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小児科診療

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2021年 Vol.84 No.9 2021-08-10

おさえたい川崎病ガイドラインのツボ

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)

冊 

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掲載論文

序 文  /三浦 大・山岸敬幸

Ⅰ.ガイドラインに基づく急性期治療
「急性期治療のガイドライン」改訂のポイント  /三浦 大
免疫グロブリン  /鮎澤 衛 
プレドニゾロン  /小林 徹 
メチルプレドニゾロンパルス  /宮田功一
インフリキシマブ  /山村健一郎 
ウリナスタチン  /金井貴志 
シクロスポリンA  /鈴木啓之・他 
血漿交換  /伊藤秀一 

Ⅱ.ガイドラインに基づく心臓血管後遺症の診療
「心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドライン」改訂のポイント  /深澤隆治 
心電図・心エコー  /濱田洋通 
冠動脈画像検査  /須田憲治 
動脈硬化の管理  /池田和幸
薬物療法  /松裏裕行 
冠動脈血行再建術  /津田悦子 
ライフステージに応じた管理  /三谷義英

Ⅲ.ガイドラインの変遷と影響
川崎病診断の手引きとガイドラインの変遷  /中村好一 
川崎病全国調査にみるガイドラインが与えた急性期治療への影響  /阿江竜介 
DPCデータにみる診療体制と医療経済への影響  /大久保祐輔 

症例報告
眼窩内乳児血管腫2例におけるプロプラノロールの効果と視力への影響  //町田 修・他 
頭部MRIが診断に有用で,脳死肝移植につながったWilson病の1例  渡會麻未・他

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ねらい

三浦 大  /東京都立小児総合医療センター循環器科
山岸敬幸  /慶應義塾大学小児科

 昨年(2020年)は,川崎病の歴史において大きなターニングポイントになりました.
 まず,6月にとても残念なことに,発見者である川崎富作先生が鬼籍に入られました.川崎先生は,日本赤十字社医療センターの退職後も,川崎病の疫学研究や原因究明などに取り組んでこられました.晩年まで,奥様と一緒に川崎病に関する様々な学会・研究会に参加され,後進を鼓舞されたお姿は今も目に焼き付いて離れません.
 9月には,川崎病の子どもをもつ親の会の代表であった浅井満様が,川崎先生の後を追うように急逝されました.浅井様は,お子様を川崎病で亡くすという不幸を乗り越え,本会を設立されました.会報や相談会を通じて,川崎病の患者さんやご家族のために長年尽力されました.
 本特集を企画するにあたり,まずお二人の安らかなご冥福を心よりお祈り申し上げます.
 しかし,悲しいことばかりではありません.川崎病急性期治療のガイドラインと川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドラインという2つの重要なガイドラインが発表されました.それぞれ8年ぶり,7年ぶりの改訂になります.この2つの成果の要点を若手からベテランまで幅広い先生方にご紹介するため,本誌でお届けしてきた「ガイドラインのツボ」シリーズの一貫として,今回の特集号を企画しました.
 それぞれのガイドラインの主要な執筆者には,ガイドラインのツボ(要点)だけでなく,欧米のガイドラインとの比較による国際的な動向についてご記載をお願いしました.ガイドラインを書く際には,どうしても教科書的なハードな内容になってしまいますので,そこには書けないような臨床のコツについてソフトに述べていただきました.川崎病の日常臨床において,とても貴重なアドバイスになることでしょう.
 また,ガイドラインや診断の手引きの変遷,および全国調査やDPCデータからみた診療体制への影響についても専門の先生方にご執筆いただきました.ガイドラインによって生じた実臨床や医療経済における興味深い変化を知ることができます.
 わが国では,少子化にもかかわらず川崎病の新規発生数は増加し続け,罹患率(0~4歳児10万人あたり300人以上)は世界最高です.ほとんどの小児科医は患者さんを経験し,年間数十例の入院がある施設も多いでしょう.症例報告・ケースシリーズ,後ろ向き研究など臨床研究に初めて入門する若手医師にも相応しい対象であり,本特集号はその研究発表にも必ず役立つものと確信いたします.
 そして,読者の皆様には,5~10年後のガイドラインの改訂に向けて,ぜひ質の高い川崎病の臨床研究に挑んでほしいと思います.本特集号に提示されている「今後の期待される研究テーマ」を参考に,天国の川崎先生や浅井様のためにも,川崎病の発見の地であるわが国から新しいエビデンスを創出し,世界に発信していこうではありませんか.

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