小児科診療
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連載「Photo Quiz」ではビジュアルに画像診断のポイントを解説.
2019年 Vol.82 No.増刊号 2019-04-09
小児の診療手技
定価:9,350円(本体価格8,500円+税)
序 文 /星野 直
Ⅰ 救 命
心肺蘇生 /高梨浩一郎・他
用手的気道確保,バッグマスク換気法 /岡田 広
自動体外式除細動器(AED),手動式除細動器,同期電気ショック /中山祐子・他
気道異物の除去 /杉中見和
外傷の小児に対する一次救命処置 /林 卓郎
溺水の小児に対する一次救命処置 /南野初香
救急搬送 /伊藤友理枝・他
輸 血 /植木英亮
Ⅱ 麻酔・集中治療
エアウェイ挿入 /新津麻子・他
気管挿管(経口) /境野高資
人工呼吸法 /植田育也
非侵襲的陽圧換気法(NPPV) /川村健太郎
人工呼吸器からの離脱と抜管 /北村宏之・他
NO吸入療法 /高橋一雅・他
体外膜型人工肺(ECMO) /宮原瑤子
腹膜透析(CAPD) /山田拓司
血液浄化療法 /亀井宏一
処置や検査の際の鎮静 /澤田奈実・他
小児の疼痛管理 /宮澤典子
Ⅲ 救 急
消化管異物の除去 /浮山越史
急性中毒に対する消化管除染 /昆 伸也・他
腸重積症非観血的整復 /細田利史
鼠径ヘルニアの徒手整復法 /石川暢己
包茎嵌頓の整復 /和田直樹
肘内障,骨折・脱臼の処置 /森田光明
熱傷の治療 /松島知秀
消毒,局所麻酔法 /甫母祐子・他
創傷処置,閉鎖縫合,皮下膿瘍の切開排膿 /山本眞弓
耳垢の除去,耳内・鼻内異物への対応 /工藤典代
Ⅳ 採血・血管確保
採血法 /小野直子
末梢静脈路確保 /小野直子
骨髄針による輸液路確保 /岡本吉生
静脈切開 /河内貞貴
中心静脈ライン留置 /及川裕之
中心静脈カテーテルの管理 /秋山 類・他
動脈内カテーテル留置 /伊藤怜司
Ⅴ 穿 刺
腰椎穿刺 /木実谷貴久
骨髄穿刺 /堂野純孝
胸腔穿刺,胸腔ドレナージ /小林久人・他
心嚢穿刺 /林 健一郎・他
腹腔穿刺 /渡邉佳子
膀胱穿刺 /池宮城雅子・他
脳室穿刺,硬膜下穿刺 /井原 哲
Ⅵ 管 理
酸素投与法 /伊藤英介
吸入療法 /横山美貴
吸 引 /松永(藤浪)綾子
呼吸理学療法 /山口直人
気管切開の管理 /長井今日子
経鼻胃管カテーテル,EDチューブ,イレウスチューブの留置と管理 /田附裕子
胃瘻の管理 /田附裕子
人工肛門(ストーマ)の管理 /石井直樹・他
浣腸,高圧浣腸,洗腸 /小笠原有紀
尿道カテーテル留置と管理 /和田直樹
腎瘻の管理 /鈴木光一・他
脳室腹腔シャントの管理 /井原 哲
Ⅶ 注 射
注射法(筋肉内・皮下・皮内) /木実谷貴久
ツベルクリン反応 /木実谷貴久
BCG接種法 /木実谷貴久
Ⅷ 生 検
筋生検 /小牧宏文
末梢神経生検 /小牧宏文
肝生検 /梶 俊策
腎生検 /島 友子
皮膚生検 /吉田和恵・他
Ⅸ 検査手技
血液培養 /清水博之
尿培養 /阿部克昭
髄液細菌検査 /大石智洋
細菌塗抹検査 /深沢千絵
血液塗抹検査 /日野もえ子
迅速抗原検査 /静野健一
血液型検査,不規則抗体スクリーニング,交差適合試験 /加藤陽子・他
皮膚テスト,スクラッチテスト・プリックテスト /楠目和代
食物経口負荷試験 /佐藤さくら
内分泌負荷試験 /鈴木潤一
超音波検査 /野坂俊介
上部消化管造影,下部消化管造影 /光永哲也
排泄時膀胱尿道造影 /本間澄恵
小児核医学検査(シンチグラフィ) /北村正幸
Ⅹ 新生児
分娩室での蘇生法 /島袋林秀
搬 送 /川戸 仁
気管挿管 /上野大蔵
挿管による人工呼吸管理 /藤永英志
非侵襲的陽圧換気 /鈴木 悟
マイクロバブル試験 /内山 温
肺サーファクタントの投与法 /倉辻 言
採血法 /加藤丈典
末梢静脈ライン確保 /加藤丈典
末梢挿入式中心静脈カテーテル(PIカテーテル)留置 /宮沢篤生・他
動脈カテーテル留置 /長谷部義幸・他
臍動静脈カテーテル留置 /富田美佳
超音波検査 /大塚直哉・他
脳低温療法 /大曽根義輝
光線療法 /片山義規・他
交換輸血 /神農英雄
臍肉芽腫の処置 /葛西健郎
索 引
星野 直 /千葉県こども病院感染症科
若手医師にとって,診療手技を早期に習得することは重要な課題です.採血や末梢ルート確保といった日常的に行われる手技は,多くの経験を通じて自然と身についていきます.しかし,髄液検査などの実施機会が少し限られる手技ではどうでしょうか.また,胸腔穿刺や中心静脈カテーテル挿入など,難易度の高い手技の場合はどうでしょう.おそらく,手技の概要を学ぶことにはじまり,十分なシミュレーションを行ったうえで,上級医の監督のもと処置に臨むことになります.そのような時,診療手技について解説した1冊があると大変便利です.
上級医や指導医の立場になると,教育という重要な役割を担うことになります.診療手技に関する指導もその一環です.しかし,日頃特別意識することもなく行っている手技を,わかりやすく説明しながら教えることは意外と難しいものです.実技を交えた指導も重要ですが,研修期間中に必ずしも実施機会に恵まれるものばかりではありません.また,指導に還元するため,手技の概要について再確認したり,自らの手技を振り返るような機会があるかもしれません.そのような時,診療手技について解説した一冊があると,やはり大変便利です.
医師が習得すべき診療手技には,様々な検査も含まれます.造影検査,負荷試験,新生児に対する超音波検査などは,医師が主体となって行う検査です.また,日頃は検査技師が実施する検査を,当直時などに医師自らが行わなくてはならないことがあります.もちろん,検査を実施する際には,適応,検体の採取や処理,検査の方法について事前に理解しておかなくてはなりません.そのような時,検査について解説した1冊があると大変便利です.
上記のような場面に遭遇したら,ぜひ本増刊号を手に取ってみてください.
本特集では,計94種類の診療手技について,準備の段階から処置や検査の手順,さらに施行時の注意点まで,写真や図を交えながらわかりやすく解説しました.日常的に行われる手技から,一定の技術を要するような手技まで幅広く網羅しており,様々なニーズに応えることができる1冊となっています.ぜひ,病棟や外来の手の届くところに本増刊号を常備していただきたいと思います.日常の診療はもちろん,看護師や学生への説明にもご活用いただけるはずです.
最後になりますが,お忙しいなか貴重な原稿をご執筆いただいた先生方に深く感謝申し上げます.