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小児科診療

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2024年 Vol.87 No.4 2024-03-14

新生児・乳児の感覚に寄り添う

定価:3,190円(本体価格2,900円+税)

冊 

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https://www.m2plus.com/content/isbn/9784015108704
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掲載論文

序 文  /北東 功 

Ⅰ.感覚器の発生と発達
触覚の発達  /佐藤和夫 
味覚の発達  /成川真隆・他 
嗅覚の発達  /三輪高喜 
視覚の発達  /羅 秀玉 
聴覚の発達  /小森 学 
五感と母子関係  /渡邉久子 
Ⅱ.感覚を養う
親子間相互作用における身体接触  /田中友香理 
食べ物の大切さ(視覚・味覚・嗅覚・触覚)  /向井美惠 
語りかけの大切さ(聴覚・視覚)  /梶川祥世 
視覚発達における視覚経験の重要性  /加藤正晴 
Ⅲ.新生児・乳児の成育に必要な環境
家庭での育児に適した環境作り  /三輪雅之 
病院での育児に適した環境作り  /田中太平 
感覚過敏の児に適した家庭環境作り  /水口 崇 
視覚障害児に適した家庭環境作り  /三科聡子 
聴覚障害児に適した家庭環境作り  /太田有美 

原 著
1診療所における百日咳と診断した症例とワクチンの実際  /五十嵐麻依子・他 

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ねらい

北東 功  /聖マリアンナ医科大学新生児科

 感覚,いわゆる五感とはご存じのように味覚,嗅覚,視覚,聴覚,触覚です.かつて,新生児は痛みを感じていないという誤ったことが信じられていた時期もありましたが,現在では,痛み刺激を代表とするこどもにとってよくない刺激は発達にも悪影響があることや,触覚や嗅覚は新生児期から実はかなり発達しているということが知られています.一方で,母子・親子関係は本来五感や気持ちを頼りに育くまれてゆくものですが,感覚的な育児ができない親が多くなっているといわれています.医療従事者もそういったことを大切にしなくなっているようにときに感じることがあります.とはいえ,小さいこどもほど五感を使って生きています.また,こどもに接するときにはわれわれ小児科医も五感をフルに活用してかれらの出すサインを捉える努力をしているのではないでしょうか.そこで,われわれがこどもに寄り添うために必要なのはわれわれの感覚であるということ,こどもたちの五感の発達にはわれわれが寄り添うことが必要であるということ,の2つの意味を込めて,本特集は新生児・乳児の感覚に寄り添うというタイトルで纏めさせていただきました.
 感覚に寄り添うためには,こどもたちの見ている世界や感じている世界がどういうものなのかを理解することから始まると思いますので,Ⅰ.「感覚器の発生と発達」ではそれぞれの感覚器の発生と乳幼児期までのそれぞれの感覚器の機能の発達について解説いただきました.それらを総括する形で母子関係と五感の重要性について解説をしていただいております.本来であれば感覚は自然に獲得してゆくものですが,都市化してしまったわが国で,こどもたちの感覚を適切に養うことは困難なことになっているのではないでしょうか.そこで,Ⅱ.「感覚を養う」として,こどもたちとの触れあい,語りかけ,食事,見ることを通じてどのようにこれらの感覚を養えるのかについて解説いただきました.Ⅲ.「新生児・乳児の成育に必要な環境」では,感覚を育むための環境について,家庭環境や病院環境をどのようにするとこどもたちにとって心地よいのか,また,感覚過敏や一部の感覚に問題を有する児にとってどういったものがよいのかについて解説いただいております.
 寄り添うというテーマでの執筆をご依頼させていただいたご執筆者の方々にはご苦労をおかけしたように思いますが,すべての原稿が“感覚に寄り添う”内容となっていると思います.したがって,もちろん医学的にも重要なことが書かれておりますが,われわれの心に訴えかけるような内容となっており,寄り添うというタイトルにふさわしい内容になったと思われました.
 こどもの感覚についてまとまった形で専門家に執筆された特集はこれまであまりなかったように思います.日常診療や健診などにおいて,健常児や病児の育児について両親へのアドバイスを行ったり,こどもたちの感覚に寄り添うべく,入院中のこどもへの接し方を検討していただいたり,病室の環境調整に利用していただいたりして日頃の診療に役立ててくださると幸いです.

