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小児科診療

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2021年 Vol.84 No.10 2021-09-14

頭痛診療の基本から最新の知見まで

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)

冊 

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掲載論文

序文  山中 岳 

Ⅰ.小児の頭痛
頭痛の分類と診断  安藤直樹 
頭痛の問診・診察・検査  荒木 清 
片頭痛の薬物療法  西村 陽 
片頭痛の非薬物療法  桑原健太郎 
特殊な片頭痛とその他の一次性頭痛  下村英毅 
緊張型頭痛  白石一浩 
二次性頭痛  里 龍晴・他 
慢性連日性頭痛  藤田光江 
周期性症候群  疋田敏之 

Ⅱ.頭痛を訴える疾患
慢性頭痛を訴える疾患1(若年性線維筋痛症,慢性疲労症候群など)  森 雅亮 
慢性頭痛を訴える疾患2(起立性調節障害と脳脊髄液減少症など)  呉 宗憲・他 
神経発達症と頭痛  林 雅晴
てんかんと頭痛  榎 日出夫 
めまいと頭痛  五島史行 

Ⅲ.最近の話題
片頭痛の最新の知見  滝沢 翼・他 
思春期患者の痛みのメカニズム  住谷瑞穂・他 
頭痛が子どもに与える影響  白石一浩 
片頭痛診療の今後の展望  柴田 護 

症例報告
大腸内視鏡下吸引腸液培養で診断したエルシニア腸炎の1例  田中梨菜・他 
自宅での呼吸停止を契機に診断された先天性中枢性低換気症候群の14歳男子  野村好平・他 

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ねらい

頭痛診療の基本から最新の知見まで
山中 岳  /東京医科大学小児科

 小児の頭痛は主訴のなかでもよくみられる症状の1つです.頭痛が子どもたち,もしくはその保護者に与える影響は少なくありません.片頭痛のような一次性頭痛から何らかの基礎疾患を伴う二次性頭痛まで,頭痛の種類も痛みの程度も多岐に富み,必ずしも疾患の重症度と痛みの強さが相関するとは限りません.二次性頭痛を注意深く否定したうえで,国際頭痛分類をもとに診断します.頭痛診療の基本となる国際頭痛分類第3版が2018年に改訂され,わが国の2013年慢性頭痛ガイドラインも間もなく改訂されます.まさに頭痛診療の変革期を迎えているといえます.特に片頭痛は近年急速に病態の理解がすすむことで,新しい治療法も開発され注目されています.トリプタンからCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)へ注目の的が移りつつありますが,トリプタンの使用を注意しなければならない特殊な片頭痛もあり,病態を理解したうえで治療することが重要です.一見同じようにみえる片頭痛ですが,前兆の有無だけで分類するのではなく,前兆の性状により脳幹性前兆を伴う片頭痛,片麻痺性片頭痛,網膜片頭痛のような特殊な片頭痛を鑑別する必要があります.
 毎日のように頭痛を訴える患児はわれわれ小児科医にとっても少なからず負担になることがあります.背景に隠れている学校や家庭問題などの社会的な因子を模索しつつ,頭痛診療を行うことは容易ではないかもしれませんが,皆様の負担を少しでも軽くなるよう工夫させていただきました.頭痛診療をするうえでの問診の方法,いかに対応すべきか,さらに言えば「コツ」のようなものも吸収していただくために,今回の執筆をご担当いただいた頭痛診療のエキスパート達の解説だけではなく,実際の症例を提示していただきました.また,起立性調節障害のような小児科医にとって身近な疾患から,ややとっつきにくい若年性線維筋痛症,慢性疲労症候群,脳脊髄液減少症などについても本特集では触れています.さらに頭痛治療に難渋しやすい神経発達症,頭痛の大切な鑑別疾患の1つであるてんかん,片頭痛との関連が深いめまい,普段あまり耳にすることの少ない片頭痛モデルマウスのことなど,様々な話題を盛り込みました.
 治療に関しても基本的な鎮痛薬の使用法,トリプタンの立ち位置,予防薬の適応,さらには最近話題のCGRP関連の薬剤まで幅広くカバーしています.そしてある意味,薬物療法よりも重要である頭痛教育を含めた非薬物療法についても学んでいただき,皆様の頭痛診療のスキルアップにつながれば幸いです.
 頭痛診療は奥が深く,とても興味深い分野です.基本から最新の知識までぜひ吸収していただき,明日からの診療の一助になれれば幸いです.

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