HOME > 雑誌詳細

雑誌詳細

診断と治療社 | 雑誌詳細:小児科診療

小児科診療

最新の情報からベーシックな知識までわかりやすくお届けします!

読者の要望にお応えすべくup-to-dateな特集を提供.内容の充実とわかりやすい解説に腐心しました.

一目で要点をとらえ,本文へ読みすすみやすいレイアウト.

「増刊号」・「特大号」を年各1冊発行.読者の厚い信頼に応える内容で日常診療に不可欠な情報満載.

連載「Photo Quiz」ではビジュアルに画像診断のポイントを解説.

2021年 Vol.84 No.6 2021-05-12

統計的分析手法と研究デザイン

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)

冊 

ページの先頭へ戻る

掲載論文

序 文  /酒井理恵

Ⅰ.統計学的分析手法
データの種類と記述  /酒井理恵
仮説検定の考え方  /森崎菜穂
平均の差の検定/割合の差の検定  /田村 寛
2元分割表関係  /隈丸 拓
分散分析  /三上剛史
相関と回帰,多変量解析(線形回帰分析/ロジスティック回帰分析)  /酒井理恵
生存分析/カプランマイヤー法  /森崎菜穂
感度/特異度/ROC曲線  /後藤 励
医療の経済評価  /後藤 励

Ⅱ.因果推論
Causal Diagramについて  /大久保祐輔
傾向スコアを利用した解析とg-method  /大久保祐輔

Ⅲ.観察研究の研究デザイン(特に介入研究の効果を評価する方法)
操作変数法(instrument variable)  /大久保祐輔
差分の差分法(Difference-in-difference model:DID)  /五反田紘志
分割時系列解析(Interrupted time series:ITS)  /酒井理恵
Synthetic Control Method  /大久保祐輔

コラム
費用対効果分析の実践  /酒井理恵
医師のキャリア形成としての研究者という選択  /酒井理恵

原 著
非特異的な症候て゛発見された頭蓋内占拠性病変の6例
~Head Smartの活用~  /釡谷悠莉・他

ページの先頭へ戻る

ねらい

酒井理恵  /カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)
       ハーバーUCLA医療センターロンクイスト生物医学研究所小児科

 本号を手に取っていただきありがとうございます.いろいろな理由から本号を手に取っていただいたと思います.「上司から何か論文を書けと言われた」とか「いつか分析などをして論文を書く日が来るのでそのときのために準備しておきたい」とか「日常診療のなかでわいた疑問を分析してみたい」などがあると思いました.いろいろな理由があるなかで共通しているのは,「分析の仕方がわからない」という理由ではないかと思います.
 筆者も,研修医として働いていたときは,分析の仕方は全くわかりませんでした.大学時代に統計の授業があったことは覚えていますが,何を勉強したのか全く覚えていませんでした.なぜ覚えていなかったかと考えてみたのですが,学生のときは,統計学の重要性がわからなかったからではないかと思います.あとは,なぜか,「私にはわかるわけがない」という謎のあきらめもあったような気がします.
 本特集は,臨床をご経験された先生方,今も臨床をされている先生方,臨床の先生との研究を多くされている先生方に執筆をお願いしました.そのため,研修医の先生方がどのくらいわかっていて,どのくらいわかっていなくて,どんなことを知りたいかをよくわかっていらっしゃる先生方です.途中,「この先は専門家に相談してほしい」,「成書を参考にしてほしい」などとしかお伝えできないこともありましたが,本書の目的は統計の専門家になることではないので,とりあえずは,本特集で紹介したことを念頭に置き,本号を読んでいただいた後には,正しい研究デザイン,分析方法を用いて研究を計画し,正しい分析手法を使った論文が執筆できるようになっていただくことを目標としました.
 後半では,観察研究のデザインを紹介しました.因果関係を証明する際に,ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)を行いますが,これは,患者さんを治療群,コントロール群にランダムに振り分けていく方法で,非常に時間とお金がかかります.1人で行うのは無理ですし,研究費がなければできません.観察研究は,例えば手元にすでにデータがあったり,皆さんがお勤めの病院の記録からデータを集めることもできると思いました.確かに手間はかかりますが,RCTとは比べ物にならない程度の手間ですし,研究費がなくても頑張ればできると思いました.本特集の観察研究の研究デザインを読んでいただいて,日常診療のなかで疑問に思っていたことを検討できるデザインを思いつくことができるのではないかと思い,紹介しましたので,そのような目線で読みすすめていただければ嬉しいです.
 執筆をご担当いただく先生方が確定した時点で,「私がお金を払ってでも,欲しいよ!」と思いましたが,仕上がった今も同じように思っています.読んでくださった皆様にも「購入してよかった」と思っていただけると思います.このような素晴らしい特集となったのは,ご多忙ななか,執筆をご担当いただいた先生方のご尽力のおかげです.心より感謝申し上げます.