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2024年 Vol.87
No.12 特集/学校における医療行為と医療的ケア最新号
No.11 特集/遺伝学的検査 Up to Date
No.秋増刊号 特集/臓器別に斬る小児の感染症
No.10 特集/つながる内分泌学
No.9 特集/消化器関連検査を極める!
No.8 特集/公費補助制度を使いこなす!
No.7 特集/「食べる」ことをめぐる問題
No.6 特集/紹介医に伝えたい「腎炎・ネフローゼ症候群」
No.5 特集/それってほんとにITP?
No.春増刊号 特集/子どもの皮膚診療を極めるために
No.4 特集/新生児・乳児の感覚に寄り添う
No.3 特集/小児コロナウイルス感染症の現在地と小児医療に与えたインパクト
No.2 特集/米国の小児医療・卒後教育の現状と臨床留学への手引き
No.1 特集/小児疾患におけるアフェレシス
2023年 Vol.86
No.12 特集/微量元素とビタミンが子どもにとってなぜ必要か
No.11 特集/成長曲線を書こう
No.秋増刊号 特集/アレルギー疾患 最新治療と生活からの視点
No.10 特集/古くて新しい予防接種〜この10年で何が変わったか〜
No.9 特集/トリソミーのすべて:NIPTの時代に
No.8 特集/小児・AYA世代がん診療の現在と未来
No.7 特集/ポストコロナ,少子化時代:30年後の小児医療と人材育成
No.6 特集/小児の敗血症診療up to date
No.5 特集/研修医として今知りたい新生児の診療に必要な手技
No.春増刊号 特集/小児の治療指針
No.4 特集/知っておきたい小児炎症性腸疾患(IBD)
No.3 特集/これでよくわかる自己炎症性疾患
No.2 特集/全身をみて,腎・尿路疾患に気づく
No.1 特集/子どもと家族への心のケア
2022年 Vol.85
No.12 特集/医療情報の利活用 現在と未来
No.11 特集/感染症診療における迅速検査を知る
No.秋増刊号 特集/今考える,移行期医療
No.10 特集/食物アレルギー
No.9 特集/くわしく知ろう小児の機能性消化管疾患
No.8 特集/小児在宅医療をすすめるために
No.7 特集/血液・腫瘍疾患,急ぐべきときは「今」
No.6 特集/小児神経検査マニュアル
No.5 特集/研修医・専攻医・指導医のための小児科研修指南
No.春増刊号 特集/小児画像診断のコツ
No.4 特集/サイトカインストームと小児疾患
No.3 特集/症例から考える小児泌尿器疾患小児病院での私のみかた
No.2 特集/子どもの事故(傷害)いかに防ぐか
No.1 特集/基礎理論に基づいた小児漢方診療
2021年 Vol.84
No.12 特集/治療可能な先天代謝異常症を診断しよう!
No.11 特集/小児遺伝子疾患事典
No.10 特集/頭痛診療の基本から最新の知見まで
No.9 特集/おさえたい川崎病ガイドラインのツボ
No.8 特集/発生学から考えてみよう!小児の先天疾患
No.7 特集/小児栄養 UP to DATE
No.6 特集/統計的分析手法と研究デザイン
No.5 特集/乳幼児健診実践ガイド
No.増刊号 特集/〜エキスパートの経験に学ぶ〜小児科 Decision Making
No.4 特集/小児科医の疑問に答える!子どもと新型コロナウイルス
No.3 特集/災害時の小児医療〜災害の経験を今後に活かす〜
No.2 特集/新ガイドラインの理解を深める 新生児マススクリーニング
No.1 特集/学童期の神経疾患のファーストタッチから専門診療へ
2020年 Vol.83
No.増刊号 特集/症候・疾患からみる小児の検査
2019年 Vol.82
No.増刊号 特集/小児の診療手技