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診断と治療社 | 雑誌詳細:産科と婦人科

産科と婦人科

精選された情報満載読者各位にとって欠かすことができない情報をタイムリーに提供. 「生殖おもしろ話」・「外界事情」・「青い血のカルテ」・「産婦人科診療 私のコツ」など連載も充実.

抜群の読みやすさオール2色刷り.一目でキーポイントがわかるレイアウト.

充実したラインナップ日常診療の場で即役立つ「増刊号」を年各1冊発行.日進月歩で激変する医学界のキーワードを読み解き,読者各位の壮大な負託に応えるべく「産科と婦人科」は微力を注ぎます.

2021年 Vol.88 No.7 2021-06-18

婦人科がん機能温存治療のすべて

定価:3,190円(本体価格2,900円+税)

冊 

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掲載論文

企画 渡部 洋

1.機能性温存治療と生殖内分泌学 / 原田美由紀・他
2.機能温存治療と周産期医学 / 春日義史・他
3.機能温存治療と女性医学 / 髙松 潔・他
4.機能温存治療と精神腫瘍学 / 平山貴敏・他
5.放射線治療と機能温存 / 野田真永・他
6.化学療法と機能温存 / 工藤明子・他
7.手術療法と機能温存 / 三上幹男
8.子宮頸がん―1)子宮頸部円錐切除術 / 岩田 卓
9.子宮頸がん―2)骨盤神経温存広汎子宮全摘術 / 田畑 務
10.子宮頸がん―3)広汎子宮頸部摘出術 / 吉原弘祐・他
11.子宮頸がん―4)妊孕性温存 / 中西 透・他
12.子宮体がん―妊孕性温存 / 竹原和宏
13.卵巣上皮性悪性腫瘍―妊孕性温存 / 高橋詳史・他
14.卵巣胚細胞性悪性腫瘍―妊孕性温存 / 佐藤豊実
15.絨毛性疾患―妊孕性温存 / 山本英子・他

連載
医療裁判の現場から 第27回
不妊治療に関し患者から損害賠償請求訴訟を提起されたことを理由に病院が患者に対し今後の診療は困難である等として転医の検討を促す旨などを記載した書面を患者に交付したケースにおいて,書面の交付が診療拒絶に該当しないとされた事例 / 水上裕嗣

若手の最新研究紹介コーナー
Clinical and genetic risk factors associated with postpartum abnormal glucose tolerance in Japanese women with prior gestational diabetes by the International Association of Diabetes and Pregnancy Study Group criteria / 春日義史

注目の製品
ゼジューラ®カプセル100 mg / 平岡 圭・他

原著
鉄欠乏性貧血およびその治療の現状と課題―患者アンケート調査から― / 百枝幹雄
COVID—19を想定した新しい生活様式が妊婦の体重変化に与える影響 / 山中彰一郎・他

症例
遺残癒着胎盤に対しメトトレキサート療法を施行し,胎盤娩出に至った1例 / 神 未央奈・他

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ねらい

 15~39歳までを思春期・若年成人(adolescent and young adult:AYA)世代と称し,AYA世代に発症するがん治療のあり方や術後身体機能維持の重要性が諸臓器がん領域において提唱されている.婦人科がん治療においても,AYA世代のみならず,常に生命予後の担保と,妊孕能,内分泌機能,および術後排尿機能や排便機能,さらには性機能の維持などとの両立が求められる.また,術後臓器機能の保持のみならず,個々のがんの病態に応じた慎重な術前検討から手術摘出範囲の縮小を図ることによって術後合併症を防止することや,治療による生殖臓器の喪失感への対応,および生命予後や術後社会復帰に関する不安への心理的サポートも広義の機能温存治療であると考えられる.近年の女性の晩婚化と出産年齢の高齢化,さらには出生率低下の社会状況を考慮すると,今後の婦人科がん治療においては長期予後改善への努力とともに,機能温存治療の積極的な展開が重要になるものと予想される.
 そこで本号においては,婦人科がんにおける機能温存治療について多角的な解説をいただく特集を企画した.まず,生殖内分泌学,周産期医学,女性医学,および精神腫瘍学の各領域からみた機能温存治療の現況と課題および未来について解説をいただき,次いで代表的な婦人科がん治療法である放射線療法,化学療法,および手術療法における機能温存治療の動向について総論的な解説をお願いした.さらに各論では,子宮頸がん,子宮体がん,卵巣がん,および絨毛性腫瘍における術後臓器機能温存,妊孕性温存および卵巣温存による内分泌機能温存を目指した治療の実際について,適用条件あるいは手技のコツなどについて,わかりやすく詳細な解説をいただくこととした.
 本特集号が,婦人科がんに立ち向かう産婦人科医の道標となり,より患者満足度の高い婦人科がん治療適用のための一助となれば幸甚である.

(東北医科薬科大学産婦人科 渡部 洋)

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