診断と治療
最新の医学情報を最高の執筆陣でお届けする内科総合雑誌のパイオニア!
わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る. 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点. 連載「視診で見抜く!皮膚疾患の診かた」「注目の新薬」など. 増刊号も毎回シャープな切り口と実際的な内容が大好評. 2色刷のビジュアルな誌面. |
2024年 Vol.112 No.4 2024-04-04
Choosing Wisely 内科医の賢明な選択とは
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
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https://www.m2plus.com/content/isbn/9784015011204
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ねらい 鋪野紀好
Choosing Wiselyの概念
Choosing Wiselyキャンペーンとは何か 小泉俊三
Choosing Wiselyの学術的側面 徳田安春
Choosing Wiselyへの期待-医療を受ける立場から- 北澤京子
Choosing Wiselyキャンペーンの国際的広がりと過剰医療に警鐘を鳴らす世界の医療界 小泉俊三
持続可能な保健・医療と人類社会のために 高価値医療を目指すChoosing Wisely Japanの軌跡と展望 小泉俊三
各論
消化器領域におけるトピック 小林健二
消化器領域の賢明な選択 小林健二
循環器領域におけるトピック 蟹江崇芳,水野 篤
循環器領域の賢明な選択 蟹江崇芳,水野 篤
糖尿病・代謝・内分泌領域におけるトピック 能登 洋
糖尿病・代謝・内分泌領域の賢明な選択 能登 洋
呼吸器領域におけるトピック 扇野圭子,福永興壱
呼吸器領域の賢明な選択 扇野圭子,福永興壱
感染症領域におけるトピック 倉田理華,細川直登
感染症領域の賢明な選択 吉田泰徳,細川直登
アレルギー領域におけるトピック 永田 真
アレルギー領域の賢明な選択 永田 真
膠原病領域におけるトピック 花岡洋成
膠原病領域の賢明な選択 花岡洋成
腎領域におけるトピック 長澤康行
腎領域の賢明な選択 長澤康行
血液領域におけるトピック 藤島直仁
血液領域の賢明な選択 藤島直仁
神経領域におけるトピック 黒川勝己
神経領域の賢明な選択 黒川勝己
総合内科領域におけるトピック 鋪野紀好
総合内科領域の賢明な選択 鋪野紀好
救急領域におけるトピック 花木奈央
救急領域の賢明な選択 花木奈央
高齢者領域におけるトピック 原田 拓
高齢者領域の賢明な選択 原田 拓
連載
視診で見抜く! 皮膚疾患の診かた
乾癬はどれか? 大倉正寛,大久保ゆかり
注目の新薬
バリキサⓇドライシロップ(バルガンシクロビル塩酸塩) 森岡一朗
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
移動中に発生した急病人を診察したときは? 鵜澤亜紀子
わが国の医療において,最適な診断と治療の選択は,患者中心の医療を実装するなかで重要な課題となっている.この複雑な課題を解決するための取り組みの一環として,「Choosing Wisely(賢明な選択)」という国際的なキャンペーンが注目を集めている.このキャンペーンは,医療者と患者がともに対話を通じて,科学的なエビデンスに基づき,患者にとって真に必要であり,かつ副作用の少ない医療の選択を目指すものである.
Choosing Wiselyは,米国内科学会(American College of Physicians:ACP),米国内科専門医機構(American Board of Internal Medicine:ABIM),欧州内科連合(European Federation of Internal Medicine:EFIM)などが主導してChoosing Wiselyの提言が推進されている.これらの学術団体は,医療の質の向上ならびにコストを含む不要な医療の削減を目的としており,多くの国々でこの取り組みが広がっている.わが国においても,「診療ガイドラインへの「Choosing Wisely」の導入に向けた研究」と題する調査・研究が実施され,国内の医療現場においてもその意義が高まっているなかにある.
Choosing Wiselyキャンペーンは,医療の過剰使用を防ぐとともに,必要最小限かつ効果的な医療の提供を目指している.この取り組みは,特に内科医にとって重要な意味をもち,患者のQOLの向上に寄与することが期待されている.医療資源の有効活用,医療コストの削減,そして何よりも患者の利益を最優先に考える医療の実践につながる.また,患者との対話のなかで「賢明な選択」をすることも着目すべきことである.
本特集では,内科領域におけるChoosing Wiselyの重要なトピックに焦点を当てている.これには,不必要な検査や治療を避け,患者にとって最適な医療選択を促進するための具体的な提言や,実際の臨床現場での事例研究が含まれる.これらの情報を通じて,医師が患者との対話のなかで賢明な選択を行い,よりよい医療提供に貢献することを目指している.本特集を通して,内科医やその他の医療従事者がChoosing Wiselyの概念を深く理解し,日々の診療において患者中心の医療を提供するための一助となることを願っています.
千葉大学大学院医学研究院地域医療教育学
鋪野紀好