礎知識」「動脈硬化性疾患のリスク管理」「動脈硬化性疾患・脂質異常症に対する予防・診療の実際」という総論・各論から内容を構成した.そこでは動脈硬化性疾患・脂質異常症の診療や研究に従事する幅広い方々を対象に,第一線でご活躍のエキスパートの先生方より,基本的な考えかたから,上記ガイドライン改訂内容を含めた最新知見やトピックス,将来展望に至るまで,わかりやすく解説いただいた.本特集を通じて,実地医家やかかりつけ医の先生方はもとより,動脈硬化性疾患の診療や管理に従事するメディカルスタッフにとってUpdateされた知識やスキルを深める機会となり,ひいては包括的な動脈硬化のリスク評価・管理のさらなる推進につながるものと期待される.
東京大学大学院医学系研究科老年病学
小川純人