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診断と治療社 | 雑誌詳細:産科と婦人科

産科と婦人科

精選された情報満載読者各位にとって欠かすことができない情報をタイムリーに提供. 「生殖おもしろ話」・「外界事情」・「青い血のカルテ」・「産婦人科診療 私のコツ」など連載も充実.

抜群の読みやすさオール2色刷り.一目でキーポイントがわかるレイアウト.

充実したラインナップ日常診療の場で即役立つ「増刊号」を年各1冊発行.日進月歩で激変する医学界のキーワードを読み解き,読者各位の壮大な負託に応えるべく「産科と婦人科」は微力を注ぎます.

2021年 Vol.88 No.9 2021-08-18

骨盤臓器脱(POP)のすべて−診断と治療の最前線

定価:3,190円(本体価格2,900円+税)

冊 

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掲載論文

企画 寺内公一

Ⅰ.疫学・診断
1.骨盤臓器脱の定義・疫学・リスク因子 / 古山将康・他
2.骨盤臓器脱の診断・治療に必要な骨盤の解剖―fasciaの構造と変化から謎を解く― / 谷村 悟
3.エストロゲンと骨盤臓器脱 / 樋口 毅
4.骨盤臓器脱に伴う排尿トラブル / 中田真木
5.骨盤臓器脱の診断と検査法 / 岡垣竜吾・他

Ⅱ.治療総論
6.骨盤臓器脱治療の選択法 / 野村昌良
7.日本における骨盤臓器脱治療の現状 / 吉澤 剛・他

Ⅲ.治療各論
8.骨盤臓器脱の治療法―1)保存的療法:骨盤底筋体操 / 大内みふか・他
9.骨盤臓器脱の治療法―2)保存的療法:ペッサリー法など / 関口由紀・他
10.骨盤臓器脱の治療法―3)native tissue repair(NTR) / 吉村和晃
11.骨盤臓器脱の治療法―4)腟閉鎖術の有用性:鏡視下手術ならびにメッシュ時代における新たな位置づけ / 岡嶋祐子
12.骨盤臓器脱の治療法―5)経腟メッシュ手術に関する現在の考え方 / 成本一隆
13.骨盤臓器脱の治療法―6)腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)の最前線:minimally invasive LSC / 市川雅男・他
14.骨盤臓器脱の治療法―7)ロボット支援腹腔鏡仙骨腟固定術(RSC) / 佐々木 徹・他

連載
医療裁判の現場から 第28回
帝王切開術後の患者に深部静脈血栓症の予防措置として未分画ヘパリンの投与や高次医療機関への転院措置を行うべき注意義務違反等が争われ,否定された事例 / 山田隆史

若手の最新研究紹介コーナー
miR—132 Is Overexpressed in Human Ovarian Endometriotic Stromal Cells and Promotes the Acquisition of Endometriotic Phenotype Through the Activation of AKT1 / 青柳陽子

原著
鉄欠乏性貧血およびその治療の現状と課題―医師アンケート調査から― / 百枝幹雄

症例
腹腔鏡下回盲部切除術を施行した盲腸子宮内膜症の1例 / 中村友里恵・他
術前に卵巣腫瘍が疑われたが審査腹腔鏡にて小腸GISTと診断された1例 / 野澤明美・他

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ねらい

 わが国の産科婦人科学において,婦人科腫瘍学・周産期学・生殖内分泌学に次ぐ第4のサブスペシャリティとして「女性医学」「女性ヘルスケア」が認知されてから,約10年が経過しました.日本産科婦人科学会では「女性医学」を「QOLの維持・向上のために,女性に特有な心身にまつわる疾患を主として予防医学の観点から取り扱うことを目的とする」幅広い専門領域であると定めていますが,その最重要分野の1つとしてウロギネコロジーあるいは女性骨盤底医学があることはよく知られており,欧米における第4のサブスペシャリティはより特異的に,“urogynecology/reco nstructive pelvic surgery”とされています.
 ウロギネコロジーが対象とする女性骨盤底臓器の構造的・機能的異常には,腹圧性尿失禁・骨盤痛症候群・過活動膀胱・低活動膀胱・便失禁など様々なものがありますが,骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse:POP)は,その日常診療における頻度やQOLの低下度からも,最も中心的な課題の1つです.米国産科婦人科学会(ACOG)によれば,現在すでに全女性の13%が一生のどこかでPOPの手術を受けていますが,この疾患の罹患者は2050年までに現在の1.5倍に達するだろうとのことです(American College of Obstetricians and Gynecologists and the American Urogynecologic Society:Pelvic Organ Prolapse. Female Pelvic Med Reconstr Surg 2019;25:397—408).いまだかつて人類が経験したことのない超高齢化が進むわが国においてはこの推定をはるかに上回ることが予想されており,POPは今後「国民病」のような疾患になるのかもしれません.そのような問題意識から,本特集号では,わが国におけるウロギネコロジー分野の最前線に立つエキスパートの方々に,POPの疫学・病態・診断と多彩な治療法の数々についてご執筆いただきました.先生方の日々の診療に,少しでも最前線の空気をお届けできれば幸いです.

(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座 寺内公一)

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