ページの先頭へ戻る

当社発行の雑誌は論文単位でPDFファイルのダウンロード購入
が可能です.詳細はメディカルオンラインへ            

2024年 Vol.87
No.12 特集/学校における医療行為と医療的ケア最新号
No.11 特集/遺伝学的検査 Up to Date
No.秋増刊号 特集/臓器別に斬る小児の感染症
No.10 特集/つながる内分泌学
No.9 特集/消化器関連検査を極める!
No.8 特集/公費補助制度を使いこなす!
No.7 特集/「食べる」ことをめぐる問題
No.6 特集/紹介医に伝えたい「腎炎・ネフローゼ症候群」
No.5 特集/それってほんとにITP?
No.春増刊号 特集/子どもの皮膚診療を極めるために
No.4 特集/新生児・乳児の感覚に寄り添う
No.3 特集/小児コロナウイルス感染症の現在地と小児医療に与えたインパクト
No.2 特集/米国の小児医療・卒後教育の現状と臨床留学への手引き
No.1 特集/小児疾患におけるアフェレシス
2023年 Vol.86
No.12 特集/微量元素とビタミンが子どもにとってなぜ必要か
No.11 特集/成長曲線を書こう
No.秋増刊号 特集/アレルギー疾患 最新治療と生活からの視点
No.10 特集/古くて新しい予防接種〜この10年で何が変わったか〜
No.9 特集/トリソミーのすべて:NIPTの時代に
No.8 特集/小児・AYA世代がん診療の現在と未来
No.7 特集/ポストコロナ,少子化時代:30年後の小児医療と人材育成
No.6 特集/小児の敗血症診療up to date
No.5 特集/研修医として今知りたい新生児の診療に必要な手技
No.春増刊号 特集/小児の治療指針
No.4 特集/知っておきたい小児炎症性腸疾患(IBD)
No.3 特集/これでよくわかる自己炎症性疾患
No.2 特集/全身をみて,腎・尿路疾患に気づく
No.1 特集/子どもと家族への心のケア
2022年 Vol.85
No.12 特集/医療情報の利活用 現在と未来
No.11 特集/感染症診療における迅速検査を知る
No.秋増刊号 特集/今考える,移行期医療
No.10 特集/食物アレルギー
No.9 特集/くわしく知ろう小児の機能性消化管疾患
No.8 特集/小児在宅医療をすすめるために
No.7 特集/血液・腫瘍疾患,急ぐべきときは「今」
No.6 特集/小児神経検査マニュアル
No.5 特集/研修医・専攻医・指導医のための小児科研修指南
No.春増刊号 特集/小児画像診断のコツ
No.4 特集/サイトカインストームと小児疾患
No.3 特集/症例から考える小児泌尿器疾患小児病院での私のみかた
No.2 特集/子どもの事故(傷害)いかに防ぐか
No.1 特集/基礎理論に基づいた小児漢方診療
2021年 Vol.84
No.12 特集/治療可能な先天代謝異常症を診断しよう!
No.11 特集/小児遺伝子疾患事典
No.10 特集/頭痛診療の基本から最新の知見まで
No.9 特集/おさえたい川崎病ガイドラインのツボ
No.8 特集/発生学から考えてみよう!小児の先天疾患
No.7 特集/小児栄養 UP to DATE
No.6 特集/統計的分析手法と研究デザイン
No.5 特集/乳幼児健診実践ガイド
No.増刊号 特集/〜エキスパートの経験に学ぶ〜小児科 Decision Making
No.4 特集/小児科医の疑問に答える!子どもと新型コロナウイルス
No.3 特集/災害時の小児医療〜災害の経験を今後に活かす〜
No.2 特集/新ガイドラインの理解を深める 新生児マススクリーニング
No.1 特集/学童期の神経疾患のファーストタッチから専門診療へ
2020年 Vol.83
No.増刊号 特集/症候・疾患からみる小児の検査
2019年 Vol.82
No.増刊号 特集/小児の診療手技