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診断と治療社 | 雑誌詳細:小児科診療

小児科診療

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2021年 Vol.84 No.12 2021-11-12

治療可能な先天代謝異常症を診断しよう!

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)

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掲載論文

序 文  /衞藤 薫  

Ⅰ.疑う臨床症状
外観の特徴から疑うポイント  /蘇 哲民・他
神経症状から疑うポイント  /衞藤 薫
臨床検査から疑うポイント  /志村 優
Ⅱ.診断のポイント
アミノ酸代謝異常症  /冨田和慶
有機酸代謝異常症  /横井克幸・他
尿素サイクル異常症  /城戸 淳
脂肪酸代謝異常症  /松井美樹・他
ライソゾーム病・ペルオキシソーム病  /成田 綾
ミトコンドリア病  /松永綾子
金属代謝異常症  /清水教一
トランスポーター異常症  /小坂 仁
Ⅲ.治療のトピックス
酵素補充療法  /酒井規夫
ライソゾーム病における低分子療法  /高橋 勉
ミトコンドリア病の治療  /村山 圭・他
銅代謝異常症(Wilson病,Menkes病)の治療  /清水教一
肝移植治療  /三森浩太郎・他
再生医療の展望  /小池隆志
遺伝子治療の展望  /小林博司

原 著
不登校を初診時主訴に含む小中学生の患者22名の臨床像と予後  /飯野彰人・他

小児科診療/第84巻(2021年)総目次

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ねらい

治療可能な先天代謝異常症を診断しよう!
衞藤 薫  /東京女子医科大学小児科

 先天代謝異常症は,①まれな疾患である,②多彩な症状を呈し,疾患特異的な症状を必ずしもきたさない,③代謝経路などが多岐で複雑である,④確定診断には,その疾患を想定した疾患特異的な検査を要し,保険収載されていない疾患が多い,⑤食事療法や対症療法の他に,疾患に対する根本治療が確立されている疾患が限られている,ことなどの特徴がある.そのため,多くの小児科医にとって医学生時代に勉強したことがあっても,医師になってから実際にその疾患の患者さんに出会い,診療する機会は少ない.先天代謝異常症の診断において,「その疾患を疑うことができるか?」が確定診断への鍵となる.その診断の難しさにより,症状の出現から診断までのタイムラグを認め,また,未診断の症例も一定数存在することが想定され,実際の疾患頻度はわれわれが想像しているより実際は多い可能性が考えられる.
 近年診断・治療法の進歩により,発症前の診断や疾患特異的な治療が可能となっている.新生児領域では,タンデムマス法を用いた新生児代謝スクリーニング法が2014年に全国に拡大され,新たに有機酸代謝異常症や脂肪酸代謝異常症が追加され,現在20疾患が対象となっている.また,脊髄性筋萎縮症や一部のライソゾーム病に対するオプショナルスクリーニングも有償での提供が開始されている.また,今まで未診断であった患者さんの一部に,網羅的遺伝学的検査により新規に診断される例が報告されるようになった.治療の観点からは,食事療法や対症療法のみの治療が,疾患に特異的な治療が開発されている.2000年代初めにライソゾーム病への酵素補充療法が開発され,現在9疾患が対象とされている.その他の治療として基質合成阻害薬,シャペロン療法,より発展したプロトコールでの造血幹細胞移植や肝移植などが行われ,ここ数年はAADC欠損症において遺伝子治療も行われ,いくつかの他の疾患で治験も施行されている.
 新規治療の開発に伴い,神経症状をはじめとする臓器症状の不可逆的変化が生じる前に診断し,治療を行うことが期待される.本号では,総論として,先天代謝異常を疑う臨床症状を提示する.次に,各論として,主要疾患の診断のポイント,治療のトピックスや展望に関して述べる.
 まれだと思っていた先天代謝異常症が身近となり,一般診療や健診などの最初の窓口として最初の診療を担われる先生方の日々の診療や,患者さんのQOLの改善にお役立ていただければ幸いです.最後に,ご多忙のなかご執筆いただきました先生方に深謝申し上げます.

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