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診断と治療社 | 雑誌詳細:小児科診療

小児科診療

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2024年 Vol.87 No.5 2024-04-11

それってほんとにITP?

定価:3,190円(本体価格2,900円+税)

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掲載論文

序文  金兼弘和

Ⅰ.ITPの診断
ITPはなぜ今immuneなのか  /石黒 精
ITPの診断に骨髄穿刺は必要か  /加藤 格
免疫性血小板減少症における血小板自己抗体の病態と役割  /今泉益栄
先天性血小板減少症・異常症の診断をどうする  /笹原洋二

Ⅱ.ITPと鑑別すべき血液・免疫疾患
急性白血病  /小野林太郎・他
全身性エリテマトーデス  /伊良部 仁
Wiskott-Aldrich症候群  /山下 基
MYH9異常症  /國島伸治
von Willebrand病  /高橋幸博・他
Kasabach-Merritt現象(症候群)  /小関道夫
家族性血小板減少症  /関口昌央
CDC42異常症,武内・小崎症候群  /武内俊樹

Ⅲ.ITPに対する薬の使い方
免疫グロブリン大量療法  /森 麻希子
コルチコステロイド  /東川正宗
リツキシマブ  /内山 徹
トロンボポエチン受容体作動薬  /宮川義隆

症例報告
積極的治療を提供し,良好な経過をたどっている
 13番染色体長腕部分トリソミーの1症例  /長 千春・他 

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ねらい

金兼弘和 東京医科歯科大学大学院小児地域成育医療学講座

 ITPは免疫性血小板減少症(immune thrombocytopenia)の略であり,かつては特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura)とよばれていたものであり,英語の略語としては同じです.小児では急性ITPが多く,一般小児科医が血小板減少の患者をみた際に,真っ先に想定される疾患であり,自然寛解あるいは免疫グロブリン大量療法で寛解することが多いです.そのため血液専門医でなくても診断・治療可能な疾患ですが,まれに他の疾患が紛れ込んでいることがあり,急性ITPと治療法が異なり,診断や治療の遅れは予後に影響します.本稿では,一般小児科医が知っておきたい診断方法,鑑別診断,最新の治療法についてそれぞれの分野のエキスパートに解説していただきました.
 Ⅰ.「ITPの診断」では,ITPはなぜ「特発性」というよりは「免疫性」が相応しいのか,その病態を理解すればわかるでしょう.ITPは骨髄における巨核球産生が正常~増加を示し,他の血液・悪性腫瘍を除外診断するために,かつてはほとんどの例で骨髄穿刺が行われていましたが,侵襲を伴う検査です.そこで,どのような場合に骨髄穿刺を行うべきか解説します.ITPは末梢血における血小板の破壊亢進があり,抗血小板抗体(自己抗体)が病態に絡んでいます.そこで抗血小板抗体について解説します.急性ITPと鑑別すべき先天性血小板減少症・異常症について日本小児血液・がん学会が作成したガイドラインを紹介するとともに,次のⅡ.「ITPと鑑別すべき血液・免疫疾患」では,特に鑑別すべき血液・免疫疾患を取り上げて解説します.
 具体的には急性白血病,全身性エリテマトーデス,Wiskott?Aldrich症候群,MYH9異常症,von Willebrand病,Kasabach?Merritt症候群,家族性血小板減少症,CDC42異常症,武内・小崎症候群です.いずれも比較的まれな疾患ですが,診断・治療は大きく予後に影響するものばかりです.長い間臨床を行っていると,急性ITPと誤診された経験があると思います.それゆえに一般小児科医もこれらの疾患の知識はもっていただければ幸いです.
 Ⅲ.「ITPに対する薬の使い方」ではITPに対する治療法について解説します.急性ITPは自然寛解もありますが,基本的治療は免疫グロブリン大量療法ならびにコルチコステロイド投与であり,実臨床に役立つこれらの治療のノウハウについて解説します.さらに急性ITPは慢性化し,難治性となることもあり,ITPに対する新たな治療としてリツキシマブやトロンボポイエチン受容体作動薬も導入されており,これらの治療法についても紹介します.

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2024年 Vol.87
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No.11 特集/遺伝学的検査 Up to Date
No.秋増刊号 特集/臓器別に斬る小児の感染症
No.10 特集/つながる内分泌学
No.9 特集/消化器関連検査を極める!
No.8 特集/公費補助制度を使いこなす!
No.7 特集/「食べる」ことをめぐる問題
No.6 特集/紹介医に伝えたい「腎炎・ネフローゼ症候群」
No.5 特集/それってほんとにITP?
No.春増刊号 特集/子どもの皮膚診療を極めるために
No.4 特集/新生児・乳児の感覚に寄り添う
No.3 特集/小児コロナウイルス感染症の現在地と小児医療に与えたインパクト
No.2 特集/米国の小児医療・卒後教育の現状と臨床留学への手引き
No.1 特集/小児疾患におけるアフェレシス
2023年 Vol.86
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No.11 特集/成長曲線を書こう
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No.10 特集/古くて新しい予防接種〜この10年で何が変わったか〜
No.9 特集/トリソミーのすべて:NIPTの時代に
No.8 特集/小児・AYA世代がん診療の現在と未来
No.7 特集/ポストコロナ,少子化時代:30年後の小児医療と人材育成
No.6 特集/小児の敗血症診療up to date
No.5 特集/研修医として今知りたい新生児の診療に必要な手技
No.春増刊号 特集/小児の治療指針
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No.3 特集/これでよくわかる自己炎症性疾患
No.2 特集/全身をみて,腎・尿路疾患に気づく
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No.春増刊号 特集/小児画像診断のコツ
No.4 特集/サイトカインストームと小児疾患
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No.2 特集/子どもの事故(傷害)いかに防ぐか
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No.4 特集/小児科医の疑問に答える!子どもと新型コロナウイルス
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No.1 特集/学童期の神経疾患のファーストタッチから専門診療へ
2020年 Vol.83
No.増刊号 特集/症候・疾患からみる小児の検査
2019年 Vol.82
No.増刊号 特集/小児の診療手技