HOME > 雑誌詳細

雑誌詳細

診断と治療社 | 雑誌詳細:小児科診療

小児科診療

最新の情報からベーシックな知識までわかりやすくお届けします!

読者の要望にお応えすべくup-to-dateな特集を提供.内容の充実とわかりやすい解説に腐心しました.

一目で要点をとらえ,本文へ読みすすみやすいレイアウト.

「増刊号」・「特大号」を年各1冊発行.読者の厚い信頼に応える内容で日常診療に不可欠な情報満載.

連載「Photo Quiz」ではビジュアルに画像診断のポイントを解説.

2023年 Vol.86 No.2 2023-01-13

全身をみて,腎・尿路疾患に気づく

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)

冊 

電子版はこちらからご購入いただけます.
※価格は書店により異なる場合がございます.


(外部サイトに移動します)

(外部サイトに移動します)

ページの先頭へ戻る

掲載論文

序 文  神田祥一郎

Ⅰ.総 論
腎・尿路疾患と腎外症状  神田祥一郎
腎・尿路疾患と遺伝子異常  山村智彦

Ⅱ.腎外症状を伴う腎・尿路疾患
CAKUT(先天性腎尿路異常)  倉岡将平
コラム:女性生殖器異常を伴うCAKUT  中村実沙子
繊毛病(ciliopathy)  榊原菜々・他
ADPKD/ARPKD  白井陽子・他
ネフローゼ症候群  滝澤慶一
尿細管疾患  安藤太郎・他
Alport症候群  堀之内智子

Ⅲ.全身疾患に伴う腎・尿路疾患
感染症と腎・尿路疾患  中野栄治
溶血性尿毒症症候群  梶保祐子
コラム:1996年に発生した大規模集団感染による溶血性尿毒症症候群  五十嵐 隆
膠原病と腎・尿路疾患  小椋雅夫
ANCA関連血管炎  平野大志
IgA血管炎―紫斑病性腎炎―  原田涼子
コラム:チアノーゼ腎症  益田 瞳
糖尿病  千葉有美子
先天代謝異常  西村竜哉
Onco-Nephrology  日髙もえ

症例報告
中隔子宮による外因性の一過性胸郭変形の一例 菅野奈緒・他

ページの先頭へ戻る

ねらい

全身をみて,腎・尿路疾患に気づく

神田祥一郎  /東京大学医学部小児科

 腎臓は肝臓と同様に「沈黙の臓器」といわれることがあります.それは,よほど機能が低下しない限り,むくみや倦怠感などの自覚症状が現れにくいからです.症状の出現が遅いために,腎疾患の存在に気づいたときにはすでに腎機能障害が進行しているということもあるくらいです.それでも成人8人に1人が慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)を有している時代ですので,小児と比べると成人は腎疾患の存在に気づきやすいでしょう.一方,小児は症状が現れにくいことに加え頻度が低いことから,慢性腎臓病を早期診断することはとても難しいです.
 では,どのようにしたら,早期診断できるでしょうか?
 その試みの1 つが学校検尿・3 歳児検尿です.血尿,蛋白尿,尿糖の3 項目でスクリーニングを行うこの検査は,腎炎やネフローゼ症候群,糖尿病などを早期診断するのに大変有用です.しかし,小児慢性腎不全の頻度の高い原疾患である先天性腎尿路異常(congenital anomalies of the kidney andurinary tract:CAKUT)やネフロン癆は,腎機能障害の進行とともに希釈尿を呈するようになるため,一般尿検査の定性検査では異常所見をみとめにくいです.つまり,「沈黙の臓器」である腎臓は,疾患の種類によっては尿検査によるスクリーニングさえも潜り抜けてしまうのです.
 そんな腎臓病の早期診断の一助となるのが,腎外症状です.もちろん,腎・尿路症状のみを呈する疾患も少なくありませんが,いくつかの腎・尿路疾患は合併しやすい腎外症状が知られています.そこで,腎・尿路疾患に合併し得る腎外症状に出会った際,「もしかしたら腎・尿路疾患が隠れているかもしれない」と腎・尿路に注意をはらうことでその存在に気づけることがあります.また,腎・尿路疾患を有する患者に出会った際,合併しやすい腎外症状を検索することでトータルケアにつなげることができます.つまり,個別の臓器に注目するのではなく,「全身をみる」という臨床医の基本姿勢が,腎疾患の存在に気づく契機になり得るとともにトータルケアに必要である,ということです.
 さらに,腎・尿路疾患が特定の腎外症状を合併するのには,それぞれ理由があります.本特集号を通じて「全身をみて,腎・尿路疾患に気づく」という臨床の基本から背景に存在する基礎の病態にまで目を向けていただけたらと思います.

