診断と治療
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2021年 Vol.109 No.12 2021-12-07
一般内科医に役立つ抗リウマチ薬の最新知識
定価:2,860円(本体価格2,600円+税)
ねらい 田村直人
◆総論:関節リウマチおよび脊椎関節炎の病態と治療概要
関節リウマチの病態と治療戦略 河野正孝,他
体軸性脊椎関節炎の病態と治療戦略 冨田哲也
乾癬性関節炎の病態と治療戦略 岸本暢将
◆各論:各治療薬の使い方
メトトレキサート(関節リウマチ) 齋藤俊太郎,他
メトトレキサート(乾癬性関節炎) 神田浩子
メトトレキサート以外のcsDMARDs(関節リウマチ) 日髙利彦
TNF阻害薬(関節リウマチ) 岩本直樹,他
TNF阻害薬(脊椎関節炎) 谷口義典
IL—6阻害薬(関節リウマチ) 脇谷理沙,他
T細胞共刺激分子調節薬(関節リウマチ,アバタセプト) 草生真規雄,他
JAK阻害薬(関節リウマチ) 森信暁雄
IL—17阻害薬(脊椎関節炎) 多田久里守
IL—12/IL—23阻害薬およびIL—23阻害薬(乾癬性関節炎) 辻 成佳
◆トピックス
高齢関節リウマチ患者の薬物療法 杉原毅彦
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 平田真哉
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の診断と治療 亀田秀人
妊娠および授乳期の治療薬管理 森山繭子,他
連 載
◎心電図は1枚の窓
動悸を主訴に受診した40歳女性 秋吉基光,他
◎注目の新薬
エムガルティ®皮下注(ガルカネズマブ皮下注) 柴田 護
関節リウマチは,慢性滑膜炎とそれに伴う骨・軟骨破壊を主病態とする全身性炎症性疾患であり,病変の進行に伴い関節機能障害をきたし,患者のQOL低下や平均余命短縮をもたらす予後不良の疾患である.しかし,近年,早期からメトトレキサートを中心とした抗リウマチ薬を投与し,効果不十分な場合には,生物学的抗リウマチ薬やJAK阻害薬を用いて治療を強化することにより寛解達成率は向上し,関節破壊の抑制も可能となった.一方,脊椎関節炎は尋常性乾癬に伴う乾癬性関節炎,体軸性脊椎関節炎である強直性脊椎炎が代表的な疾患であるが,後者はわが国では比較的まれである.昨今,脊椎関節炎に対しても複数の分子標的治療薬が使用されるようになり,高い臨床的有効性を示している.
一方で,これらの薬剤の副作用は重篤になり得るため,安全性に対する知識や副作用の早期発見,予防などの対策も必要となる.
このようなリウマチ性疾患治療の現状のもと,一般医においても抗リウマチ薬で治療中の患者に携わる機会が増えており,使用されている抗リウマチ薬の位置づけや,副作用,使用時の留意点等を知ることは,よりきめ細かな診療を行うために役立つと考えられる.本特集では,リウマチ性疾患のエキスパートに関節リウマチおよび脊椎関節炎の病態,治療戦略,治療薬についてわかりやすく解説をいただいた.また,現在,関節リウマチや脊椎関節炎診療で話題,問題となっているいくつかのトピックスについても取り上げ,解説いただいている.
本特集により,一般医の先生方の関節リウマチ,脊椎関節炎治療に対する理解が深まり,少しでも日常診療にお役立ていただけることを心より願っている.
順天堂大学医学部膠原病内科
田村直人