ページの先頭へ戻る

当社発行の雑誌は論文単位でPDFファイルのダウンロード購入
が可能です.詳細はメディカルオンラインへ            

2024年 Vol.87
No.11 特集/遺伝学的検査 Up to Date最新号
No.秋増刊号 特集/臓器別に斬る小児の感染症
No.10 特集/つながる内分泌学
No.9 特集/消化器関連検査を極める!
No.8 特集/公費補助制度を使いこなす!
No.7 特集/「食べる」ことをめぐる問題
No.6 特集/紹介医に伝えたい「腎炎・ネフローゼ症候群」
No.5 特集/それってほんとにITP?
No.春増刊号 特集/子どもの皮膚診療を極めるために
No.4 特集/新生児・乳児の感覚に寄り添う
No.3 特集/小児コロナウイルス感染症の現在地と小児医療に与えたインパクト
No.2 特集/米国の小児医療・卒後教育の現状と臨床留学への手引き
No.1 特集/小児疾患におけるアフェレシス
2023年 Vol.86
No.12 特集/微量元素とビタミンが子どもにとってなぜ必要か
No.11 特集/成長曲線を書こう
No.秋増刊号 特集/アレルギー疾患 最新治療と生活からの視点
No.10 特集/古くて新しい予防接種〜この10年で何が変わったか〜
No.9 特集/トリソミーのすべて:NIPTの時代に
No.8 特集/小児・AYA世代がん診療の現在と未来
No.7 特集/ポストコロナ,少子化時代:30年後の小児医療と人材育成
No.6 特集/小児の敗血症診療up to date
No.5 特集/研修医として今知りたい新生児の診療に必要な手技
No.春増刊号 特集/小児の治療指針
No.4 特集/知っておきたい小児炎症性腸疾患(IBD)
No.3 特集/これでよくわかる自己炎症性疾患
No.2 特集/全身をみて,腎・尿路疾患に気づく
No.1 特集/子どもと家族への心のケア
2022年 Vol.85
No.12 特集/医療情報の利活用 現在と未来
No.11 特集/感染症診療における迅速検査を知る
No.秋増刊号 特集/今考える,移行期医療
No.10 特集/食物アレルギー
No.9 特集/くわしく知ろう小児の機能性消化管疾患
No.8 特集/小児在宅医療をすすめるために
No.7 特集/血液・腫瘍疾患,急ぐべきときは「今」
No.6 特集/小児神経検査マニュアル
No.5 特集/研修医・専攻医・指導医のための小児科研修指南
No.春増刊号 特集/小児画像診断のコツ
No.4 特集/サイトカインストームと小児疾患
No.3 特集/症例から考える小児泌尿器疾患小児病院での私のみかた
No.2 特集/子どもの事故(傷害)いかに防ぐか
No.1 特集/基礎理論に基づいた小児漢方診療
2021年 Vol.84
No.12 特集/治療可能な先天代謝異常症を診断しよう!
No.11 特集/小児遺伝子疾患事典
No.10 特集/頭痛診療の基本から最新の知見まで
No.9 特集/おさえたい川崎病ガイドラインのツボ
No.8 特集/発生学から考えてみよう!小児の先天疾患
No.7 特集/小児栄養 UP to DATE
No.6 特集/統計的分析手法と研究デザイン
No.5 特集/乳幼児健診実践ガイド
No.増刊号 特集/〜エキスパートの経験に学ぶ〜小児科 Decision Making
No.4 特集/小児科医の疑問に答える!子どもと新型コロナウイルス
No.3 特集/災害時の小児医療〜災害の経験を今後に活かす〜
No.2 特集/新ガイドラインの理解を深める 新生児マススクリーニング
No.1 特集/学童期の神経疾患のファーストタッチから専門診療へ
2020年 Vol.83
No.増刊号 特集/症候・疾患からみる小児の検査
2019年 Vol.82
No.増刊号 特集/小児の診療手技